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ありさ 割れしのぶ  第六章



  
                                          


【第六章】


        
        それから2日後、その日は風もなくとても蒸し暑い日だった。
        ありさは三味線の稽古を済ませ、手ぬぐいで額の汗を押さえながら、屋
        形“織田錦”に戻って来た。

        「ただいまどすぅ~」

        いつもならば、女将か他の者から「お帰り~」の言葉が飛んでくるのに、
        今日に限ってやけに静かだ。
        ありさは訝しく思いながら下駄を脱ごうとすると、暖簾を潜って女将が
        現れた。
        どうも様子が変だ。
        女将が目を吊り上げてありさを睨んでいるではないか。

        「ありさはん!早よあがってそこにお掛けやすな!」
        「はぁ・・・」

        ありさは脱いだ下駄を並べ終えると、玄関を上がって板の間に正座した。

        「ありさはん、あんさん、あたしを舐めてるんちゃいますんか!?」
        「ええ!?そんなことおへん!お母はんを舐めてるやなんて、そんなこ
        と絶対あらしまへん!」
        「ほな、聞きますけどなぁ、あんさんの旦那はんてどなたどす?」
        「はぁ、あのぅ・・・丸岩の会長はんどす・・・」
        「そうどすな?丸岩の会長はんどすわな?ほなら、もひとつ聞くけど、
        あんさん、学生はんと付合うてるんちゃいますんか?」

        ありさは女将から学生と言う言葉を聞いた瞬間、身体中から血が引くよ
        うな思いがした。

        「付合うてるやなんて・・・・、そんなことおへん・・・」
        「あんさん、あたしに嘘ついてどうしますのん。こないだの日曜日、男
        衆のひとりがあんさんを蛸薬師で見掛けたゆ~てはりますんやで?」
        「・・・・・」
        「なんで用事もあらへん蛸薬師におるんやろおもて、その男衆はあんさ
        んの様子をちょっとの間、伺うてたらしいどす。ほしたら何とまぁ、学
        生はんと楽しそうに語らいながら家の中へす~っと入って行ったちゅう
        話どすがな。男衆がわざわざ、そないな作り話こさえる思います?」
        「・・・・・」
        「黙ってたら解かれへんがなっ!どうなん!?」
        「はぁ・・・、それほんまどす・・・」
        「やっぱりかいな・・・、あのなぁ、あんさん、誰のお陰で毎日おまん
        ま食べて、踊りや三味線なろてるおもたはりますんや?それにあんさん
        は水揚げをされた身やおへんか?丸岩はんの顔に泥塗るようなことせん
        といてんかっ!!」
        「すみまへん・・・」

        ありさは瞼にいっぱい涙を貯めながら、女将に丁重に謝った。
        さらに女将は言った。

        「あのな、ありさはん。そらあんさんかて年頃の娘や、誰かを好きなっ
        てもしょうおへん。せやけどな、舞妓になった以上は、それは許されへ
        んことなんどすえ?恋なんか捨てなはれ。その学生はんのこと忘れなは
        れ・・・。それより、あんさんをかいがってくれはる丸岩はんにしっか
        り尽くしなはれ。それがあんさんのためや。それが、舞妓の道とゆ~も
        んや・・・」

        ありさは女将の言葉を聞き、その場に泣き崩れてしまった。

        ◇

        次の日曜日、俊介は外出もしないで日がな一日ありさが訪れるのを待っ
        たが、ありさは一向に現れなかった。

        (どうしたんだろう?もしかして急用ができたのだろうか?それとも、
        何か事故でも・・・)

        俊介は書物を開いても全く手につかず、ひたすらありさの笑顔を思い浮
        かべ物思いに耽っていた。

        やがて陽が沈んでも、やっぱりありさは来なかった。

        (会いたい・・・、ありさ、君に会いたい。たとえ一目だけでもいいか
        ら君に会いたい・・・)

        俊介は時間が経っても想いが募るばかりで、ついに会いに行こうと決心
        した。

        ランニングシャツの上に洗いざらしの白いシャツを引っ掛け下宿を後に
        した。
        暗い夜道をとぼとぼ歩き、ありさのいる木屋町へ向った。

        (確か屋形の名前は“織田錦”だったな・・・)

        木屋町界隈を探してはみたが、同じような店が多く“織田錦”が判らな
        い。
        そこへ偶然道を通り掛かった御用聞きらしき男に尋ねてみて、俊介は自
        分が間近まで来ていることに気づいた。

