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放課後の憂鬱   第8章 無邪気な悪魔・後篇(3)


  
                                          


【第8章 (3)】



        
        「冗談だよ。そんなにムキにならなくたって。ははは。」
        「・・・・・」

        吉田が笑い飛ばすと、藍は少し膨れて下を向いてしまった。

        「まぁ、まぁ。怒らない、怒らない。それより藍ちゃん、この前の水着
        の撮影のとき気付いたんだけど・・」

        吉田がそう言うと、藍は元に戻って聞いた。

        「・・えっ? なにか・・」
        「藍ちゃんさぁ、処理、してないよね?」
        「えっ? ショリって? な、なんの?・・・あっ!」

        藍は吉田の質問の意味がわかると、真っ赤になってしまった。
        藍は確かにこれまで「陰毛の処理」など、したことはなかった。

        「・・・ど、どうすれば・・・いいですか?」

        藍は恥ずかしそうに吉田に聞くと、吉田が藍の耳元に顔を近づけ、小声
        で言った。

        「・・・ちゃんと、剃っといてね。あれじゃはみ出しちゃうよ・・」

        藍はますます恥ずかしくなり、しどろもどろで答えた。

        「えっ? あっ、えっと、は、はい。・・・わかりました。」
        「今晩ぐらいから、ね。剃り始めてすぐだと、肌が荒れてることもある
        から・・気をつけて剃ってよね。傷つけないように。」

        吉田がそう言うと、藍は下を向いて答えた。

        「はい・・わかり・・ました。」

        「よしっ、じゃあ今日はここまでだ。藍、次の仕事に行くぞ。・・・吉田、
        頼んだぞ」

        時計を見ていた岸田が、区切りをつけるように言うと立ち上がった。
        藍は岸田と次の仕事に向かった。



        その頃、藍の学校の昼休み。映研の部室では、部員が顔を揃えていた。
        奥の椅子に、すぐ前の机に足を投げ出して高科が座っている。藍がいる
        ときに見せる、優等生のような表情が消え、不良っぽい雰囲気だ。
        すぐ横にさちが座り、やや離れた中央の机を囲んで、他のみんながひそ
        ひそと話し込んでいた。

        吉田や伊藤たちは、藍が昨日今日と間学校を休んでいることが気がかり
        だった。
        そして吉田が不安そうに高科に言った。

        「・・先輩、あれって、やっぱまずかったんじゃないすか?」

        高科はそんな不安を吹き飛ばすかのように言った。

        「おいおい、なーに言ってんだよ。全て計算どおりだぜ! ぜーったい
        にうまくゆくって」

        「でも、ねぇ・・・二日も休んでんすよ?・・先公にでもチクられて、
        バレたら俺たち退学っすよ、きっと。」
        「だ~いじょぶだよ! 藍ちゃん、そんなバカじゃねぇって。あいつぁ
        芸能人なんだぜ。ゲイノージン!・・スキャンダルは一番まずいっしょ? 
        自分から晒し者の道、選びっこねぇって。心配いらねーよ!」

        「そんなもんすかねぇ・・」
        「それにな、あれはもう目覚めてるって。まちがいねぇ。ほれ、このビ
        デオ見ろよ。目覚めてなきゃ、自分からこんなカッコすんか?」

        「まぁそうっすけど・・」
        「まぁみてろよ、明日あたりまた顔出すよ、ちょっと苛められるのを期
        待してな。だから希望をかなえてやらにゃ、かえってかわいそーだ
        ろ!・・・そうだ、さち! 台本、書き直してくんないか?」




※ この作品は、ひとみの内緒話管理人、イネの十四郎様から投稿していただきました。
  尚、著作権は、「ひとみの内緒話」及び著者である「ジャック様」に属しております。
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