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聖なる日の贈り物  登場人物 紹介





















【登場人物 紹介】


  二宮 佐緒梨

本作品のヒロインで、長い黒髪と白い肌を持つ美少女。 非処女
継母と共に歓楽街に近いアパートで暮らしながら、毎晩、『マッチ売りの少女の部屋』と呼ばれる所で、その継母に命じられるまま、恥辱に満ちた行為させられている。
客である男たちの前では、本名の佐緒梨ではなく、サリーと名乗っている。



  野村 春樹

佐緒梨のクラスの同級生で、高校に入学以来の顔なじみ。
その時から、彼女に対して強い思いを寄せていたが、少々気が弱く、未だに口に出せないでいる。
だが、クリスマス直前の終業式の日。ある一大決心をする。



  須藤 多恵子

ヒロイン二宮佐緒梨の育ての母親。
冷酷で金に対する執着心が強く、娘である佐緒梨を幼い頃から虐待し続けている。
尚、親子でありながら苗字が違うのは、未だ彼女が娘の佐緒梨を籍に入れていないため。



  住田

この歓楽街を仕切るヤクザ者のひとりで、佐緒梨の母親多恵子の元へ、月に一度金をせびりにやってくる寄生虫のような男。



  副島 徹也

白いスーツに身を包んだ、長身痩躯な男。
イブの夜、彷徨う春樹の前に運命の道標のように姿を現す。
『少女涙の羞恥生活』からの友情出演?



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真っ赤な砂時計 その1























(1)


12月 18日 火曜日 午後8時   二宮 佐緒梨



わたしは何もない部屋の壁に寄り掛かっていた。
本当に何もない部屋……

机もベッドも椅子さえもない。
窓はあるけれど、開けたって汚れたビルの背中が見えるだけ……

それに今は夜だから、外は真っ暗だし……
今は冬だから、凍えそうな冷たい空気が入ってきちゃうし……

ええっと……そうだ、忘れてた。
この部屋、エアコンがあったんだ。
さっきから、ゴーって音を立てて、部屋を暖めてくれている。

だからわたし、こんな中途半端な服装でも寒くないんだ。
下半身は、足首まで隠してくれるロングスカートを履いているのに、上半身は猫のキャラクターがいっぱいプリントされたブラジャーだけ。
可愛いおへそも丸見え。

でも、別にお風呂上がりって訳じゃないよ。
これが、佐緒梨(さおり)の衣装なの。
毎晩、お客様をお迎えする衣装だから、これって佐緒梨の仕事着ってとこかな?

あっ! 階段を昇る足音が近づいて来る。
コツコツとハイヒールの軽い音が、たぶんお義母さん。
それと、コツンコツンと低い皮靴の音が、たぶんお客さんだと思う。

やがて、ドアノブにカチャリと鍵が差し込まれる。
塗装が剥げかかったみすぼらしいドアが、油の切れた音を残しながらひらいていく。

「い、いらっしゃいませ♪♪」

わたしは、弾かれたように部屋の真ん中に立つと、強張りかけた顔の筋肉をメッ! って叱って、急いで笑顔を作る。
そして、両手を前に添えて腰を90度折り曲げた。

「えっ! い、いや……あの……
まさか、本物の女子高生なの?
それも、こんなに、可愛い……」

「だから言ったでしょうぉ? お客様。
うちは看板に偽りなしだってぇ……
ねぇ、サリー。そうでしょう?」

お義母さんが、お客様の肩を撫でながら訊いてきた。

「は、はい。お客様。
サリーは、学校から帰った後、宿題を済ませてお客様が来られるのを、ずっと待っていました♪♪
わたしを……ううん、サリーの女の子を見てもらいたくて……」

「ね、わかったぁ? お客様。
それで、今夜はどうされますぅ?
ノーマルプランだと、10分で5千円ね。
ただし、これだと覗くだけよぉ。
あと、オプションとして、舌で舐め舐めが3千円。
指でイチャイチャも3千円。
玩具……えーっと、ローターは3千円で、バイブだと5千円。
延長料金は、3分3千円ね」

お客様の耳元に顔を寄せて、お義母さんが囁いている。
いつもの商売用の甘ったるい声で……

わたしは、その間、さりげなくお客様をチェックしていた。
黒縁のメガネを掛けた、ちょっと気の弱そうなおじ様。
でも、初めて見る顔。
年令は……たぶん40才くらい。
会社帰りのサラリーマンさんかな?
紺色のネクタイをして、上下とも茶色のスーツでまとめて、その上、黒い皮のカバンまでぶら下げて……
奥さんとかいないのかな?
子供さんは……?
真っ直ぐ帰らないでいいのかな?
待っている人は、誰もいないのかな? 誰も心配していないのかな?