        「ごめんください」

        俊介は紺色の大きな暖簾をくぐり来訪を告げた。

        「おこしやす~」

        そばかすだらけのまだ年の頃なら17,18ぐらいの女中が出て来た。

        「夜分すみません。本村と申しますが、こちらにありささんはおられま
        すか?」
        「ありさはんどすか?はぁ、いてますけど、どんなご用どすか?」
        「ええ、少しだけ会わせていただきたいんですが・・・」

        (どうも客ではなさそうだし、それに見たところ学生のようだ・・・)

        と女中は些か困惑した様子であった。

        「はぁ、ほな、ちょっと待っておくれやす」

        女中は奥の方に消えて行き、しばらくして代わって貫禄のある女将らし
        き女性が現れた。

        「おこしやす。お宅はんどすか?ありさに会いたいゆ~たはるお人は」
        「はい、本村と申します。ありささんに一言だけお伝えしたいことがあ
        るので会わせていただけませんか?」
        「お宅はん、学生はんどすな?」
        「はい、そうですが・・・」
        「無理どすな」

        女将は毅然とした態度で俊介に言った。

        「え?そんな・・・。一目だけでいいんです。お願いします」
        「それは無理とゆ~もんどす。ありさは舞妓どす。舞妓ゆ~もんは、お
        客はん以外の男はんと会うことはまかりなりまへんのや。ど~しても、
        ありさに会いたい言いはるんやったら、お客はんとして来ておくれやす
        な」
        「客として・・・ですか?それで、いかほどの料金が必要なんでしょう
        か?」
        「金額やおへん。お金をなんぼぎょうさん(沢山)積んでくれはっても
        あきまへんのや。この祇園ゆ~とこは信用が第一なんどす。どこぞの有
        名なお方の紹介でもおありやすか?」
        「ええ?紹介・・・?有名な人の紹介が必要なんですか?」

        俊介は愕然とした。
        女将はさらに追い討ちを掛けるように言った。

        「誰ぞご存知どすか?」
        「いいえ・・・そんな人は知りません・・・」
        「それやったら悪いけど、帰っておくれやすな。ほんで、金輪際(こんり
        んざい)ありさには指一本触れんといておくれやす。ほな、はよ、いん
        でんか(帰ってくれるか)」
        「ちょっと待ってください!一目だけでいいんです。お願いです!一目
        だけ会わせてください!」
        「しつこいお人やなあ~。・・・。ちょっと~、誰ぞちょっと来てんかあ
        ~」

        女将が呼ぶと奥の方から中年の男と若い男がふたり出て来た。
        ここの男衆(おとこし)のようだ。

        「女将はん、どないしはりましたんや」
        「この学生はん、ありさに会わせろゆ~てきかはれしまへんのや。こん
        な玄関先におられたら商売のじゃまどす。出て行ってもろて」
        「学生はん、そうゆ~ことや。ここはあんたなんかが来るとこちゃうん
        や~。さあ、出て行ってんか~。」
        「そこをひとつ、何とか、お願いです!」
        「お宅、えろう聞き分けのおへん人やなあ~。さあ、はよ出て行ってん
        か~!」

        男衆は俊介を怒鳴りつけながら、両方から腕を掴み、店の外に引き摺っ
        て行った。
        それでも俊介が執拗に食い下がったため、男衆のひとりが俊介を胸座を
        掴んで地面に押し倒してしまった。
        その拍子に俊介は地面に頭を打ちつけたのか、額から赤い血を滲ませた。
        俊介は地面に這いつくばるようにして立ち上がり、男衆の足元にすがっ
        て哀願し続けた。
        男衆は吐き捨てるように言った。

        「学生はん。これ以上しつこうありさに付きまとったら、今度は営業妨
        害で警察に突き出すで。ええな?憶えときや」

        尋常とは思えない玄関先の様子を暖簾の陰で眺めていたありさは、必死
        に留める先輩の芸妓を振り切って、俊介の元へ駆け寄ろうとしていた。

        「あかん!行ったらあかん!ありさちゃん、ここはじっとがまんするん
        や。ええな」
        「そんなん、そんなん、あんまりひどおすぅ・・・」

        ありさは悔しさに唇を噛み締めながら、声を殺して泣き崩れてしまった。






野々宮ありさ
 





この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。
尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。
無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。


ラヴラヴから凌辱ものまで多ジャンル官能小説取り揃え。
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ありさ 割れしのぶ  第七章



  
                                          


【第七章】


        
        それから二日後の夜、ありさは傷心も癒えないままお座敷にあがった。
        相手はもちろん丸岩である。
        ありさと俊介の一件を女将はひたすら隠していたのだが、いつのまにか
        露呈してしまった。
        織田錦の男衆のひとりに松吉という如才がない男がいた。
        丸岩は従来から疑り深い性格であったため、公私共に、常に情報網を張
        り巡らせていた。
        織田錦においては、この松吉という男が丸岩の“連絡係”の役目を担っ
        ていた。

