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闇色のセレナーデ 第10話  路上セックスの果てに……


























【第10話】




「んはぁっ……やだぁ、一気にぃ……はうぅんんっっ!」

敢えて挿入の合図は送らなかった。
卓造は顔を覗かせた千佳のスリットを目掛けて、力強く腰を押し出していた。
40代にして特定のパートナーを知らない標準型ペニスが、清純な女子学生の膣腔を貫いていく。

「はあぁ……きもちい……いや、なんだぁ、中はトロトロじゃねえか。ふふふっ、俺の手マンがそんなに快感だったのか?」

「おじさま……そんなこと言わないで。はあっ、恥ずかしい……」

ペニスが柔らかい恥肉に包まれて、思わず『気持ちいい!』の単語が飛び出しかける。
それを慌てて封じた卓造は、ぎこちないヤクザ言葉を口走っていた。
更には監視するレンズに応えようと、腰の抜き挿しを開始する。
千佳の背中に覆い被さるようにして、立ちバックによるセックスを開始したのだ。

じゅにゅ、ぬちゃ、ぬちゃ……にちゅぅっ、ぬちゅぅっ……

「あふっ、はあぁっ……おじさまぁ、すごい……やはぁ、ふはぁっ!」

千佳は本気なのか演技なのか、区別の付かない声で反応してくれる。
ひび割れたモルタルの壁面に手のひらだけでなく、真横に向けた顔まで押し付けて、恋人でもない男のペニスを素直に受け入れている。

『千佳を本気で辱めないと、和也に用済みの烙印を押される』
そんなニュアンスのことを彼女本人に教えられたが、白昼の街中で互いの性器を晒し合って結合させ合えば、もはや疑う余地もない。

「ほら、もっとオマ○コを突いてやるから、鳴いてみせろよ。通行人にも、俺達のセックスを見せてやろうぜ」

商売女を相手にしたセックスがほとんどの卓造だが、その年なりの性技は身に着けているつもりだった。
女体をいたぶるような絡みは趣味でないが、意識すればやれないことはない。

抱き締めるように千佳の肩を抱いていた両手を、卓造は引き剥がしていた。
乱暴な腰使いでペニスの抽送を続けながら、突き出された腰を撫でさすり、くびれたウエストに指先を突き立てていた。
がっしりと下半身を固定させると、打ち込むペニスを更にグラインドさせて膣肉を抉り取っていく。

「いやぁ、そんなのぉ……お肉がぁ、こすれてぇ……あ、あぁぁ、はあぁぁぁっっ」

「んぐぅ、そうだ……マン肉に力を込めて、絞め付けろ!」

乱れたセーラー服の下で、背中のラインがうねるようにくねった。
感じる演技だけでもごまかせる。
卓造はそう考えていたが、千佳はそれを拒絶した。
壁に押し付けた口元からは本気の喘ぎを漏れさせ、本気で感じている証拠の愛液を膣ヒダから湧き出させている。

(俺の思いが甘いってことかよ)

卓造は、和也の芯の恐ろしさを千佳の身体に教えられた気がした。
可憐な女子学生が、誰の目に晒されるか分からない街中で、懸命なセックスに明け暮れているのだ。

「あぁ、んくぅ……精液をちょうだい……」

「んは、はあ……でも、いいのか?」

「うぅ、うん……気にしないで、いいから……ふぁっ、あぁぁ……ピル、飲んできたから」

そして千佳は、卓造のペニスが限界に近いことまで感づいていた。
掠れるような嬌声に紛れさせて、男の性処理にまで気遣いをみせたのである。

「それじゃ遠慮なく、なか出しさせてもらうぜ!」

卓造は力任せに、腰を打ち付けていた。
パンと尻肉を叩く音がして、膨張しきったペニスが膣奥深くにまで侵入する。
絡み付く膣ヒダを引き伸ばしていく。

「はぁっ、あぁ……硬いぃっ! おじさまのオチ○チン、奥までぇ……」

千佳が鼻声で鳴いた。

「ううっ、出る!」

卓造が低く呻いて、腰をブルルとさせる。

どぴゅぅぅっ! ドク、ドク、ドク……どぴゅ、ぴゅぅぅっっ!

「あふっ、は、はぁぁ……熱いのがぁ、中にぃっ! 千佳のオマ○コにかかってぇ……わたしもぉ、イク、イクぅぅぅっっ!!」

射精するペニスを、収縮する膣肌が扱きあげていく。
下腹に蓄積された精液を女子学生の子宮目掛けて吹き付けて、卓造は目眩を覚えた。

その揺らぐ視界の先では、千佳もまた絶頂の快感に身を震わせている。
折れそうな背中をガクガクとさせて、うなじで切り揃えた黒髪を乱れるのも構わずに振り翳している。



「はあ……はぁ……終わった……」

ペニスを引き抜いたものの、卓造の呼吸は収まらなかった。
萎えたソレを性液と愛液とでべっとりと汚したまま、両手をヒザに押し当てて背中を上下させている。

「良く頑張ったわね、おじさん。あんまり激しく突いてくるから、ちょっと心配しちゃった。でも、大丈夫みたいだね」

監視者はいつのまにか立ち去っていた。
それを確認した千佳が、出会った時よりも更に馴れ馴れしい口調で卓造に話しかけてくる。

「はあ、はぁ……こんなことなら、上着を脱いですれば良かったかな?」

「そうね。次からは全裸でセックスしてみたら……ふふっ、冗談だけど」

卓造の本気めいたジョークに、千佳は舌をチラリと覗かせて笑った。
本意なんかではけっしてない。
卑猥な試練を終えたばかりだというのに。

(この子はいったい?)

卓造は、強張ったままの表情筋を解しながら思った。
千佳という少女の底しれない精神力を垣間見た気がしたのだ。

(だったら俺は、この子のために何が? 千佳ちゃんに俺が出来ること? それは?)

簡単に見付かりそうで、見付けるのが怖ろしい答えを探して、卓造は千佳を見つめていた。
抱き締めたらポキッと折れそうな後ろ姿を晒して、セックスの後処理をする少女を。
スカートの前部分だけを持ち上げて、差し入れたティッシュで股間を清める様は、どうしようもないほどの恥じらいに満ちていた。