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リモコンローターの響き
















(28)



        篠塚美里の視点


        「みなさぁーん、こんばんわ♪ 宮下学園2年生の美里でぇ~す。よろ
        しくね」

        そんな軽い挨拶と共に、わたしはバレリーナのように身体を1回転させ
        た。
        ひざ丈のスカートが風をはらんで、太腿の奥までそれを感じる。
        体幹には自信があるって思ってたのに、軸がぶれて足がもつれそうにな
        る。

        「おおっ、スカートの中が、ちらっと今……」
        「若いな、太腿の肉がピチピチしている」

        典子お姉ちゃんが辱められていたのと同じ部屋、同じ時刻で、わたしは
        ショーを始めた。
        豪華な懐石料理を前にして、男の人6人が鼻の下を伸ばして下手なバレ
        リーナに注目している。

        河添の話だと、この前の宴会の仕切り直しとか言ってたけど、顔ぶれが
        ちょっと違う。
        ふんぞり返って出ていった頭の薄いオジサンや、それに付き従っていた
        人たちはいない。
        席を囲んでいるのは、もっと若い人たち。

        「おい、宮下学園って! 金持ちの子供が通う、あの私立学校だろ?」
        「ああ。ワインレッドのチェック柄スカートは、間違いない。あの学園
        の生徒だぜ」
        「信じられんな。なぜ、そんな少女がここに?」
        「それも、可愛いぜこの子。こんな美少女が俺たちの相手を?」

        「あっ、わかりますぅ? そうでぇ~す。これって、宮下学園の制服で
        ぇ~す♪ でもぉ、オジサンたちってぇ、女の子の制服に詳しいんです
        ね。だったら、もう一回サービスしてあげる♪」

        わたしは、舌を噛みそうな甘ったるい声と笑顔を作ると、もう一度バレ
        リーナになってみせる。
        さっきよりも勢いをつけて、オマケだよって2回転してあげた。
        ついでに、付きまとって離れてくれない恥じらいも吹き飛ばすように。

        「おい、見たか? 今、お尻の割れ目が……?」
        「ああ、この美里って子。パンティーを穿いていないんじゃ……?」
        「そんなわけないだろ。ちょっと遊んでそうだから、Tバックのパンテ
        ィーを穿いてんだよ」

        当然よね。こんなことをしたら、スカートの中が見えちゃうよね。
        いつもの美里だったら、エッチ! スケベ! でサヨナラしてるけど、
        今夜は逃げない。
        そうよ、美里は逃げられないの。

        だから、口々に飛び交う露骨な会話にも、聞こえない振りをしてスカー
        トの裾をヒラヒラって。
        美里に向けられるネットリとした視線にも、自信のないバストを強調さ
        せたりして。

        「さあさあ、皆様。今宵はおっかない反対派リーダーはおられません。
        皆様のようなお若い世帯主の方のみにお集まりいただきました。どうぞ、
        存分に羽目を外してお遊びください」

        そんな美里の態度で場が盛り上がるのを確認すると、河添はピンク色を
        したプラスチックボックスを取りだした。
        全部で4個。
        別に見せなくたっていいのに、わたしの目の前にかざしてから、それを
        前列にいた男たちの手のひらに握らせていく。

        「これは?」

        手のひらに収まるくらいの滑らかなボックスを、いぶかしげに眺める4
        人の男。
        そのつるっとした表面には、親指大のボタンが埋め込まれていた。
        そして、左端の人が何気なくそのボタンに触れた。

        カチッ……! ブゥーン……ブゥーン……ブゥーン……ブゥーン……

        「あ、ああぁっ!……うっんんっ、やだ、アソコが……」

        わたしは両手を膝に押し付けたまま、身悶えていた。
        それを見た残りの男たちが、揃ってスイッチを押した。

        カチッ……! ブゥゥーンッ……ブゥゥーンッ……ブゥゥーンッ……ブ
        ゥゥーンッ……

        「ひっ、ひくうぅぅっっ! いやぁっ同時なんて……美里、変になっち
        ゃうぅっ!」

        重なり合うモーターの音。
        わたしはオシッコを我慢する女の子のように、膝頭をひっつけてお尻を
        もぞもぞさせた。
        それでも足りなくて、両手を膝に突いたまま、胸のお肉を肘で寄せ上げ
        ていた。