        丸岩は自分の目の届かないところでの、ありさの行動の一部始終を連絡
        するよう、松吉に指示をしていた。
        そんなこともあって、ありさの俊介に関する一件はすでに丸岩の耳に達
        していたのであった。

        ◇

        宴もそこそこに切り上げた丸岩は、その夜もありさを褥に誘った。
        丸岩は寝床の中でありさの身体に触れながらつぶやいた。

        「ふっふっふ・・・、ありさ、今晩はお前にたっぷりとお仕置きしたるさ
        かいな。覚悟しときや」
        「え?なんでどすか?」
        「呆けたらあかんで。お前が学生と付合うてることぐらい、とっくに知
        っとるんやで。わしを騙しくさって、この女狐が!」
        「そんなこといったい誰から・・・」
        「誰からでもええがな。その学生にここをいじられたんか?ひっひっひ、
        こういう風にな~」

        丸岩はありさの襦袢の裾から手を入れ、早くもまだ濡れてもいない割れ
        目を嬲り始めた。

        「そんなぁ・・・そんなことしてまへん・・・」
        「ひっひっひ、嘘ゆ~たらあかんで。何でも学生の下宿に入り浸りやっ
        たそうやな~?それやったら、ここをこないに触られたくらいやない
        な?もっとええことしたんやろ?」
        「してしまへん・・・」
        「嘘ゆ~たらあかん。ここに大きいもんを入れられたんやろ?ちゃうん
        か?どや?わしのとどっちが大きかった?」
        「そんなん知りまへん・・・」
        「どうしても知らんゆ~んやな?正直に白状したら堪忍したろて思てた
        けど、嘘つくんやったら、やっぱりお仕置きをせんとあかんわ」

        丸岩はそう言いながら、布団からありさを引きずり出して、ズルズルと
        床の間まで連れていった。

        「いや~!何しはるんどすか!?堪忍しておくれやす~!」
        「何をて、決まってるやないか?お仕置きや、お仕置き」

        丸岩は嫌がるありさを予め用意していた麻縄で、床の間の柱に立位のま
        ま縛り付けてしまった。
        さらに日本手拭いで猿ぐつわまで噛ませて口を封じてしまった。

        「ううっ!ううう!」

        「あんまり大声出されて、女中がびっくりして飛んで来ても困るさかい
        な~。ひっひっひ・・・」

        柱に後手縛りでしかも猿ぐつわと、戒めを施されてしまったありさが自
        由にできるのは、むっちりとした2本の足だけであった。
        丸岩はありさを縛ったままにしておいて、押し入れから奇妙な道具を持
        ち出して来た。
        どうも、台所で使う『すり鉢』と『すりこぎ』のようだ。
        そして包装紙から、こげ茶色の『芋』らしきものを取り出して来た。
        声の出せないありさは、目を丸くしてその得体の知れないものを見つめ
        た。

        (あれは芋みたいやけど、一体どうするつもりやろか・・・)

        丸岩はこの後、驚いたことに、すり鉢に芋らしきものを入れて、すりこ
        ぎで潰し始めたのだ。
        ある程度潰れると、今度はグルグルと掻き混ぜた。
        まさかこんな座敷で料理を作るわけもなかろうに、丸岩は一体何をしよ
        うと言うのだろうか。
        充分にとろみが出るまで混ざった頃、丸岩はニタリと嫌らしい笑みを浮
        かべた。

        「ふっふっふ・・・、ありさ、これ何か解かるか?これは山芋や。食べ
        たことあるやろ?山芋はな、滋養強壮の食べもんとして昔から有名やけ
        ど、他にも女の淫薬としても有名なんやで。知らんかったやろ?今から
        たんと食べさせたるさかい、楽しみにしときや、ひっひっひ~。ああ、
        もちろん、下の方のお口に食べさせたるさかいな。ぐっふっふっふ・・・」

        丸岩はそういいながら、すり鉢を持って、ありさのそばににじり寄った。

        (うぐうぐうぐっ!)

