軽トラックに乗った白馬の王子様 軽トラック少女編 第三話 2015/11/05 20:00.00 カテゴリ:軽トラックに乗った白馬の王子様 【第三話】軽トラックの旅は遂に名古屋入りを果たした。一通り観光して回った後、名古屋港周辺の工場夜景をドライブしながら眺めていると、軽トラック少女は唐突にこう切り出した。「女三界に家なし、とは言うものの、お前さんには帰るところがあろう。そろそろ旅も終わりに近づいてきたのではないか?」僕はちらりと軽トラック少女を見遣っただけにした。「それとも、まだ女が恋しくならないのかや?お前さんがあたしに手を出さんのは、どうしてなんよ、聞かせておくれ」ギアが三速までしかないので暇をしている僕の左手を、軽トラック少女がそっと取り上げる。自分の胸の方へと持っていき、ナース服の上からほどよい大きさの乳房に触れさせる。「毎夜毎晩夜伽の相手をするつもりでいた女を、どれだけ焦らせば気が済むというのじゃ? なんぞあたしでは不満かえ?」「……本音を言えば、僕だって我慢が辛いさ。お前と旅を始める前までは、一日で二人の女の子を相手にしてたんだ。それが急に五日間も禁欲したんじゃ辛くないわけがないさ。本当ならラブホに直行したいよ」「ならば何故そうせぬ。あたしの正体が機械なのが気に入らぬか?」おっと、別れ話っぽくなってきた。話が拗れないように、僕は要点を一つに絞って軽トラック少女に訊く。「時々、お前はお腹をさする素振りを見せるけれど、それはどうしてなんだ?もしかして……お腹の中に子供がいるんじゃないのか?」「まさかお前さん、あたしが妊婦と疑っておったのか?」意外だったとばかりに軽トラック少女はケラケラと笑い出した。ひとしきり笑った後、目尻の涙を拭いながら軽トラック少女は言う。「いやいや、笑って済まなかった。しかしあたしが妊娠とな。それは考えすぎじゃ。考えすぎだが……そうな、当たらずといえども遠からず、じゃな」「またそれか」「ふふふ、そう怒るでない。神に誓ってもいい、あたしの腹には子はおらぬ。信じて欲しい。だが、あたしが授かり子を抱えていると思い、心配してくれた心を本当に嬉しく思う。 訳あって事情の全てを明かすことはできんでおるが、やはりあたしが惚れた男よ、お前さんになら全てを話しても良かったかもしれんな」「だったら――っ」「だったら……やはり帰ろう。帰り着いた頃にはどうせ種が明かされる、ならばその時まで秘密を抱えさせておくれ。秘密は女を美しくするとかなんとか、や」どこぞの漫画の台詞を持ってこられて、一気に気が抜ける思いだった。「ともかくもお前さん、あたしを抱くのに何の遠慮もいらぬことは約束する。あたしもお前さんに抱かれたくて化けた姿身よ、これ以上は焦らすでない」「じゃあ……ホテルに」「それも構わぬが、あたしはあれに乗ってみたいと思うのじゃが?」遊園地で次に乗りたいアトラクションを示すように、軽トラック少女が窓の外を指さした。そこには名古屋港に停泊するフェリーの船体があるのだった。『軽トラックに乗った白馬の王子様』はシリーズ構成になっております。どうか下記のサイトでもお愉しみ下さいませ。● 軽トラックに乗った白馬の王子様 浴衣少女編官能文書わーるど様● 軽トラックに乗った白馬の王子様 電波少女編新・SM小説書庫様● 軽トラックに乗った白馬の王子様 後輩少女編ましゅまろくらぶ様● 軽トラックに乗った白馬の王子様 猫又少女編愛と官能の美学様制服と若くて可愛い女の子が大好きなアナタ!ガール♪ 少女♪ 女の子♪ この単語にムフフと反応されるお客様!スレンダーでピチピチとした彼女達がお出迎えいたします♪♪目次へ 第四話へ