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屋外露出 中級 その2






















(28)


4月 11日 金曜日 午後11時40分   岡本 典子



太ももを撫でるように裾をめくり上げていく。
意地悪な北風が『もう待ちきれないよ』って、先行するように風をはらませる。

「ううぅっ……んんんッ! んんくぅぅぅッ!」

ほんのちょっと持ち上げただけなのに、腿のつけ根まで露わにされる。
ギュッと血が滲むくらい唇を噛むだけで、おへその下あたりまで冷たい空気に覆われる。
触れるか触れないかの指のタッチが、ゾクリとした悪寒を引き連れて更に過敏な鳥肌へと塗り替えていく。

私は泣きだしたいのに泣けなくて、叫びたいのに叫べなくて、ただじっと、持ち上げたスカートの裾を握り締めていた。

遠くでエンジン音がした。
車のヘッドライトが大きくはっきりと私の周囲を照らし出している。
履いて来るんじゃなかったって後悔してるジョギングシューズが、自己主張するようにキラキラと反射した。

「いやぁぁっ! 来ないで! こっちに来ないでぇっ!」

私は、スカートの裾を掴んだまま2歩3歩と後ずさりする。
でも本能に『典子は露出狂なんだから、どんなことがあっても裾から手を放しちゃいけないよ』って警告される。

急速に大きくなる車体。大きくなるエンジン音。
まるでステージの上のように明るく照らし出されて、長い人影が時計の針のように回転して……

そんな所でおっぱいを丸出しにして、下半身を丸出しにした私って?
そうよ。ショーのラストに取り掛かるストリッパー。
ううん、そんなこと言ったらダンサーである彼女たちに失礼。
だって、典子は……

「いやぁ、お願い……見ないで……典子を……見ちゃいやぁっ」

スピードを上げて近づく車が青信号なのに交差点の手前で減速する。
フロントガラス越しに見えるドライバーの視線が私と交差する。

そして笑った?!
口の端を上げて、今、にやりと笑われた?!

真っ直ぐ前を向いて運転しないと危ないのに……それなのに……

私は声にならない悲鳴を上げて。
強張った顔を首が曲がるくらい仰け反らせて……
風の気分で覗かれる典子のおっぱいは、もう仕方ないけど……
ギュッって太ももをひっつけても見えちゃう恥ずかしい陰毛も仕方ないけど……

それ以上はダメなの。
だから祈ってた。

典子をこの世から消し去って、お願い! って……



「よしよし、よく我慢したな。いい子だ。
次は、そのまま足を肩幅にひらけ。露出狂典子のおま○こを路上で晒すんだ!」

車が通り過ぎて、私は気を失い掛けて……
それでもこの人、許してくれない。
羞恥地獄も終わらせてくれない。

だって、河添の呼吸が荒くなり始めているから。
惨めな典子の姿に、肉の棒をこする音まで元気づいているから。

「ああ、ああぁぁ……そんな……あなたって、鬼だわ。
そうよ。人間の皮をまとった鬼よ!」

「ふふふっ、なんとでも言うがいい。
だがな。お前はこの俺に逆らうことなど出来やしない。
さあ、足をひらいて典子のいやらしい割れ目を見せてみろ! 絶対に隠すんじゃないぞ!
通り過ぎるドライバーにも、歩いている奴にも、しっかりと拝ませてやるんだ。いいな!」

「はあぁ、ううぅぅっ……」

もうこれ以上無理だよ。恥ずかしいよ……って、外気に晒される太ももがブルブルと震えてる。
それなのに、足下で渦を巻く冷気がデリケートな処を早く舐めようと、恥毛を撫でつけて脅してきた。

靴底をデコボコしたアスファルトにこすりつけながら、1センチ、また1センチとひらいていく。
典子がんばってっと、挫けそうになる自分を励まして……
典子は露出狂で、エッチな服装が大好きなんでしょ? って、自分の心をバカと変態に染め上げて……

何度も溜息吐いて……何度も顔を上げ下げして……何度も頭を左右に振って……
丸められたスカートの生地の中から、うわずった男の呻き声が聞こえて……

股の下を堂々と北風が駆け抜けていく。
遠慮気味に顔を覗かせた典子の割れ目を気負った冷気が舐め上げた。

「ははははっ。街頭でおま○こを晒けだすのはどんな気分だ?
辛いのか? 恥ずかしくて死にそうなのか?
いや、違うな。
露出狂の典子なら気持ちいいんだろ? そうだろ変態典子……ふふふ、はははは……」

悔しくて惨めで……消えて無くなりたいくらい恥ずかしくて……
人格を否定されたような男の言葉に言い返そうとして……

私は声も出ないのに、言葉だって作れないのに、唇だけをモゴモゴさせた。
いつ現れるかわからない視線に怯えながら、シュッシュッって肉を擦る音と、はあ、はあ……って、卑猥な男の息使いを祈りながら聞いていた。

お願い! 早く射精して! 
でないと、典子……もう……?!



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