        顔を横に振り拒絶の態度を示すありさではあったが、身体を拘束されて
        しまった今逃れる術はなかった。
        丸岩はすり鉢から山芋を指でひとすくいし、ありさの顔に近づけた。

        「ひっひっひ、ありさ、お前のアソコにこれをたっぷりと塗ったるさか
        いな。どうなるか楽しみにしときや。あ、そやそや、その腰巻きちょっ
        とじゃまやさかい、取ってしもたるわ。ぐっふっふ・・・」

        ありさの腰を包む布地はパラリと床に落ちて、着衣は肌襦袢だけとなっ
        てしまった。
        しかし下半身を覆うものはすでに何もなく、無防備な状態で丸岩の異常
        な欲望の前に晒されてしまった。
        必死に膝を閉じ合せ、抵抗を試みるありさであったが、男の力には抗う
        べくもなく、その侵入を許すことになってしまった。
        丸岩の指はありさの真直ぐに伸びた一本道のような亀裂に触れた。

        「ぐふふふ・・・」
        「ううっ!」

        丸岩はニヤニヤと卑猥な笑みを浮かべながら、丁寧に陰唇部分へ塗り始
        めた。
        続いて、実の包皮を開いて剥き出しにし、実に擦りつけるように塗り込
        めた。

        「さてさて、ほんなら、次はこのかいらしい穴の中も、たっぷりと塗っ
        たるさかいな。ぐひひひ・・・」

        山芋が滴る指は、ついに裂け目の奥深くにも侵入を開始した。
        内部の襞のある部分はその感触を楽しむかのよう似、特に念入りに摩擦
        を加えたのだった。

        「ううっ、ううっ・・・ううっ・・・」

        秘所が焼けるようにカーッっと熱くなって来た・・・
        そして次第に激しい痒みがありさを襲い始めていた。
        額からは大量の唐辛子でも食べたかのように、大粒の汗が吹き出してい
        た。

        「ぐっふっふ・・・どうや?痒いんちゃうんか?」

        ありさは苦悶に歪んだ顔を縦に振った。

        「せやけど、しばらくはそのまま我慢してもらおか。よその男を咥え込
        んだ罰(ばち)やさかい、それぐらいは辛抱してもらわんとあかんわな
        ぁ」
        「ぐっ・・・ううう・・・」

        丸岩は底意地の悪さを露骨にありさにぶつけたのだった。

        とにかく痒くて堪らない・・・そして熱い・・・

        (ああ、辛い・・・)

        ありさは身を捩じらせて、ムズ痒さと懸命に戦ったのだった。

        しかし時間が経つに連れ、我慢も限界に近づいていた。
        狂いそうなほど痒い。

        「うぐうぐうぐ~っ!」

        ありさは猿轡を噛まされて叫べない苦しさを、態度で現すしかなかった。
        身体からは大量の脂汗を流し、腰を精一杯に捩り出した。
        ありさの股間からは、おびただしい愛液が山芋と交じり合って太股がボ
        トボトになるほど流れ出していた。

        「どや?ぼちぼち掻いて欲しいんとちゃうんか?」

        最初その言葉にも顔を背けて無視をしていたありさであったが、ついに
        耐えかねて屈服の態度を表わしたのだった。

        「ふふふ、首を縦に振ったな?ふっふっふっ、そうかそうか。そんなに
        痒いんか?よっしゃ、ほな、ぼちぼちええもん咥えさせたるわ。ぐっひ
        っひ・・・」

        丸岩は横に置いていた木箱から、奇妙な形の道具を取出した。
        ありさはそれを見た瞬間、顔が青ざめてしまった。
        それもそのはず、丸岩の取出した道具というのは、江戸時代から伝わる
        木製の「張形」で、周囲が異常に太く、一般男子のそれよりもふた周り
        ぐらいは大きい代物であった。

        「ありさ、ほんとやったら、わしのもん咥えさせたるとこなんやけどな、
        わしまでかいなるのんかなわんさかいに、代わりにこの太いもんでしっ
        かり擦ったるわ。気持ちええで・・・ぐひひひ・・・」

        本来のありさならば、そのおぞましい形状の異物を脚で蹴ってでも拒絶
        していたところであろうが、今はそんなことができる状態ではない。
        何でもいい、とにかく身体の痒みを鎮めるものが欲しい。
        そんな思いから、ありさは屈辱に身を焦がしながら、丸岩の差し出す淫
        猥な異物を受け入れたのであった。

        「うう、うぐぐ・・・うううっ!」

        激しい身体の火照りと痒みのせいで、愛液と山芋の混じり合ったものは
        おびただしく溢れ太股まで伝っている。
        丸岩は舐めるような目つきでありさの苦悶の表情を楽しみながら、太い
        張形をゆっくりと沈めて行った。

        (ズニュ・・・ズズズ・・・)

        「ううっ~~~!」

        丸岩は張形を深く押込みはしたあと、手を休めてしまった。
        痒みを止めるためには、不本意ながら丸岩の手を借りなければならない
        というのに。
        丸岩は不敵に笑った。

