(十四)
八月 十一日 月曜日 午後十時十五分 早野 有里 「ンクゥゥッ、はっ……はぁッ……」
わたしは、あそこに男のものを飲み込んだまま、口を半開きにして荒い
呼吸を繰り返した。
少しでも切り裂かれた粘膜の痛みを和らげたかった。
中からジンジンと痛みが湧き出してくる。
悔しいけど、見掛け倒しの肉の塊じゃなかったみたい。
「私の息子は美味しいですかぁ……?
だからといって、いつまでもくわえているだけては困りますねぇ。
これからが、なんといっても本番なんですから……
……そうですねぇ。あなたのおま○こで息子の精子を絞り出せば、今日
の行為を終わりにしてあげます。まあせいぜい頑張ってくわえてくだ
さい」
これからが本番……
そうよ。わたしもこれで終わらないことくらい……わかっている。
でもね……言い方ってものがあるでしょ。
あなたの息子は、わたし大っきらいなんだから……
「また、鳴いてくれますか……?」
残酷の声が空から降って来て、身体を切り裂く激痛があそこに襲いか
かる。
「はッ!」って、わけの分からない気合いを付けて、副島は腰を一気に
引きそして一気に突き出した。
一瞬姿を現した肉の棒は、赤い液に染まり飛び散る液もやっぱり赤
い。
「ひいぃぃぃぃぃぃッ! もっ、もう少しッ……待ってッ……ンンッッ
ッッ……」
せめて初めてくらい優しくして欲しいのに……
わたしの泣き顔を眺めながら、副島は何度も何度もあそこに突き刺し
てくる。
……中の皮が削り取られていく……!
あそこがメチャクチャにされる……
目の前で充血した赤いヒダがまくれ上がって、すぐに穴の中へ飲み込
まれていく。
「ハウゥゥゥッ、壊れるッ! ううっぐ、あッ、あそこが……こわれる
ぅぅぅッ!」
あそこの中が火傷しているみたいにヒリヒリする。
わたしは、逃れようのない恐怖に目を思いっきりひらいて悲鳴を上げ
た。
「早く慣れて下さい。痛みも後で振り返れば楽しーい思い出です。
直にいやらしく鳴ける身体にして差し上げますからぁ。はははっ……」
「うぐぅッ……こんな痛みが……ううぅッ、慣れるなんて……あるわけ
ない……くぅぅぅぅぅぅぅッ!」
強気の言葉もただの負け惜しみ。
わたしに出来ることって、上下して突き刺すアレをただ受け止めるだ
け……
「ペースを上げますよぉ! 有里様のおま○こで、私の精液をこし取
ってみなさい。そうでないと、いつまで経っても終わりませんからねぇ」
腰の動きが、荒くダイナミックに変化した。
突き出しては引き出し、わたしの膣の中で好き勝手に暴れ回っている。
「んあぁぁぁぁぁっ、うぐッ……ハァァァン、だめぇッ!」
なんなの今の声? まさかわたしの声……?
辛い呼吸に紛れ込んだ甘い吐息。
気が付けば腰の奥にジンとした疼きが広がっている。
男の言葉は嘘じゃなかった……?
ぬちゃっ、ぬちゅっ……ぬちゃっ、ぬちゅっ……
「あんっ……うんっ……はぁんっ……」
わたしの身体……何か変……?
痛い刺激に甘く切ないものが混ざってくる。
嫌なのに……辛いのに……またイクことを強要されるの……?
「私の予言は当たったみたいですねぇ。
あなたみたいな子供、どうにでも……ククククッ……」
「ば、ばかにしないでぇっ! あ、あなたなんかぁ……あっ、いやぁん
ッ……ヒッ、ひいぃぃぃぃぃぃッ……!」
卑怯よ。こんなときにクリトリスをいじるなんて……
この人、わざと敏感な処を刺激しているんだ。
「今日のあなたはラッキーですねぇ。この私自らのサービスを、こんな
に受けられるとは……ふふふふっ……感謝して鳴きなさい」
「あっ、あっ、あぁぁぁんッ……そ、そんなッ……激しいぃぃッ!……
んぅぅぅぅぅッ」
「そうです。もっともっと感じて……
淫らに堕ちていく姿を私に見せて下さいッ……!」
副島はヒザ裏から手を離すと、わたしの腰をしっかり抱え込み激し
く腰を揺らした。
反り返った堅い肉の棒がわたしの膣の壁をえぐるように、何度も何度
も往復していじめた。
ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬち
ゅっ、ぬちゃっ……
「はうぅぅぅぅっ、だ、だめぇぇぇっ……! あそこがッ……あついの
ぉっ」
だめ、頭を何度も激しく振ったのに……
気持ちよすぎて、快感が……広がってきて止められない。
心が……淫ら色に染まっていく。
このままじゃわたし……変になっちゃう。
「抵抗しても無駄ですよぉ。既に、あなたのおま○こは息子の虜です。
痛みなんて全然感じないでしょう。ほぉら、こっちはどうですぅ」
「ひぁぁぁぁぁっ、お、オッパイは……ダメェェェェェッ……!」
いつのまに……
乳房が手のひらで覆われてムニムニと揉まれて、乳首をひねられた。
……わたしの乳首……固くなってる。
うそっ、今度は爪を立てられたッ!