「えっ、ええとぉ……の、ノーマルに、あ、あとオプションの……その……舐めるのを付けてでお願いします」

「はい。ノーマルプランに舐め舐めをセットね。
それじゃあ、8千円いただくわ」

わたしのチェックは、ふたりの会話にかき消されていた。
ブランド柄の財布から抜き取られた5千円札1枚と千円札3枚が、派手なネイルアートの指に絡め取られている。

「あと、プレイ中でも追加は、OKだから。
そのときはいつでも、そこの壁にあるボタンを押してね。
まあ、わからないことがあったら、その子に聞いてちょうだい。
それじゃあ、サリー。お客様に失礼のないようにね」

お義母さんは、おじ様からもらったお金を、そのままスカートのポケットに突っ込むと、さっさと部屋を出て行った。
きっとまた、次のお客様を探しに行ったんだ。

そう思うと、佐緒梨の胸にちょっとだけズキンッって痛みが走った。
別に今日が初めてでもないのに……
佐緒梨は、もう女の子を捨てさせられたのに……

だから絶対に、この笑顔の表情を崩したりしない。

「お客様。本日は、『マッチ売りの少女の部屋』へお越しいただき誠にありがとうございます。
限られた時間ではありますが、わたしサリーが出来る限りサービスしますので、お客様も心ゆくまでご堪能くださいね♪♪」

わたしは、くちびるが覚えてしまったセリフを当たり前のようにつぶやくと、お客様を見つめた。
そして、真っ赤な砂の入った砂時計を、逆さにして床の上に置く。

「では、お客様。この砂が落ちきるまで、サリーの女の子と仲良くしてくださいね」

「あ、ああ」

わたしは、戸惑うお客様の右手に銀色のペンライトをそっと握らせ、両足を大きくひらいた。
そのまま、スカートの前裾を軽く持ち上げて促した。

「お客様、どうぞ。
サリーのスカートの中で、愉しいひと時を……♪♪」



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真っ赤な砂時計 その2























(2)


12月 18日 火曜日 午後8時20分   二宮 佐緒梨



擦り傷が目に付くフローリングの上で、真っ赤な砂がサラサラと落ちていく。

でも、お仕事はまだ始まったばかり。
まだ、円柱のガラスの底が赤く染まっているだけ。

「はあ、はあ、はあ……
スカートの中って、息苦しいくらいむっとしているんだね。
メガネが曇っちゃいそうだよ。
でも……?!
すぅーっ……はぁーっ……すぅーっ……はぁーっ……
はあぁー……いい匂いだ。
これが、サリーちゃんの、女の子の香りなんだ……」

「だめ。そんなに鼻を鳴らさないでください。
サリー、恥ずかしいです。
……それよりも、お客様。
み、見えますか? わたしのあそこ……
サリーね。お客様のために、パ、パンティーを穿いていないんですよ」

足元から聞こえてくる、くぐもった声と喉を震わせたような呼吸の音。
鼻に抜けたような上ずった声をあげながら、床の上であぐらを掻いたおじさんが、上半身だけをロングスカートの中にすっぽりと隠している。

わたしは、部屋の真ん中でおなかに力を入れて立ち続けていた。
まるで土俵に上がったお相撲さんのように、両足を大きくひらいて腰を落として、次第に荒くなっていく呼吸をなだめるように、両手をおへその上にあてがっている。

いつのまにか、顔からお仕事用の笑顔が消えちゃった。
代わりにあるのは、眉間に深い縦じわを刻んでギュッと口を真一文字に結んだ、サリーじゃない佐緒梨の本心。

でも大丈夫。
誰も見ていないから。
お義母さんだって、お客様のおじさんだって……

「ああ、見える!
サリーちゃんの割れ目が、ライトの明かりで……よぉーく見えているよ。
サリーちゃんのおま○こが、丸見えだ」

「……うぅっ、ど、どうですか?
サリーのあそこ、きれいですか?」

「ああ、きれいだよ。
まるで、男を知らない処女のおま○このようだ。
はあ、はあ……ふふっ。でもこうして見ると、ライトの加減かな?
サリーちゃんの割れ目のスリット、かなり深く切れ込んでいるんだね。
それに、ほら……大股びらきしているから、赤いお肉が中まで覗いちゃってるよ。
くふふっ、女子高生なのに、ここだけはもう大人なんだね」