        「ははは、少々驚かせてしまったようで。それでは、そろそろ種明かし
        と参りましょうか。美里、お尻を皆様の方へ」

        「んんっ……はぁ、はい……」

        河添に命じられるままに、ふらつく足で身体を半回転させる。

        逆らえない。逆らっちゃいけないの!
        そう念じながら、腰を直角に折り曲げてお尻を突き出していた。

        ファサッ……!

        「……くぅっ!」

        前触れもなくスカートが捲られて、慌てて唇を噛んだ。
        代わりに男たちの口から溜息混じりの声が漏れる。

        「まさか……ホントにノーパンだったなんて……?!」
        「美里ちゃん。やっぱりパンティーを穿いていなかったんだ」
        「だけど、太腿に巻き付いているあのベルトは? 何か挟んでいるよう
        だけど?」

        「さすがは目敏い。もうお気づきかもしれませんが、美里にはピンクロ
        ーターを装着させています。皆様の手元にあるのが、そのリモコンとい
        うわけです。美里、お見せしなさい」

        河添は、力の抜けた美里の身体を男たちの前に向けさせる。
        そして、腰まで捲られたスカートをわたしに持たせると、上着の裾を首
        元まで引き上げていった。

        「おぉっ、乳首にローターが、貼り付いている……?!」
        「それも、両方の乳首にだぜ」

        「んんっ……くぅっ、うぅぅっっ……」

        男たちに見られるのが、こんなに恥ずかしいなんて。
        河添に特訓だと言われて、感じる処にローターを付けたまま夜のお散歩
        をさせられたけど、今の方が遥かに辛いよ。

        わたしは前歯を噛み締めて、漏れてしまいそうな声を防いでいた。
        無理かもしれないけど、男たちが玩具に飽きるのを待ち続けた。
        でもやっぱり……

        「ということは、俺のリモコンは、どのローターだ?」

        背の高い男の人が、リモコンをわたしに向けて操作を始めた。
        それを見ていた他の男たちも、競い合うようにリモコンのスイッチを動
        かした。

        カチッ……! カチッ、カチッ、カチッ!
        ブゥゥーンッ……ブゥゥーンッ……ブゥゥーンッ……ブゥゥーンッ……

        「いやぁっ……はあぁ、許してぇっ! んんっ……だめぇぇっっ!」

        そのたびにエッチな電流が全身に流れていく。
        両膝が笑って太腿の筋肉がプルプル鳴いて、視線がゆっくりとずり下が
        っていく。

        恥ずかしいのに!
        女の子がこんな格好をしたら、はしたないのに!

        わたしは河添に支えられながらガニ股の姿を晒していた。
        両膝をぱっくりと開いたまま、大切な処を全部、男たちの目に晒してい
        た。

        「ふふふっ、美里ちゃん、オマ○コ丸見えだよ。恥ずかしくないのかな?」
        「バーカ。クリトリスにまでローターを貼り付けるような淫乱だぞ。恥
        じらいなんてあるわけないだろう」
        「ということは俺のローターは、もしかして美里ちゃんの、オマ○コの
        中のやつってことか」

        「皆様、そろそろ美里に引導を渡してはどうかと。ほら、美里からもお
        頼みしなさい」

        河添の目が意地悪く輝いた。
        わたしは半開きの唇から、丸暗記させられた言葉を吐き出していく。

        「んんっ、はあぁぁ……み、みなさま、美里は……ローターで弄られる
        のが……だ、大好きな変態なの。くうぅっ、ど、どうかお願い。みなさ
        まのお力で……み、美里を絶頂させてえっ……イカせてぇっ……ふあぁ
        ぁんんっっ!」