エスカレーターの狭間で…… 第3話 ノーパン・ノーブラでも頑張ります! 2016/01/13 20:00.00 カテゴリ:エスカレーターの狭間で…… 【第3話】「お待たせしました……」10分後、怜菜ちゃんが姿を現した。病人のように掠れた声で頭を下げると、俺の前にすっと移動した。「あ、あぁ。脱いで……きました。透けていませんか?」「えっ、う、うん。どうかな?」水色の作業着が揺れている。女の子らしい華奢な肩が震えて、女らしい張り出しを見せた腰も一緒になって震えて……それをほくそ笑む俺の下半身は、ズボンの中で急速に硬化していく。「う~ん。ちょっと見には分からないと思うけど……念のため屈んでもらえる? そこの空き缶入れを片付ける振りをしてたら、人目に付かないと思うし」俺はエスカレーターの裏側に設置された自動販売機を指差した。清掃をする作業員とドリンクを選んでいる客。これなら、誰の目にも違和感なんて持たれないだろう。「あ、えっ……? は、はい……わかりました」彼女も納得したようだった。小走りに自動販売機の元へ近寄ると、隣に置いてあるダストボックスの蓋を開ける。「お願いします、おじさん。早く確認して」つーんとした酸っぱい匂いが鼻をつく。そんな空き缶が詰まった合成樹脂の箱を、水色の帽子が覗き込んでいた。いや、そのフリをしていた。サイドの縁を両手で掴んで、背中を丸めながら腰を折り曲げた彼女。その背後に立つ俺は、首を上から下へとゆっくりと移動させる。肩甲骨の下あたりを横に走る黒い線は消滅していた。水色の生地には何も映っていない。ブラジャーは、言われたとおりに外したみたいだった。女性特有の頬ずりしたくなるヒップにも、逆三角形の黒いシルエットは浮かんでいない。パンティもちゃんと脱いでいる。要するに怜菜ちゃんは、ノーブラ、ノーパンってわけだ。この薄手の作業着の下には、今は何も身に着けていない。「あ、あぁぁ……大丈夫ですか? ……いやぁ、恥ずかしい」身体の震えに連動するように、声も震えて泣いている。それでも彼女は俺の答えを聞くまではと、腰を突き出したままじっと耐えている。「うん、大丈夫だよ。背中にはなにも映っていない。でも……」「で、でも……?」「下の方はちょっとね。なんというかそのぉ~、怜菜ちゃんのお尻が割れ目のスジまで。ま、まあ、薄っすらとだけどね。よ~く観察しないと気が付かないレベルだから……たぶん……」俺はわざと自信なさそうに答えた。ついでに怜菜ちゃんには悪いが嘘もついた。「た、たぶんって……? お尻が割れ目って……? ひっ、イヤァァァッ! 見ないでぇっ、おじさん、お願いだから見ないでっ」案の定、彼女はバネのように身体を伸ばすと、背中を壁に貼り付けている。右脇のポケットが大きく膨らんているのは、そこに脱ぎ立てのブラとパンティを収めているからに違いない。「怜菜ちゃん、落ち着いて。見えるといったって、中心のラインがぼやけている程度だから。そう、お尻のお肉がほんのちょっと覗いているだけなんだよ。それに、いつまでもウォールフラワーごっこなんてしていられないだろう? ほら、あと20分で見回りの人が来ちゃうよ」俺は腕時計に目を落としてみせる。落としながら、首筋まで真っ赤にして羞恥に耐えている怜菜ちゃんを、さり気なく観察していた。本当は尻なんか透けていない。もちろん割れ目もだ。そう、全部おじさんの作り話さ。でもこれで、もう少しの間愉しませてもらえそうだね。ふふふっ、怜菜ちゃん。「ああ、いったいどうしたら? ううん、ダメ。やっぱり恥ずかしいよぉ」恥を忍んで作業を続ける。彼女にとって答えはそれしかないのはずなのに、さすがに最後の踏ん切りが付かないのだろう。さっきから、ひとり首を振っては小さな溜息を連続的に吐き続けている。それを不審そうに見下ろす、エスカレーターの利用者たち。仕方ないなぁ、そろそろ恥辱のステージに上がってもらおうかな。「おっ! いいことを思い付いた」「おじさん……?」俺はポンと握りこぶしで手のひらを叩いた。我ながら白々しいと思ったが、やはり彼女は喰い付いてきた。涙で真っ赤に腫れた瞳で、すがるように俺を見つめている。「俺が、いや、おじさんが怜菜ちゃんの後ろに立っていてあげるよ。さっきみたいにガードしてね。その間に君は、残りの階段を掃除する。どうだい、これならお尻を覗かれることはないだろう? 安心して作業できると思うよ」「あぁ、はい。ありがとうございます。それだったら……あの、我慢できます」我慢? ああ、俺には尻を見られるってことか?でもねぇ、怜菜ちゃん。それだけじゃないんだけどな。「うん、そうかい。だったら早速始めようか?」俺は怜菜ちゃんを先導するように踊り場に戻っていた。モップで拭き掃除を始めた彼女の背後に、意味もなく立ちながら左右に移動していく。「助かります、おじさん。これなら覗かれないで済みます」「そう。それはよかったね。でもそれだったら、もう少し感謝して欲しいな。他の方法で……ね、怜菜ちゃん」「他の方法……ですか?」モップを片手に、怜菜ちゃんが上体だけをひねって振り返る。その彼女に向かって、いやらしくほっぺたの右端を持ち上げて言ってあげた。「うん、男であるおじさんが悦ぶ方法でね」目次へ 第4話へ