キスし合って、脱がせ合って、裸を見せ合って 2015/08/09 13:00.00 カテゴリ:シャッター・チャンス2 【第4話】 カチャ、カチャ、カチャ…… あたしとお父さんは、キッチンで遅い夕食をとっていた。 メニューはもちろんカレー。 「雪音。今度の撮影、上手くいくかなぁ?」 「そんなの……もぐもぐ……やってみないとわからないわよ。でも、お 父さんだってプロのカメラマンのひとりなんだし、もぐもぐ……白黒の 撮影や、ハメ撮りくらい経験あるんでしょ?」 「お、お前……い、今なんて……うっうぅぅぅぅ……」 「ほら、泣かないの。いまどき、こんな情報は、ネットでいくらでも手 に入るのよ。それより、スタジオの方なんだけど、さすがにベッドを持 ち込むわけにはいかないでしょ。マットで我慢してもらおうかしら?」 あたしは、スプーンを口にくわえたまま、お父さんの方を見る。 ここは、人生経験豊富。あっちの方もあたしが産まれたんだし、一応、 豊富のはず? まずはご指南を…… 「うん、雪音に任せる……それよりも、カレーお代わり。ついでに卵も ……」 「ダ~メ。我が家では卵は1日1個まで! ホントに頼りにならないん だから」 翌日、美帆さんと共に旦那様の毅さんが、スタジオを訪れた。 「よ、よろしくお願いします」 「こちらこそ。撮影アシスタントの北原雪音です」 日焼けした精悍な顔をしているけど、ちょっと気弱かな? 目が泳いで表情が硬い。 まあ、今からやることが、その~やることだし、これで普通かもね。 それに、さっきからソプラノボイスで撮影準備をしている『ピンクの傀 儡子』さんより、ずぅ~っとずっとマシかも。 「雪音、照明はオレンジ色に……」 だからお父さん、声を裏返えさないでって……もう! 「小野寺さん、こっちは準備が整いました。始めてもらって結構ですよ」 そのお父さんが、むせ返るほど声を殺しながら合図を送った。 あたしは、カメラの横で待機する。 薄オレンジの世界に、大きめのマットレスが1枚。ただし掛け布団はな し。 ここは、撮影に関しては冷静なお父さんの判断で……? 「あなた……」「あ、ああぁ……」 美帆さんに促されるようにして、ふたりがマットレスの脇に立つ。 鼻息が届くくらい間隔でしばらくの間、向き合っている。 そして……突然のキス。 背の高い毅さんが、首を折り曲げるようにして美帆さんの唇に触れた。 毅さんが美帆さんの肩を抱いて、美帆さんが毅さんの背中に両腕をまわ して…… ふたりとも目を閉じたまま喉仏のあたりを、唾液を呑み込むようにゴク リゴクリと動かして、濃厚なキスを続けている。 カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ…… お父さんがシャッターを押した。 これが大人どおしのキス……?! 想像していたのと全然違う! でも、なんだかすごい! あたしは、ふう~って熱い息を吐いた。 隣でお父さんが羨ましそうな顔をしている。 いつのまにかキスを終えたふたりが、また鼻息が掛る間合いで向き合っ ている。 そして、どちらからとなく両腕がお互いの身体に触れた。 シュルシュル……スス、スススッ……カチッ……シュルシュル…… あたしの見ている前で、毅さんの逞しい筋肉のボディが露にされていく。 美帆さんの成熟と若さを兼ね備えた、魅惑的な肉体も晒されていく。 スス……スススス~ 膝立ちになった美帆さんが、毅さんのトランクスを慣れた手付きで下ろ していた。 ウエストの前部分をつまんで、はち切れそうな男の……そのシンボルを 交わしながら片足づつ抜き取っていた。 「わ、あわわわぁ?!」 生まれて初めて目にする男の性器。 太くて長くて、斜め45度で天井を上向いていて……先っぽがぬらりと 光って…… そうしたら、目が合った美帆さんが自分の身体で毅さんを隠した。 彼女だって、腰に白い下着1枚だけなのに、カメラの前にその背中ライ ンを晒した。 「あなた……早くぅ……」 「あ、あぁ……美帆」 美帆さんの甘い催促に毅さんが応える。 スルッ……スススス~ 慎重に、滑らかな肌を指先が傷付けないように、最後の1枚を引き下し ていく。 毅さんは、露にされた女性の部分に顔を埋めたまま白い布切れを脱がせ ると、手のひらに収めた。 カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ…… その瞬間を逃すまいとシャッターが鳴いた。 その音に、美帆さんの若々しいお尻のお肉が震えた。 彼女の腰に貼り付いた褐色の両腕が、強く強くギュウっと喰い込んだ。 あたしは口の中をカラカラにしながら、乾いた空気みたいな唾を飲んで いた。 全身がオーバーヒートするを感じながら、瞬きだって忘れかけていた。 どうなるの? この後は、ふたりで何をするの?! そうしたら、美帆さんが先に動いていた。 小さなお花が散りばめられたマットレスに仰向けに寝転ぶと、毅さんを 呼ぶように唇を動かす。 それに呼び寄せられるように、毅さんが上から覆いかぶさっていく。 「ああ、あなた……」 「美帆……」目次へ 第5話へ