        「ふっふっふ、わしの役目はここまでや。痒みを止めたかったら、自分
        で腰をくねらしてごりごりと擦りつけることやな。ふあっはっはっは
        ~!」

        何という底意地の悪い仕打ちであろうか。
        空腹の者にご馳走をちらつかせておいて、『お預け』と言っているような
        ものだ。

        「くうっ・・・うっ・・・ううう・・・」
        「痒いか?ふふふ・・・、はよ、腰を動かさな狂うてしまうんちゃうか?
        はっはっは~!」

        ありさは脂汗を流しながら必死に耐えてはいたものの、肉体的にすでに
        限界に達していた。
        挿し込まれた張形に自ら腰を振りながら貪るように食らいついたのだっ
        た。

        「う~っ、う~っ、ううう~っ!」
        「はっはっは~!とうとう腰を振り出したか。よっしゃよっしゃ、それ
        でええのや。もう二度と浮気なんかしたらあかんのやで?ええなぁ」

        丸岩は凄みながら、ありさの顎を指で摘むように持ち上げた。
        そして止まっていた張形の反復運動を再開させた。
        ありさは身体を弓なりに反らせ、いつしか快楽の園をさまよい始めてい
        た。

        「がっはっは~、なんぼ拒んでも、女の性ちゅうもんは哀しいもんやな
        あ~。わっはっはっは~」
        「うぐ・・・ううう・・・ううっ!」
        「ありさ、お前はわしのもんや。他の男には指一本触れさせへん。これ
        でよう解ったなぁ?ふっふっふ・・・」

        人前では滅多に涙を見せないありさではあったが、ひとり床に就くとい
        つも泣いていた。

        「俊介はん、会いとおすぅ・・・、あんさんに会いとおすぅ・・・」

        いくらさだめとは言っても、好きな男と引き離されて、嫌いな男に添わ
        ねばならないことがとても悲しかった。
        自分にさだめられた籠の鳥のような身の上を呪わしくさえ思った。






野々宮ありさ
 





この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。
尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。
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ありさ 割れしのぶ  第八章



  
                                          


【第八章】


        
        6月下旬、いよいよ夏到来を思わせる暑い夜、ありさは男衆をひとり伴
        ってお茶屋に向った。
        俊介の屋形訪問の一件以降、女将は警戒を深め、ありさの行く先々に常
        に男衆をそばに付けることにしていた。
        万が一、またまた沮喪があれば、上得意の丸岩に申し訳が立たないと思
        ったのだ。

        しかし幸いなことに、同伴の男衆はありさが最も好感を持っている北山
        春彦と言う30代半ばぐらいの男であった。
        ありさは北山に気軽に話し掛けた。

        「暑なりましたなぁ~」
        「ほんまどすなぁ、そうゆ~たら、ぼちぼち祇園さんどすなぁ~」
        「ほやね~、また忙しなりますなぁ~」
        「ありさはん・・・」
        「はぁ、何どす?」
        「あんまり思い詰めんようにせなあきまへんで。身体に毒おすえ」
        「あ、北山はん、おおきに~、うちのことそないに気にしてくれはっ
        て・・・」
        「ありさはん、近頃、ちょっと痩せはったみたいやし・・・」
        「うん、そやねぇ、ちょっと痩せたかもしれへんなぁ」
        「もし、わてにできることあったら何でもゆ~てや。微力やけど力にな
        れるかも知れへんし」
        「おおきに~、そないにゆ~てくれはるだけでも元気が出て来るわ。嬉
        しおすぅ~」

        ありさの口元から久しぶりに白い歯がこぼれた。

        ◇

        それから3日後、“織田錦”の廊下で、ありさは北山を呼び止めた。

        「北山はん、ちょっとちょっと・・・」
        「はあ、なんどすか?」

        ありさは真剣な眼差しで一通の封書を北山に差し出した。

        「北山はん、あんさんを見込んで頼みがあるんどす。この手紙を例の本
        村はんに届けて欲しいんどす。本村はんは堀川通り蛸薬師に住んだはり
        ます」
        「えっ!ありさはん、もしかして・・・あんさん・・・」
        「しっ・・・大きな声出したらあきまへん。お願いできますやろか」

        北山はありさの本村への想いが並々ならぬものと知っていた。
        そして今、ありさが重大な決意をしたことも直感的に感じ取ったのであ
        った。