「い、いやぁん。そんな言い方……
サリー、恥ずかしい……」

無数に折りたたまれたギャザーが、いっぱいにまで引き伸ばされて、下腹部が妊婦さんのように膨らんでいる。
厚手の生地で作られたスカートの表面が、まるで別の生き物のようにもぞもぞと動いている。

わたしは天井を見上げた。
零れ落ちそうになる涙をまぶたの縁に押しとどめようとした。

褒めてはけなすおじさんの言葉に、佐緒梨の女の子が泣いて……
こんな言葉くらい慣れないと、お義母さんに折檻されるのに、やっぱり悲しくて……

この部屋へ入って来た時って、わたしを見て持っていたカバンを落としそうになっていたのに……
わたしとふたりきりになった時だって、生唾を飲み込んで緊張をごまかそうとしてたのに……

なのに……なぜ?
なぜ男の人って、こんなにエッチな人に変身できちゃうの?
なぜ女の子を恥ずかしがらせて、興奮しちゃうの?

「はあ、はあ。こんなにそそられるプレイがあったなんて……
ほら、じっとして! 動かないで!
おじさんが、サリーちゃんのおま○こを、もっともっと観察してあげるからね。
ふふふ、大丈夫。おじさんに任せておきなさい」

「で、でもぉ。
うっぅぅっ、気持ち悪……ううん、く、くすぐったいよぉ」

中に潜り込んでいる頭が動くたびに、おへそにあてた手首をお互いに強く握り締めあわせた。
おじさんの興奮した熱い息が、ショーツを穿かせてもらえない佐緒梨のあそこに吹きかけられるたびに、血が滲むくらいくちびるを噛み締めていた。

恥ずかしいよ!
こんなの嫌! 絶対にイヤ!
パンツを穿いていない大切な処を下から覗かれて、ふーってされて、くすぐったいなんて……
本心じゃない可愛らしい声で、おじさんを騙しているなんて……

「さあ、今度は、クリちゃんはどこかな?
女子高生の感じるお豆ちゃんは、もっと上かな?」

「あ、あぁっ、恥ずかしい。
サリーのクリトリス、見ないでぇ。見ないでよぉ」

でもわたしは、甘い声を真顔でささやいていた。
顔をしかめたまま、おじさんが悦ぶエッチが好きな女の子をくちびるだけで演じていた。

演じながら、天井にあった視線を床に落としてみる。
うごめくスカートから目を逸らすようにして、砂時計を見つめた。

案の定、後悔した。

おじさんにとって、あっという間の5分。
サリーにとって、地獄の5分。

そして、いよいよ後半戦。
わたしは、マニュアルどおりにささやいた。

「おじ様に覗かれっぱなしで、サリーのあそこ、変な気分になってきちゃった。
だからお願い。
舐め舐めしてぇ♪♪
サリーの恥ずかしい割れ目に舌を差し込んで、気持ちよくしてぇ♪♪」

でも、ほんのちょっと本気だったりして……



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真っ赤な砂時計 その3























(3)


