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恥辱の検診同行 その3























(25)


9月 10日 水曜日 午後2時40分  水上 千里



「遅いですよ。水上君。ナースが医師を待たせてどうするんですか!」

松山は、最初の患者さんの個室の前で待っていてくれた。
ううん、あの目は違う。あれは……

ブーンッ、ブーンッ……ブーンッ、ブーンッ……

「くうぅぅっ……はあっ……だめぇ……こんなの、耐えられない!」

膣の中で、また玩具が暴れた。
アソコをジンジンと熱くさせられて、鼻から甘い息が抜けるほど気持ちよくて……
ここは病院の廊下なのに、千里は立ったまま軽くイッちゃった。

だけど、いきなり振動を変えるなんてひどすぎる。
私は抗議するというより、すがるような視線を松山に送った。
そして、一瞬でもそんな表情をしたことを後悔した。

「おやおや。どうされました、水上君? なにか私にお願いでも?」

「はあぁぁっ、い、いえ……んんんッ……な、なんでも……ありま……せん……んくうぅぅっっ」

私は額に脂汗を滲ませたまま表情を消した。
そう、能面のように……

そのまま背筋を伸ばして、男の足元に視線を合わせた。
あと、5メートル。がんばるのよ、千里。

自分にエールを送って一歩踏み出す。

「あうぅぅっっ! あくうぅぅっっ! ふぁぁぁっっ」

膝が震えて力が抜けていく。
気を強く持ってないと、腰がいやらしいダンスをしそう。
これでは千里。歩きながらオナニーしてるのと一緒じゃない。

あと、3メートル……
私は歩き始めた赤ちゃんのように、ふらふらと身体を揺らしながら、それでも男との距離を詰めていった。

びちゅっ、びちょっ、びちゅっ、びちょっ、びちゅっ、びちょっ……

感じると湧いて来るエッチな液体が、内腿をベットリと濡らしている。
気のせいかな。さっきよりもローターの振動が強くなってるみたい。
これがベッドの上なら千里、本気でオナニーしているかも。
でも、ここでは気持ちよくなったらいけないの。
頭にナースキャップを載せている間は、千里は患者さんの命を預かるナース。
だから、そんなことを考えてもいけないの。

「水上君……いいえ、淫乱ナースの千里。そろそろ、本気で感じたいでしょう?」

松山が、何か言った。
私は顔を上げて彼の姿を捉えた。

相変わらず、スマートフォンを使って撮影している。
備品室を出てからずっと、エッチな玩具に苛められる私にレンズを向けている。

あと、1メートル……
病室の扉が目の前に迫っている。
私は痙攣して震える左手を伸ばした。
扉の取っ手を掴もうとした。

そして『○○さーん、検診の時間ですよー♪』って、優しい笑顔で患者さんを安心させる。
千里は、淫乱ナースなんかじゃない。
普通のナースとして、与えられたお仕事を全うしたいの。

それなのに……
松山の左手が、それを鼻で笑った。
指たちが『千里は淫乱ナースなんだ』と言って、リモコンキーを操作した。

ブゥーンッ、ブゥーンッ……ブゥーンッ、ブゥーンッ……

「ふあぁぁ……あぅぅ……んんっ、お願いっ! あぁぁはぁぁんッ……い、いっ……イクぅぅぅっっっ!!」

右手が握り締めたカルテを放り出していた。
取っ手を掴もうとした左手が、空を彷徨ってから下腹部へ向かった。

私は、ナース服の上から股間を押さえ込んでいた。
左手の指を割れ目に突き入れるようにして。
追い掛けてきた右手がそれを覆うようにカバーして。

膣が震えさせられて、アソコが震えて、腰も震えた。
気持ちよくて切ない電流が、頭の頂上まで一瞬にして駆け抜けて行く。

頭が真っ白になっていた。
ここが病院だということも、忘れていた。
だから、恥ずかしい声で絶頂したのにそのまましゃがみ込んでいた。
人の目も気にせずに、鳴き叫んでいた。

「……はぁっ……はぁぁぁんッ……はあっ、ふぅんッ……とめて、とめてよぉっ!」

それでも、卵型の玩具は振動を止めてくれない。
膣の中をブルブル刺激して、割れ目から新しいエッチな液を溢れさせてくる。
身体の奥がまた、ジンジンと疼いてきて、胸の中がどんどん切なくなってくる。

このままでは千里……またイッちゃう。
エッチな声を上げて、みんなが見てる前で絶頂させられちゃう。

おかしいな? ものすごくエッチな気分なのに、意識が遠のいていく。
千里、ショックのせいで失神しかかっているのかも……?

「……千里お姉ちゃん……ううん、千里さん!」

「水上先輩ッ! 大丈夫ですかぁ?」

遠くからパタパタと駆けよる複数の足音が聞こえて、同時に私の名前を呼ばれた気がする。

「ああ、ちょうどいいところに来てくれた。君たち、水上君を処置室に連れて行くのを手伝ってくれないか? どうやら彼女、貧血をおこしたようだね」

続けて白々しい松山の声がして、今度は耳元でささやかれた。

「今日は、この辺で勘弁してあげましょう」って……

こんなの間違っているかもしれないけれど、少し安堵しちゃった。
千里はまだ、ナースを続けられそうって思ってしまったから。

お休みなさい……お兄ちゃん……



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