        「はぁ、よろしおます。本村はんのとこまで必ず届けて参じます」
        「ほな、頼みますわな・・・」
        「はぁ、ほんならすぐに」

        北山は織田錦を出て、早速駆けて行った。

        ◇

        『俊介はんへ
        ご無沙汰しています。この前のお怪我は大丈夫どすか。
        うちは相変わらずの毎日を過ごしております。
        俊介はんとお会いしたいけど、ずっと見張りをされてて、
        身動きが取れん状態なんどす。
        せやけど、どうしても俊介はんにお会いしたいんどす。
        もう一度だけお目にかかって、ほんで俊介はんのこと、
        諦めよう・・・と思とります。
        今夜はお店もおへん。夜の十時に平安神宮の鳥居のとこに
        来てくれはりまへんか。
        これがうちの最後のお願いどす。
        せやけど、もしも俊介はんが来てくれはれへんかっても、
        決して恨んだりはしまへんよってに。
        うちは俊介はんを生涯お慕い申上げております。 ありさ』

        俊介は北山が去った後、直ぐに手紙を開いた。
        真っ白な便箋にかぼそい文字がしたためられている。
        一箇所だけ文字が滲んでいるのは、おそらくありさが流した涙のせいだ
        ろう。
        ついにありさは俊介との決別を覚悟したようだ。
        俊介は手紙を何度も読み返しているうちに、ありさの純粋で一途な想い
        に心打たれた。
        俊介はついに落涙してしまった。

        (ありさ・・・君に会いに行くよ・・・。ありさ、君を失いたくない・・・
        絶対に・・・)

        ◇

        ありさは玄関先に人気がないことを確かめて、着の身着のままの姿で織
        田錦を出て行った。
        急ぎ足で木屋町から三条を通り平安神宮へと向った。

        (お母はん、堪忍どすぇ・・・、うち、もしかしたもう帰ってけえへん
        かも知れへん。あんだけお世話になっておきながら、お返しのひとつも
        せんと屋形を勝手に飛び出したうちを堪忍しておくれやす・・・。うち
        は俊介はんの元へ参じますぅ・・・)

        ありさの頬には幾筋もの涙が伝っていた。

        まもなく息を切らしたありさが平安神宮に到着した時、既にそこには俊
        介の姿があった。

        「俊介はん!」
        「ありさ!」

        駆け寄るありさ、受け止める俊介・・・ふたりは人目をはばかることな
        く硬く抱合った。

        「ありさ、会いたかった・・・」
        「俊介はん、うちも会いとうて、会いとうてしょうがなかったわ・・・」
        「ありさ、もう君を放さないよ」
        「おおきにぃ、すごう嬉しい・・・。そやけどそれは無理なことやおへ
        んか?」
        「無理なんかじゃない。僕はどんなことがあっても君を放さないよ。で
        もこのままだと、彼らは必ず君を連れ戻しに来るもの。捕まると君がど
        んな目に遭うやら・・・。だから決めたんだ。君を連れてこの京都から
        出て行こうと」
        「えっ!なんどすってぇ!?そんなことしたら、俊介はん、大学に行か
        れしまへんがな!」
        「それは解ってる。解った上で言っているんだ。勉強なら別にK大へ行
        かなくてもできるし・・・。僕は君を選んだ。僕は君なしでは生きて行
        けないことに気がついたんだ」

        俊介の言葉を聞き、ありさは嬉しさに胸の震えが治まらず、袂(たもと)
        で目頭を押さえて泣きじゃくった。

        「俊介はん、嬉しおすぅ~、うち、俊介はんとやったら、どこへでもお
        供しますぇ~」
        「ありがとう、ありさ。でもこの先、決して安楽なものじゃないかも知
        れないけどいいんだね?」
        「そんなん、かまへん。うち、俊介はんとやったら地獄の底でも、どこ
        でも付いて行くぇ・・・」
        「そうまで言ってくれるんだね。嬉しいよ」

        俊介は優しく微笑んでありさの頬に唇を寄せた。

        「ありさ、それじゃ今からすぐに夜汽車に乗って遠くへ行こう」
        「え~っ!ほんまどすか~?」
        「うん、本当なら君も僕も一旦戻って荷物をまとめたいところだろうけ
        ど、そんなことをしていたらきっと捕まってしまうと思うんだ。ある程
        度のお金も用意したから当分はしのげると思うし。さあ、今から京都駅
        に向かおう。最終の汽車にまだ間に合うはずだから」

        ふたりは急ぎ足で、一路、京都駅に向かった。

        京都駅に着いた時には23時20分を少し廻っていた。

        「ありさ、だいじょうぶかい?」

        俊介は汗の滲んだありさの額を手拭いを出して拭ってやった。
        時刻表を見た。
        富山行きの汽車に乗って途中の福井で降りるつもりだ。
        発車は23時30分。俊介は急いで切符を求め改札をくぐった。