……もうだめ。
全身が燃えるように熱い。
毛穴中から汗が吹き出して副島が腕を滑らせた。
「手の掛るお嬢さんだ」
副島は腰に回した手をソファーの背もたれに持ち替える。
「これで安定しました。派手に突かせてもらいますよぉ」
男の上半身が近くなり遠くなる。
男の腰に合わせてわたしも腰をリズムよく振っていた。
ぬちゃっ、じゅちゅっ、ぬちゃっ、じゅちゅっ、ぬちゃっ、じゅちゅっ、
ぬちゃっ、じゅちゅっ……
「いやぁんっ、はうぅぅぅんっ、わたしじゃなくなるぅぅッ!……はぁ
ぁぁっ」
セックスってこんなに気持ちいいんだ。
こんことなら、もっと早く誰かと経験すればよかったかな。
身体が……快感の波の中でふわふわして、心が溶けて無くなりそう。
ほら、あそこから流れ出したお汁が、太ももを伝ってお尻の下に水た
まりを作っている。
……こんなになってるんだ。
なんだか恥ずかしい。
「ふっ、もう少しです。いいですよぉッ!」
腰が振り子みたいに高く持ち上がって、大胆なフォームでわたしのあそ
こに打ち込まれていく。
ちょっと馴れてきたのかな……?
それとも膣が敏感だから……?
わたしに突き刺さる肉の棒が、一回り太くなって堅くなった気がする。
そして、副島の顔に理性を失った笑みだけが漂っていることに不安を
覚えた。
…… ……?!
……まさか!
頭の中を悪夢のシーンがよぎった。
冷水を頭から浴びせられた気がして、快楽に遊ばれていた精神が意識
を取り戻し始めた。
赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃんっ……?!
この年で、未婚の母になってたまるもんですか。
……快楽の悪魔さんには、出て行ってもらうことにする。
副島の腰が高々と掲げられて、照明の下で巨大なシルエットになる。
その中心で鈍く光る蛇の鎌首がトドメをさそうと照準を合わせた。
ダメッ! 中に出さないでッ! ……妊娠しちゃうッ!
わたしは、動かない両手に代わって必死で両足をバタつかせた。
偶然なのか、カカトが、腰を引き出し無防備な副島の脇腹にグイッと
食い込んだ。
その瞬間、何が起きたか分からずに顔をしかめる副島のあごを、わたし
の頭がアッパーカットのように突き上げた。
ゴツンッと、前頭葉に鈍い痛みが走って、思わずのけ反っていく副島の
上半身が目に飛び込んでくる。
……今よッ!!
俊敏な動きで男の下をかい潜って、身体を横に一気にスライドさせる。
視界に光が差した。
……助かったの?
「あッ……くそぉッ……!」
副島の無念そうな声にわたしは上を向いた。
獲物を取り逃がして寂しく宙を彷徨う肉の棒に限界がきたみたい。
「ああっ……出るぅッ……」
どぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ、どぴゅーッ……!
落胆した惨めな呻き声を残して、膨張した肉の棒は白い液を空から撒
き散らした。
目標を見失ったように精液は、放物線を描きながらソファーを、わた
しの肌を、満面なく点々と跡を残して降り注いだ。
「はあっ、はあぁっ……はぁ……はあ……」
わたしは赤く染まった乳房を大きく上下させながら、荒い呼吸を落
ち着かせようとした。
うつむくと、肌を白い斑点が線を引いて垂れている。
赤い手形の跡がくっきり残る、わたしのオッパイ……
副島の責めを一身に引き受けて、乙女の象徴も失ったわたしの秘所……
そして、引き締まった自慢の美脚も……
みんなみんな、その至る所に男の精液がべっとりと付着して白い肌
を汚していた。