(8)
9月 8日 月曜日 午後3時 早野 有里 「ほ、本気……なの……? いくら人目がなくても、わたし……外でするなんて……イヤッ!」
「駄目ですよ。ここでセックスすると決めましたからぁ。
さあ、有里さん。あなたの大好きなバックで責めてあげますからねぇ」
「いやぁっ、お願いっ! 外でなんて……許して。
せめて車の中で……ううん、やっぱり、それもいやぁっ……!」
わたしは、大きく頭を振ってイヤイヤを繰り返した。
今までも、副島を相手にセックスさせられたよ。
でもそれは、彼以外の人の目を感じなかったから。
確かに、映像として記録しているレンズの目や、鍵穴からこっそり覗いていそうな横沢さんや、たま~に現れては、たいして役に立たないのに、しっかりと有里の恥ずかしいところだけ見ている、きみとか……
……ううっ、話がややこしくなってきた。
だからぁ……要するにぃっ、こんなお日様の下でエッチなことしちゃだめぇっ! てなわけ……
ねえ、横沢さんはどう思ってるの?
こんな屋外で、美少女が襲われるのを黙って見ているの?
すがるように見つめた視線の先で、横沢さんはビデオカメラの準備をしていた。
副島が指定した台上の岩に、レンズを向けている。
「横沢さん……?! ……そんな……いやぁぁぁぁっ……!」
「さあ、有里様も観念してくださいねぇ」
抵抗する気力を失ったわたしは、岩場に両手を突かされた。
背中を押されて、お尻を突き出さされて、両足を開かされた。
そして「胸が苦しかったでしょう」って、親切そうに話し掛けられて、紐状になっていた水着の肩紐が外された。
そのまま、ウエストのあたりまで引きずり下ろされた。
目の前で白いふくらみが露わにされる。
「これで、楽になったでしょう。
ほらぁ、股布にも余裕が出来て。ちょっと横にずらしただけで、有里様のおま○こが、まぁる見え……はははははっ」
水着を着物の帯のように巻き付かせて、わたしは泣かされた。
「うっ、うぅぅぅぅっっ……見ないでぇっ、しないでぇっ、お願い許してぇっ……」
「そんなポスターの標語みたいに単語だけ並べられても、私も困るんですよねぇ。
それに、ほらぁ。息子も張りきっているんですから」
「ひぃっ!……い、いやぁぁっっ!」
振り返った視界に、全裸の副島が飛び込んでくる。
腿のつけ根に堅いものが触れた。あいさつ代わりに、ズンって突かれた。
さっき、車の中で白い液を出させてあげたでしょう。
いい気持ちだったでしょう。
それなのに、この恩知らず! 薄情者!
「それでは、有里様。冷えた私の身体を温めて下さいねぇ」
腰を両手で掴まれた。
身動きの取れなくなった下半身に緊張が走る。
そして、海鳥の鳴き声を合図に、副島の息子がわたしの膣に断りもなく入ってくる。
ズ二ュッ、ズ二ュゥッ、ズ二ュッ、ズ二ュゥゥッ……
「……はぅぅぅっっ、んんんっっ! 急に、入れないでよっ、んぐぐっっ……いやぁ」
もっと強気で言い返したかったのに、情けないよね。
だって有里の膣って、抵抗も忘れて副島の息子をあっさりと飲み込んだんだから。
おまけに、アソコをジーンと震えさせて。
だから一言、心の中で反撃した。
せめて、指で開いてから入れなさいよっ!
ここは、ものすごーくデリケートなんだよっ!
「別に前戯の必要はなかったですねぇ。おま○こがヌレヌレですよぉ。
まさか、さっきのエロウォーキングで感じていたとは……ははははっ、さすがは淫乱娘ですねぇ」
「ああぁぁっ、言わないでっ……んんっ、お願いだから、ふぅんむっ……」
そんなの嘘よって、否定したい。
でも……エッチな水着でエッチな歩き方させられて、感じてしまったのは本当の話。
それに今だって、最初の挿入だけで敏感なあそこがズキンズキンって、気持ちいいの信号を送ってくる。
「それでは、ふたりで身体を温めましょうねぇ」
パンッ、パァンッ、パンッ、パァンッ……
「あっ、あぅっ、はぁっ、はぁっ……こんなのぉっ、イヤなのにぃっ……んんんっっ」
副島の息子が一定間隔のリズムで、アソコを突き始めた。
硬い棒が出たり入ったりして、肉同士がぶつかる音が響いて。
気持ちいいのに。
快感なのに。
どうしようもないくらい、心の中は不安で一杯になっていく。
わたしは血が出るほど唇を噛みしめて、下をうつむいた。
ちょっとでも油断したら、恥ずかしい声を誰かに聞かれちゃうと思って。
「有里様ぁ、身体が強張っていますよぉ。
せっかく景色の良い場所でセックスしているんだから、お互いもっと楽しみませんかぁ」
「……んんっ、むぅっ、無理ぃっ……た、愉しむなら、ぁぁああっ……あなた……ひとりでっ、ど、どうぞ、はぐぅぅぅっ……んんっっっ!」
今は海鳥の鳴き声も、岩にぶつかる波の音も、なーんにも聞こえない。
代わりに聞こえるのは、パンッ、パンッて音と、グチュ、グチュっていう水の音。
それに、わたしの……有里の……エッチな吐息……だけ。
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