12月 18日 火曜日 午後8時25分   二宮 佐緒梨



ちゅぷっ、ちゅぱっ……れろ、れろ、れろ……

「はぐぅ、はんむっ。
サリーちゃんのお肉って、柔らかいんだね。
とっても、おいしいよ……」

「い、いやぁん。だ、だめぇ……
おじ様の舌、気持ちいいぃ……サリー、気持ちいいのぉ」

わたしの要求どおり、おじさんのくちびるが佐緒梨の大切な処に吸い付いてきた。
ズボンの前を風船のように膨らませながら、佐緒梨の股の間に顔を埋めている。

赤ちゃんがおっぱいを飲むように……
でもそこは、女の子の性器なのに……

窒息しそうなくらい顔を股間に押し付けて……
いっぱいに伸ばした舌で……
佐緒梨の割れ目を、佐緒梨の敏感なヒダヒダを、そして膣の入り口まで……

顔を上下に振りながら必死で舐め続けている。
わたしを感じさせようとして、わたしにエッチな声を上げさせようとして……

「そ、そう。おじ様上手。
舌先が硬く尖って……あふぅ、はああぁぁっ! 入ってくるぅ……!」

わたしは、腰をブルブルって震わせた。
お世辞じゃない。
本当に感じ始めて、あそこが疼き始めて、それを佐緒梨も望んで……

足を大きくひらいたまま、お腹に押し付けていた両手をおじ様の肩に添えた。
スカート越しに両肩を掴んで、佐緒梨が転がらないようにこっそり支柱に利用しちゃった。

でも、おじさんはそんなこと気にしないって感じで、舌を動かし続けている。
小陰唇の隅々まで丁寧に舌を這わせて、おしっこの穴まで、そこは汚いのに舌先をクルクル回転させながら舐めまわしている。

「はあ、はぐぅ。サリーちゃんのおま○こ、なんて可愛いんだろう。
それに、お肉が瑞々しくておいしい。
若いってのは、いいよね。
あいつの干からびたおま○ことは、大違いだ」

「ひいぃっ、ああぁぁっ! サリー、うれしい♪♪
ううっ、うれしいけど……とても嬉しいけれど……ひゃああぁんんっ!」

身体の芯をビリビリと電気が駆け抜けていく。
腰だけじゃない。背中も肩も震えて、わたしの続きの言葉を封じ込められちゃった。

おじさんの舌が、感じるお豆に舌を伸ばしている。
佐緒梨のクリトリスをチロチロと舐めては、膣の中から熱いお汁を湧き出させていく。

「ここが、気持ちいいんだろ?
サリーも、この突起が感じちゃうんだろ?
ふふふっ。ほうら、濡れてきた。
サリーの割れ目から、おいしい蜜が溢れてきた」

「ううっ、うん……お、おじ様。すごい!
んん……んんんんっ、ク、クリトリスぅ、感じるぅ、感じちゃうのぉっ!」

背中が勝手に仰け反っちゃった。
背中だけじゃない。わたしはおじ様の肩に体重を乗せたまま、あごを突き出して全身を弓なりに反らせていた。

おじさんの奥様、ごめんなさい。
佐緒梨の大事な処でおじさんを夢中にさせて、本当にごめんなさい。

でも、許して。
これが佐緒梨のお仕事なの。
こうしてお客様を悦ばせて、ついでにわたしも気持ちよくさせてもらう、はしたないお仕事なの。
バカにされて蔑まれて、白い目で見られて……
そうよ。人として最低のお仕事をしながら生きているの。

ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅぷっ……ねろっ、ねろっ、ねろっ……

「あはぁぁ、ふぅぅっ、もっとぉ、もっとぉナメテぇ……
ああぁっ、さ、サリーのエッチなお汁、吸い出してぇ……おじ様ぁ、おじさまぁぁっ!!」

熱く火照った割れ目に、深く深く舌が侵入してくる。
壁を溢れそうになる恥ずかしいお汁を、おじ様が喉を鳴らして飲み込んでいる。

両腕がわたしを支える振りをしながら、太ももの後ろを這い登っていく。
ごつごつとした分厚い手のひらが、むき出しのお尻を撫でまわしている。

「はんむぅ、むぐぅ。気持ちいいかい?
おじさんの舌で、イッちゃいそうかい?
はあ、はぁ……でも、なんてサリーちゃんは可愛いんだ。
ひと目見た時から、おじさん、サリーちゃんのことが……」

「さ、サリーも……くふぅぅぅっ、うれしいぃぃ。
こんな優しいおじ様が、お客様で……サリーよかったぁ……はあっ、ふあっ!」

頭の中が半分くらい白く染まっていてる。
おじさんの口元を追いかけるように、わたしももっと刺激が欲しくて、盛んにあそこをずらしている。

ホントは『指でイチャイチャ』は別料金なんだけど、佐緒梨の辛い気持ちを和らげてくれたからサービスしちゃう。
お義母さんには、内緒にしてあげる。

「はあぁ、はぁぁぁっ……いい。おじ様、いいのぉっ!」

おじさんが息を切らせながら、舌の動きを加速させた。
鼻の頭まで割れ目に沈み込ませて、デリケートな膣の中まで舐め始めている。

わたしは、何度も腰を落としそうになりながら、そっと砂時計に目をやった。
最後のひと摘みの砂が、くびれたガラス管をさっと流れ落ちていく。

時間だ……



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真っ赤な砂時計 その4























(4)


12月 18日 火曜日 午後8時30分   二宮 佐緒梨



時が止まった真っ赤な砂が、佐緒梨の恥辱の時間が終了したことを告げた。

でも、延長だって出来る。
おじさんの気持ちと財布しだいで、真っ赤な砂が時を刻むなんて自由自在。
そしてわたしも……

あんなに辛かったのに……
スローモーションのような砂時計を睨み続けたのに……
なぜなの? どうしてなのよ?

