(三十六)
八月 二十二日 金曜日 午後九時 早野 有里 「んちゅ……んむっ、んんっ……はぁ、はぁ……ングッ……」
「なに、休んでるんですかッ! さっさとくわえてッ!」
「んんッッッッッ!! ングッッッ……!!」
わたしは、例の怖い怖い部屋に、メールで呼び出されていた。
昼に続いて2度も副島にいじめられるなんて……今日はついていないな。
お父さんの治療費のことを考えれば仕方ないんだけど、行為が終わるたびに自分が惨めに思えて辛い。
今も、ズボンの前から顔を覗かせている、自称副島の息子を舐めさせられている。
フェラチオっていうんだっけ……
雑誌で見たことがあるから知ってはいたけど、あんな女の人を馬鹿にしたようなプレイを、自分がさせられているなんて、今も想像したくない。
だって、おちん……ううん。男の人のアレって……その……おしっこをする処でしょ。
それを口に含まされているんだよ。
そして、ちょっとでも口を離すと罰だという感じで、アレを喉の奥まで差し込まれるの。
苦しくて、気持ち悪くて、胃がムカムカしてきて吐きそうになる。
一層のこと吐いちゃおうか? 汚れてしまうけど、その方が楽に思えるくらい……
本当に、これって地獄みたいに辛い。
だって、喉の奥に当たると息が止まって、食道から何かが飛び出しそうで、わたし、死んじゃうと思ったんだから……
「ほらぁッ、唇をもっと締め付けてッ! 舌を転がしてッ!」
「んぐっ、んんんッ……んっ、んっ……んむぅぅぅぅぅぅぅッ!!」
ひどい! また乳首をつねられた。
それにね。わたしの舌の使い方が気に入らないと、すぐにお仕置きみたいに乳首をいじられるんだよ。
でも……もう無理……
あごも舌も感覚がなくなってきている。
さっきまではあごの筋肉が疲れて悲鳴をあげていたけれど、今はそれも感じない。
この部屋に入ってから、30分以上こんなことやらされているんだよ。
こんな地獄いつまで続くんだろう……
「さあ、もう一度フィニッシュですよぉ。今度は一滴残らず飲み干してくださいねぇ」
「ちゅっ……ちゅぷっ……んんっ、んぐッ! んぐッッ!」
副島のアレがまた膨張してきた。
わたしの口の中で、ご主人様みたいな顔をして暴れ回っている。
鈍くなった舌の動きに飽きたのか、副島がわたしの頭を掴んだ。
わたしのポニーテールを引っ張った。
そして、勝手に腰を振り始める。
わたしの口は、あなたの性処理の道具じゃないのに……
「んんっ、んんッッッッッッ! はぅッッッッ! んッ、んッ……んぐッッッッッッッッッッッ!!」
喉の奥を何度も叩かれて、息が止まって本当に吐きそう。
もうやめてぇッ! もう許してぇッ! と、目で合図を送っているのに、まるで無視。
わたしの鼻に、もじゃもじゃの陰毛がひっつくぐらい肉の棒を挿入されて、副島が悦に浸った声で言った。
「私の精液をごちそうしてあげます」って……
そんなのいらない。飲みたくありませんって、言いたいのにアレをくわえさせられて断れない。
「んむぅぅッ! むうぅぅぅッッ、んっ、んッ……むむぅぅッッッッ……!」
目の前で、行ったり来たりしていた副島の腰が、動きを速めた。
肉の棒が、口の中でぐるりと回転しながら暴れてる。
しびれた舌先が、ぱんぱんに膨らんだアレの先端に触れさせられた。
……射精を飲まされる?!
