エスカレーターの狭間で…… 第6話 オナニーの方法 2016/02/07 18:00.00 カテゴリ:エスカレーターの狭間で…… 【第6話】「ねえ、オナニーとかはするの?」「し、しません。そんなハシタナイこと」「ホントかなぁ。女の子ってさ、年頃になってくると9割近くが経験あるって、何かで読んだことがあるんだけどなぁ。正直に話してくれないと、おじさん、またしゃがみ込んじゃうよぉ」俺はその後も気付かないように振舞いながら、前にも増して怜菜ちゃんにまとわりついていく。但し、彼女に覆いかぶさるように立つことを意識したから、おそらく上段からは俺たちの痴態が覗けないはず。どうするのかな? お嬢さん。階上から首だけ突き出している人影。それに目を合わせては、怜菜ちゃんのうなじに向かって囁いた。ふうぅって、息も吹き掛けてあげた。「あ、あぁ……あります……」「なにぃ? 聞こえないよぉ」「あ、あります。オナニーしたことあります」「ふ~ん。怜菜ちゃんもしているんだ、オナニー。ねえ、どんな風にやるの。具体的に説明してよ。可愛い女の子がするオナニーって、おじさん興味津々なんだよね」「ひどい。そんなのあんまりです」俺の言葉に、怜菜ちゃんの両肩が力をなくした。首をうなだれたまま、モップが同じところを往復している。でも従わなくちゃいけないよね。おじさんと約束したもんね。「ほら早く説明してよ。まずはどのくらいのペースなの?」「ううぅっ、し、週に一度……くらい……です」「週一ねぇ……ホントかなぁ。実は毎日オナってんじゃないのぉ? って、まいいか。で、どこでするの? もちろん自分の部屋でだよね」「うっ! あ、はい……ベッドに寝転んで、夜、寝着けないときなんかに……」「どんな風に? あっ、もしかして、ローターやバイブなんかも使ったりするの?」「ゆ、指で……道具とかは怖くて使いません。お、おっぱいを左手で刺激しながら、右手をあそこに這わせて……」もう、あきらめちゃったのか、早く掃除を終わらせてこの場から逃れたいのか、怜菜ちゃんは素直に答え始めた。答えながら、滞りがちだったモップが働きだす。残る階段が7段6段と減り、5段目に突入している。な~んか、かったるいな。こんな教科書通りの答えを聞いていてもねぇ。クククッ。上から覗いているお嬢さんもそう思うでしょ。だから、もう少しハードルを上げてやるよ。「這わせてどうするの? 指をオマ○コに挿れるの? それとも、クリトリスを弄るの? えっと、その前に、怜菜ちゃんってバージンなの?」「あっ、えっ……お、おまって……イヤ、もう許して」俺は禁句の固有名詞を含めた質問を、機関銃のように彼女に浴びせた。ここが公共の場だって構うもんか。どうせ誰も気付いちゃいない。帽子を深めにかぶっているため、男女の区別さえつかない清掃員とスーツ姿の男。どこから眺めようが、よっぽど意識して見ないと俺たちの不自然さなどわかりゃしない。たったひとりを除いてね。まあ怜菜ちゃんは、それどころじゃないみたいだけど。「はあ~、ふ~ぅ……し、処女です。経験なんてありません。それに、指は膣に挿れません。割れ目のお肉をさすりながら、親指のお腹でクリを……イヤ、やっぱり恥ずかしい」何度も深呼吸を繰り返す。上体をひねりながら、階段を下りてくる奴がいないかチェックする。そうして背中に貼り付く俺に向かって、怜菜ちゃんは怜菜ちゃんだけの秘密を答えていった。でも、しゃべるスピードは速かった。それは、俺の機関銃質問の3倍の速さだった。「OK、要するに怜菜ちゃんはまだバージンだから、オナニーするときも処女膜を傷つけないように、指の膣入れはせずにクリトリスと割れ目の刺激だけで、絶頂するってことだよね」怜菜ちゃんは小さく頷いた。俺は荒くなる鼻息を抑えて、片眼だけで階段の上を見上げた。ん。いない! ……となれば。舐めるような視線が斜め後ろから近づいてくる。一定速度で下ってくる眼差し。それは真横から斜め前方へと移り、チラチラと見上げては階下のフロアーに降り立っていた。カラフルなパステルカラーのワンピース。まるで地味な作業着姿の怜菜ちゃんに当て付けるかの服装。ふーん。こちらもかなりのルックスだね。両者、甲乙付け難いけど、ハナ差決着で怜菜ちゃんかな。遠巻きに自販機の陰から覗く彼女に、目で合図を送る。途端、女は目を見開き瞬時に顔色を失った。この女の性根、試してやるか。目次へ 第7話へ