(13)
9月 8日 月曜日 午後11時20分 吉竹 舞衣 「はぁっ、はぁっ、全部……はいっちゃった……」
舞衣のアソコが、バイブを完全に飲み込んでいる。
すごいよね。
こんな大きくて卑猥なものを挿れちゃうんだから。
でもね……これだけではオナニーって呼べないよね。
ちゃんと、感じて絶頂しないと……
私は、熊さんに向かってにっこり微笑んで、右手でバイブの柄をしっかりと掴んだ。
膣の壁に擦りつけるようにしながら出し入れする。
ぐちゅ、じゅちゅ、ぐちゅ、じゅちゅ、ぐちゅ、じゅちゅ……
「……あぁっ、あぁぁぁっ、な、中が……こすられてぇっ……バイブぅっ……きもちいいぃぃっっ!」
エッチな水の音がして、恥ずかしい。
両足を拡げてあんな卑猥な道具で自分を慰めるなんて、もっと恥ずかしい。
でも、淫らにオナニーしないと……
今日だけは、自分を軽蔑するくらいにエッチなオナニーをしないと……
私は、身震いするような刺激に、大げさにアゴを仰け反らせた。
空いている左手で荒々しく乳房を揉んだ。
バイブの根元から枝分かれしている小さな突起を、クリトリスに押し付けた。
「ひぃぃぃっっ! はあぁぁぁっんっ……クリトリス……感じちゃうぅぅっっ……!」
ビリビリとした痛いくらいの刺激。
膝の力が一気に抜けて、両足が前に投げ出された。
背骨をしならせて、また大げさにアゴを仰け反らせる。
瞬間、更に決心を促そうとする自分がいた。
右手の指が、バイブのスイッチに触れては離しを繰り返している。
副島にオナニーを命じられてから、一度もスイッチを入れたことがない。
それだけは死ぬほど怖かった。
今ならと思ったけど、やっぱり指が言うことを聞いてくれないみたい。
今日もだめかな。
……ごめんなさい。
私は、脳裏に浮かんだ大切な人に謝罪した。
それにもまして、自分の不甲斐無さに落胆した。
でも、このままでは終われない。
今夜は、自分を軽蔑するくらいにエッチなオナニーをすると、心の中で決めていたから。
そのためには、とっておきの単語がある。
あの言葉を発すれば、嫌悪するくらい自分を軽蔑できる。
私はちょっとした覚悟を決めると、右手の動きに合わせてバイブの突起をクリトリスにぶつけた。
ズキンッズキンッて強い電気が走って、短い悲鳴で何度も応えた。
それを追い掛けるように、エッチな液体もどんどん溢れてくる。
これなら大丈夫。
舞衣の心も折れたりしない……たぶん……
さあ、勇気を出して……舞衣……
熊さんのぬいぐるみも期待しているよ。
「……お……ま……○……こ……はぁっんっ……いやぁぁぁぁッ」
聞き取れないくらい小さな声だったのに、アソコがキュッとなる。
でも、こんなの大人しすぎるよ。
ぜんぜん、エッチじゃない。
今度は大きな声で、熊さんにも聞こえるように……
「……ぉ、お、おま○こぉっ!……きもちいいぃぃぃッ……はぁぁぁぁっん……ッ!」
膣がバイブを締め付ける。
思わず右手の動きが止まる。
言葉だけで気持ちよくて、これだけでイキそうになる。
……それなのに涙がこぼれた。
……どうして?
私は、ラストスパートに向けて右手の動きを早めた。
バイブを激しく出し入れさせる。
「はぁぁぁっっ、はぁぁっっ、バイブぅぅっ……が……あそこを……膣を……こすってるぅぅっっ……」
もう何回出し入れしたかなんて、そんなの知らない。
100回……? 200回……? 300回……?
ううん、それ以上……!
だって、気持ちいいから。
もっとエッチに乱れないといけないから。
有里、見ていてね。
エッチ大好きな舞衣がイッちゃうところを、ちゃんと見ていてね。
心の中でつぶやくと、ベッドに左手を突いてお尻を浮かせた。
その姿勢のまま、右手を動かした。
バイブを抜き差しする。
クリトリスを刺激する。
ぐちゅ、ぐちゃ、ぐちゅ、ぐちゃ、ぐちゅ、ぐちゃ……
「あふうぅぅっっ! ひぐうぅっっ! なかでぇっ、中の壁でぇっバイブがぁっっ……おま○こぉっ……いいっ!」
身体がぐらぐら揺れた。
はしたない姿に心まで揺らされた。
膣の中がドロドロに溶けそうなくらい熱くなってる。
敏感すぎる肉の突起が気持ちいいって鳴いて、体中の力を奪っていく。
不安定な身体を支える両足が、限界みたいに痙攣した。
両ヒザが震えた。
左手の肘が力を失って、お尻がベッドにつきそう。
だけどもう少し。もう少しだけ待って、舞衣の身体……
私は自分の身体にお願いすると、バイブでアソコを乱暴に突いた。
膣の奥の扉をこじ開けるように激しく突いた。
そして、バイブの突起をグリグリと痛いくらいにクリトリスに押し付けた。
「ああぁぁっっ、はああぁぁっっ、もう……だめぇぇっっ、イクぅぅぅっっ、イクッぅぅぅぅぅッッッ……ッ!」
アソコがキューッて締まって、毛穴中から汗が噴き出して、やっぱり気持ちいい。
肉の突起が痛すぎる快感を、身体中の神経を通して運んでいく。
さっきまで限界って感じの両足が、瞬間にピンって突っ張った。
足の腱を引き伸ばして、バイブを飲み込んだままのアソコを突き出させた。
身体中で感じている。
……自分で慰めるのって、気持ち良すぎるよね。
「はあ、はぁ、はあ、はぁ、はあ、はぁ……」
裸のまま、ベッドの上で仰向けになっていた。
オナニーでこんなに激しく絶頂したのは、初めての経験かも。
まだ肌は火照ったままなのに、身体は気だるくて重いな。
私は、机の上に飾ってある写真立てに語りかけた。
ねぇ有里。舞衣はオナニーでイッちゃった。
ちゃんと見てくれた……?
はしたなくて淫乱で、軽蔑したくなったでしょ。
……うん、それでいいんだよ。
舞衣は、オナニーが大好きだから。
……それでね、もっとエッチを上手になりたいんだ。
なぜって……?
それは……秘密……
またいつか、話さないといけない時が来れば、その時にでも……ね。
私は、写真立てから目を逸らすと、股間に突き刺さったままのバイブを引き抜いた。
ぐちゅぐちゅってエッチな音がして、情けないけどまたエッチに鳴いた。
そして、熊さんのぬいぐるみに立て掛けた携帯を閉じた。
シーツがベットリと濡れていた。
アソコから流れ出したエッチな液体。
「あーぁ、汚れちゃった……」
私は、床に落ちていたショーツを拾おうとして、手を伸ばしてやめた。
「やっぱり、シャワー浴びようかな?
ついでに、シーツも洗った方がいいかも……」
独り言をつぶやいて、素肌の上からワンピースを身に着けた。
もちろん下着は着けない。
どうせまた裸になるんだから……
そして、部屋を出る前に姿見を覗いみる。
鏡の中に、花柄のワンピースをまとった少女がいた。
それを見ていたら、無性に哀しくなって思いっきり泣きたくなってくる。
「私も、寝る前に思いっきり泣こうかな? ううん、シャワーを浴びながらの方がいいかも……
そうすれば、これ以上顔も汚れないしね……」
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