どぷッぅぅぅぅッ! どぴゅぅぅぅぅッ……ドクッ、ドクッ、ドクッ……
「んぐぅぅっ……ごくっ、ごくっ、ごくっ……ングッッッ、ぅぅぅ、ぷはっ!……はぁっ、はぁっ、はあっ……」
熱くて苦いものが、奥にぶつかりながら口いっぱいに拡がった。
こんなもの食べ物じゃないのに……
わたし、苦い食べ物大っ嫌いなのに……
喉を必死で鳴らして飲み込んだ。
でも、吐き出しそうになって、ちょっとだけ唇の端から垂れてしまう。
全部なんて、やっぱり無理だよ。
「んんっ、げほっ、けほっ、けほっ……はあっ、はぁっ、はぁ……」
喉に粘着物が絡まり、激しく咳こんだ。
吐き出された唾液混じりの白濁液が、わたしの乳房にベットリと付着した。
「……お仕置きですねぇ」
副島が、笑いを堪えながら言った。
わたしは、太ももに張り付いているミニスカートに、目をおとした。
そして、力なく立ち上がると、スカートのホックに指を添えた。
1回目、全部飲めなかったから、お仕置きだと言って、上半身裸にさせられた。
2回目も全部飲めなかったら、今度は下も全部脱げって……
結局、わたしは飲めなかったから、スカートもパンツも脱がなければいけない。
でもどうして、こんな理不尽なルールに従わなければいけないのよ。
こんなの最初から無理だって、わかっていたのに……
……スルッ……ススッ……
パチンとホックを外して両手を離すと、肌をこする音がしてスカートは足首に絡まった。
続けて、たった一枚残されたパンツも寂しそうにしてたから、潔く脱いであげた。
「どう? これで文句ないでしょ」
全裸のまま、少しだけ胸を突き出して、でも、顔は横を向いたままだし、声も裏返っている。
男の人の前で肌を晒すのって、何度やっても慣れなくて恥ずかしいだけ。
いやだな、肌が赤く染まってきた。
「いつまで、恥ずかしがっているのです。
いい加減、裸になることに慣れてくださいよ」
いつのまにか、両手であそこと胸を隠しているわたしに、副島がまた無理なことを言った。
「さあ、手は腰の横ッ! 隠さないッ!
……まあ、いいでしょう。
有里様の初々しい恥じらいも、私にとっては、息子のエネルギー源ですからね……」
そして自慢のものを見せようと、腰を揺すった。
……?!
……嘘でしょ!
もう、復活している。
わたしの口の中に、2回も出しておいて……信じられない。
一体男の人って、どこであんな、苦くておいしくない液体を作っているのよ……
……でも、今言ってたよね。
わたしの初々しい恥じらいって……
ということは、わたしの仕草を見て興奮したってことよね。
なんだか、ちょっとした優越感かな……
わたしの視線に気が付いたのか、息子がビクンと挨拶して、副島がニッと笑顔を見せた。
……やっぱり、こんな優越感いらない。
「どうしたのですぅ?
私の息子が気になるようですねぇ。
ふふふ、ご安心ください。
今晩も、有里様のおま○こにたーっぷりと食べさせてあげますからねぇ」
そう言うと、副島は、身に着けているものを手早く脱いで全裸になる。
「あのぅ、その前にお水を飲んでもいいでしょ?」
こんなこと、一々許可なんて必要ないかもしれない。
でも、遠慮気味に聞いた。
副島が機嫌を悪くすると、余計ないじめが追加されそうだから……
「ええ、構いませんよぉ。
……おお、そうだった。
この薬をついでに飲んでくれますかぁ?」
「……これは?」
手渡されたのは、カプセル型の錠剤だった。
まさか、あやしい薬じゃないでしょうね。
「そんな疑いの目をせずに、薬をよく見てください。
さすがのあなたも知っていると思いますよぉ。
これはですねぇ、女性専用の薬。そう、経口避妊薬ピルですよ。
ククククッ……」
「……ピル……」
当然知っている。
学校の保健の時間にも教わるし、これを飲んでおけば妊娠しないってことも……
「ピルはいいですよ。
これさえあれば、いつでも中だしOKですからね。
商売女にもかかせないと聞いていますから……」
「……そんな言い方、やめてくれませんか」
頭の中で、商売女って言葉が何度も繰り返される。
わたしも、お金のためにエッチをしているんだから、きっと商売女だよね。
……ちょっと、へこんじゃった。
でも、これからが本番みたいね。
……早く、おうちに帰りたいな。
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