        『富山行きの汽車はまもなく発車します~。お乗りの方はお急ぎくださ
        ~い~』

        ありさ達が汽車のデッキに脚を掛けようとした時、遠くからふたりを呼
        び止める声がした。






野々宮ありさ
 





この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。
尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。
無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。


ラヴラヴから凌辱ものまで多ジャンル官能小説取り揃え。
体験談、投稿体験談、夜学問、官能詩、エロエッセイ、その他カテゴリー多数。




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ありさ 割れしのぶ  第九章



  
                                          


【第九章】


        
        「お~い!待たんかえ~!そこの学生っ!舞妓と駆け落ちしたらどんな
        目に遭うか分かってるんかあ~!」

        2人の男が血相を変えてありさ達の方へ向かって来た。

        「あっ!あれは丸岩の下にいつもいたはる人達やわ!えらいこっちゃ、
        捕まったら終わりやわ!」

        ありさは恐れ慄き俊介にしがみついた。
        追っ手はたちまちデッキまで辿り着き、ありさを匿おうとする俊介に詰
        め寄った。

        「おい!ありさを返さんかえ!ありさは屋形の大事な財産なんや。おま
        けに丸岩はんが高い金払ろてくれて水揚げまでした身や。お前の好きな
        ようにでけると思てんのんか!あほんだらが~!さあ、早よ返さんか
        い!」

        男たちはそう言いながら、俊介を押し退け、ありさの手を引っ張ろうと
        した。
        ありさはもう片方の細い腕でデッキの取っ手を握って必死に耐えている。

        「いやや~~~っ!」
        「やめろっ!ありさが嫌だって言ってるじゃないか!」

        俊介はそういって、男の胸座を無我夢中で押した。
        不意を突かれた男はホームに尻餅をついて転げてしまった。

        「あ、いた~っ!な、何しやがんねん!」

        入れ替りもうひとりの男が俊介に襲い掛かったが、間一髪、発車の直前
        で俊介はすがりつく男を脚で蹴り飛ばしてしまった。

        (ピ~~~~~ッ!ガッタンゴットンガッタンゴットン・・・)

        汽笛が駅構内に鳴り響き、ついに汽車が発車した。

        「こらあ~!待たんかあ~~~!」

        男たちは懸命に追い掛けたが、汽車の加速に敵うはずもなかった。
        一体何事が起きたのかと、車内にいた乗客の目は一斉にありさ達に注が
        れた。

        「皆さん、お騒がせして申し訳ありませんでした」

        俊介は角帽を脱いで、乗客達に深々と頭を下げた。
        俊介の冷静で潔い態度に乗客達にも安堵の表情が浮かんでいた。
        4人掛けのボックス席に隣り合って座ったありさと俊介はホッとため息
        をついた。

        「俊介はん、うちを守ってくれはっておおきに~。怪我はおへんどした
        か?」
        「君を守るのは当然のことだよ。怪我はだいじょうぶだよ」
        「今頃聞くのん、変やけど・・・この汽車でどこへ行くんどすか?」
        「あ、そうだった。ごめん。君に行き先を言ってなかったね。実は僕の
        伯父が福井県に住んでいるので、取りあえずそちらに一旦身を置こうと
        思ってるんだ」
        「そうどすか。あのぅ・・・、うちもしっかりと働くさかいに心配せん
        といておくれやすなぁ~」
        「食べるくらいは何とかなるから心配しなくていいよ」
        「そうどすか。おおきにぃ~」
        「あ、そうだ。君にあげたいものがあったんだ」
        「え?」

        俊介は鞄から丁寧に包装された小箱を取り出した。

        「これ、君にあげるよ」
        「うちにくれはるんどすか?何どすのん?これ・・・」
        「うん、以前、四条河原町の小間物屋で貝紅を眺めていたことがあった
        ろう?君にあげたくて買っておいたんだ」
        「ほんまどすかぁ?やぁ、嬉しおすわぁ~。今、開けてもよろしおすかぁ?」
        「もちろんだよ。気に入ってくれたらいいんだけど」

        ありさは好きになった男性から贈り物を貰うのは初めてのことであった。
        ありさは満面に笑みを浮かべながら、ゆっくりと包装を解いた。
        小箱の中から現れたのはとても色鮮やかな貝紅であった。

        「やぁ、きれいやわぁ~、俊介はん、おおきに~、うち、ほんまに嬉し
        おすぅ・・・。大事に大事に使わせてもらいますよってに」

        俊介はありさが大喜びする顔を見て、駆け落ちしたことが決して間違い
        ではなかったと思った。






野々宮ありさ
 





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ありさ 割れしのぶ  第十章



  
                                          