わたしは、はしたない喘ぎ声に混ぜて延長を促そうとした。

「はぁぁ、はあぁ、お客……っ!」

でも、それ以上、言葉が続かなかった。
続けたかったけど、もっともっと気持ちいい快感に浸りたいのに……

身体中が切ないモノに包まれて、心が白く染まる一歩手前で、わたしはけじめのように首を振った。
そして……

「ああぁぁ、はぁぁぁぁっ、サリー……イクぅっ! イッちゃうぅぅぅぅぅっっ!!」

大きな声で絶叫した。
お尻を激しく振って、太ももでおじ様を包みながら、下半身をビクンビクンって痙攣させた。

両手がブラジャーを押し上げて、乳首をつまもうとするのに……
まだまだ、佐緒梨の割れ目をおじさんのくちびるに押し付けたいのに……

わたしはイッちゃった。
そう、おじさんの舌で10分ちょうどで恥ずかしくイッたの。
淫らな佐緒梨が、名残惜しそうに指をくわえているのを横目で見ながら……

「はあ、はあ……サリーちゃん、イッたんだね。
おじさんの舌で昇ってくれたんだね」

顔中汗まみれにしたおじさんが、スカートの中から顔を覗かせた。
鼻からあごまで、唾液なの? 鼻水なの? やっぱり佐緒梨のエッチなお汁? みたいなものでべっとりと汚したまま、それでも火照ったわたしの顔を見てにっこりと微笑んだ。

「はあ、はあ、おじ様。
サリー、恥ずかしいけどイッちゃった。
だって、おじ様の舌、今までのお客様の中で一番上手だったよ。
ありがとうね、こんなにエッチなサリーを感じさせてくれて……」

「そ、そう。サリーちゃんがそう言ってくれるんだったら……はぁ、はははははっ……
おじさん。なんだか元気が沸いてきたよ。
今夜は、ありがとう。サリーちゃん」

「こ、こちらこそ。
あっ、ええーっと、お客様。今宵は『マッチ売りの少女の部屋』をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。
気が向きましたら、またのご来店をお待ちしております♪♪」

わたしは、営業用の笑顔を作ると深々とお辞儀した。
そして、心の中でつぶやいていた。

おじさん、これからも奥様とは仲良くしてね。
佐緒梨のことは忘れて、今夜は夫婦の営みでもがんばってみたらって……


「はあーっ……サリーちゃん……か」

閉じられたドアを見つめながら、つい溜息が漏れちゃう。

因みに、サリーというのは、お義母さんが商売用につけてくれた名前。
このお仕事を始めたその日に、本名の佐緒梨じゃまずいね。とか言って、たった1分悩んで出来上がっちゃった。

サオリからオだけ抜いて、『サリー』だよって。
昔のアニメのキャラクターみたいで可愛いじゃない。
せいぜいお客様に魔法でも掛けて、お札を吸い上げておくれって……

わたしは別に魔法使いになんかなりたくないけれど、あの人にサリーって呼ばれた瞬間、自分にだけ魔法を掛けるの。
どんな恥ずかしい行為でも、自然にできちゃう淫乱サリーに変身する魔法を……

だけど、こういう中途半端なのって結構辛いのよね。

佐緒梨の指が火照ったお肉を慰めようとして、スカートの裾をスルスルとめくり始めている。
オナニーして、浮ついた気分を落ち着けようとして……

でも……
遠くから階段を昇る足音が聞こえた。
コツコツとハイヒールの軽い音と、コツンコツンと低い皮靴の音。

わたしは、慌ててウエットティッシュを引き抜くと、汚れたあそこをゴシゴシと痛めつけるように擦った。
新しいお客様に備えて、優しいおじ様の面影を消し去るように……
新しいお客様に、またリセットした佐緒梨でお仕事したくて……

そして、ドアがひらくと同時に、弾かれたように部屋の真ん中へ進み出た。

「いらっしゃいませ♪♪」

あっ! 涙のあとを拭うの忘れてた?!



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