【第十章】


        
        ありさと俊介が駆け落ちをしてから1ヶ月の時が流れた。
        越前海岸で料理旅館を営む伯父の一平宅に身を寄せた俊介とありさは、
        伯父の世話に甘んじることを極力避け、二人して一生懸命働いた。
        俊介は海産物の卸問屋に勤め、ありさは伯父の旅館を女中奉公して汗を
        流した。

        そんな折り、街の駐在がやって来て伯父の一平に尋ねた。

        「本村さん、元気でやってるんかぁ。 おめぇの甥の本村俊介さんちゅ~
        のはぁ、こっちゃに来てぇましぇんか? もしも、来てぇもたら教えてん
        で 」
        「やあ、駐在さん、ご苦労さんですってぇ。 う~ん、俊介けぇ? 久し
        く会ってねぇ~ね」
        「いやあ、それならいいんほやけどぉね」
        「俊介が何ぁんぁしでかしたんやってかぁ? 」
        「いやいや、何でもぉ京都で、舞妓ぉを連れて逃げてるそうで。もほや
        けどぉおて、こっちゃをぉ頼って来てぇねぇ~かと」
        「え!?俊介のやつ、ほんなもぉんことをぉ!? もしも来てぇもたら、
        あんなぁぁに連絡するんから」
        「頼むでぇね」

        二人の会話を柱の陰で立ち聞きしていたありさは、遠く離れた福井にま
        で捜査の手が及んでいることを知り愕然とした。

        (あぁ、もう、あかんわ・・・、どこに行っても、あの執念深い丸岩は
        んは追っ掛けてきはるわ・・・もうあかんわ・・・)

        ありさは、伯父に少し出掛けたいと告げ、俊介の働く卸問屋に向かおう
        とした。
        その時、俊介から詳しい事情を聞いていた一平は優しい口調でありさに
        語り掛けた。

        「ありささん、心配せんでいいよ。うらぁぁちゅ~のはぁ、おめぇや俊
        介をぉ絶対に匿うからぁ。間違ってもはやまってもたら、あかんよ」
        「あ、はい・・・。心配をお掛けしてすまんことどすぅ~、ほんまにお
        おきにぃ~」

        ◇

        ありさが血相を変えて尋ねてきたため、俊介は職場の上司に暫しの休憩
        を申し出で、ありさを連れて越前海岸に向かった。

        「そうなんだ・・・、警察が尋ねて来たとは・・・。もうここにもいら
        れないね」
        「俊介はん・・・」
        「ん?なに?」
        「俊介はん、どこに行ったかて、あの蛇みたいにしつこい丸岩は追っ掛
        けて来はるわ・・・」
        「あの男は警察まで巻き込んで、僕たちを捕まえようとしている。ずる
        賢い男だ」
        「もしも捕まったら、俊介はん、半殺しの目に遭わされはる・・・うち、
        そんなん絶対いやや・・・」
        「いや、僕のことよりも君のことが心配だ。どんな仕打ちをされるや
        ら・・・」
        「俊介はん・・・」
        「ん?」
 
        ありさは悲しそうな表情で、白い錠剤の入った睡眠薬らしき瓶を俊介に
        見せた。
        俊介は驚いた。

        「いつのまにこんなものを・・・」
        「どうしようものうなった時に飲も思て、用意してたんどす・・・」

        ありさの瞼には今にも落ちそうな涙がいっぱい浮かんでいた。

        「そうだったのか・・・、僕も君と引き離されるなら死んだ方がましだ」
        「あぁ~ん!俊介は~ん~!うちかて、うちかて~、俊介はんと離れと
        うない~。俊介はんと離れ離れになるんやったら死んだ方がええ!俊介
        は~ん~!」
        「ありさ・・・」

        ありさはついに号泣し、俊介の胸に頬をうずめた。
        堪えていた涙がまるで堰を切ったように流れ落ちた。
        俊介はありさを抱きしめた。
        強く強く抱きしめた。
        俊介の目にも熱いものが光っていた。

        「それじゃあ・・・飲もうか・・・?」
        「よろしおすんか?」
        「うん・・・」
        「うちのために、うちのために・・・俊介はん、堪忍しておくれやすぅ
        ~」
        「いいんだ、いいんだ・・・僕はありさが好きだから・・・絶対に離し
        たくないから・・・」
        「嬉しおすぅ~、俊介はん、うち、ほんまに嬉しおすぇ~・・・」

        俊介は薬瓶の蓋を開けようとした。






野々宮ありさ
 





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