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ストリップ&性器観察























(十)


八月 十一日 月曜日 午後九時  早野 有里
  


        「さあ有里様、最初の行為の開始ですよぉ。
        挨拶文通りに、まずは生まれたままの姿になってもらいましょうかぁ」

        ……生まれたままの姿?

        いよいよ裸にならないといけないんだ。
        それに……わたしは副島の言葉を思い出していた。

        なるべく男性を興奮させることが出来れば、ポイントが高い……?

        どうすればいいの……?
        ただお風呂に入るように脱いだらダメなのかな……?
        もっといやらしく……?
        ……ダメッ! 考えがまとまらない。

        「どうしましたぁ……? 脱げないんですかぁ……?」

        副島が囃し立てるように催促する。

        もうこうなったら、どうにかなるつもりでッ……!

        「お待たせしました。御主人さまぁ……♪♪」

        どう? 可愛らしい声で話せてる? 
        ……後は、上目づかいにカメラを見つめてと……

        さあ、わたしなりのエッチぽい脱ぎ方だよ……

        まずは、もったいぶるように視線を泳がせてからジーンズを脱いでいく。
        ……まさか下から先に脱ぐとは思っていないでしょ。

        この状態を想像してみてよ。
        ……ちょっとエッチだと思うよ。
        だって、Tシャツの裾からチラッと見えるピンクのパンティー。
        ……きみもそう思うでしょ?

        おまけに、脱ぎ方にもこだわりを……
        前傾姿勢のままカメラに微笑み掛けてゆーっくりと焦らすように、お尻
        を突き出しながらひざ下まで引き降ろしていったの。
        そして、片足づつツマ先を伸ばしながら、股の奥がが見えるように太も
        もを上げ気味に抜き取っていく。

        ……どう、ここまでは良い感じでしょ。
        ……でも早くしないとね。

        次はTシャツを……
        ここはもったいぶらずに一気に脱ぎ去ることにした。

        ……ただ、脱いだ後にこだわりを……

        乱れた髪を整えるように、あごを上げ気味に頭を軽く振ってみたの。
        ……どう、セクシーに見えないかしら?

        これで、わたしに残されたのはブラとパンツだけ……
        因みに今日の下着は、ピンクで上下お揃いの新品。
        理由はきみが想像してね。

        次はどっちからいく……?

        さすがに今度はブラだよね。
        温泉なんかで、パンツからの人もいるけどね。
        ……さすがにきついかな。

        それより見てよ。副島の視線……
        わたしのブラとパンツを何度も往復してる。

        いやだ。自然と呼吸が荒くなってきた。
        ……急がないと、指が本当に動かなくなりそう。

        わたしは背中に両手を回すと、ブラのカギホックに指を掛けた。
        でも、指が震えてなかなか外れてくれない。

        どうしたの? わたしの指……

        叱りつけてなだめて……
        ようやく、パチンという音が心に響いて……
        肩紐が緩んで胸が急に軽くなった。
        そして、下をうつむいたら弾かれたように波打つ白いふくらみが現れて
        た。

        でもね、ちょっと限界かもしれない。

        さっきから副島の目が気になって……わたし、思わず両手で乳房を隠し
        ていた。
        そう、グラビア雑誌の手ブラみたいに……

        もう、真っ直ぐカメラを見ることも出来ない。
        わたし顔もそむけていた。

        「どうしましたぁ。後1枚残っていますよぉ」

        副島がにやついた顔で催促する。

        なにしてるのよ。しっかりしなさいッ! 
        こんなんじゃ、ポイントが取れないよ。

        心の中で挑発するように励ます自分がいる。

        でもね。指が言う事を聞かないの……
        だってわたし……男の人の前でパンツだけなんだよ。
        こんなの惨めで恥ずかしすぎる。

        「最後の1枚。脱がせてあげましょうかぁ……? 有里様」

        痺れをきらした副島の催促が聞こえる。

        「いいえ結構です。自分で……脱ぎますッ!」

        わたし、思わず言っちゃった。
        そうよね。こんなところで負けたくないよね。

        わたしはカメラを睨みつけると、両手を腰に張り付く最後の1枚に添え
        た。
        胸の鼓動が大きくなって、おでこをつーっと汗が滴り落ちてくる。

        ……これ以上の演技は無理ッ!

        でもね。最後の一枚は潔く脱いであげる。
        負けない。負けないんだから……!

        呪文を唱えるように心を強く持ち、一気に引き下ろした。

        スルッ、スル、スル……スル、スル……

        薄布は一瞬で丸まり、紐状になって足首に引っ掛かっている。
        そして、汗ばんだ内腿が冷たい空気に撫でられて、わたしは急いで足首
        から抜き取った。

        「……これで……満足……?
        言われた通り……生まれたままの姿になってあげたわよ」

        わたしは乱れる呼吸をごまかしながら、カメラを挑発するように胸を突
        き出し、余裕を見せるようにポーズを決めた。

        もちろん両手で隠したりなんかするもんですか!
        なによ、裸くらいッ!
        ……こんなもの、どうってことないんだから……

        「そう。その表情を待っていました。恥辱にあえて逆らおうとするその
        顔……いや実に美しい。
        それに、いい身体をしていますねぇ。
        ……これなら御主人様もお喜びになるでしょう。
        まだ子供みたいな顔付きですが……身体の方は……ククククッ……もう
        大人って感じですねぇ」

        「それで……どうなのよ……? ポイントは付くの……?」

        ここはグッと堪えて……
        こっちの方が大事なことだから……

        「ええ、もちろん。それにしても、あなたもやりますねぇ。
        このまま努力すれば、ストリップだけで食べていけるかも知れませんよ
        ぉ」

        「……クッ……!」

        ……でも良かった。
        死ぬほど恥ずかしい思いをした甲斐があったもの。

        「少しの間、動かないで下さいよぉ」

        下品な笑顔を浮かべながら、副島はわたしの前に立ち塞がった。

        「な、何をする気……?」

        不意を突かれて声が震えたわたしは、悟られないように目を細めた。

        「いえ、有里様の身体を観察しようと思いましてねぇ」

        「身体の……観察……?」

        「ええ。あなたの下着に守られていた女性ならではの部分を観察し、資
        料として残していくんですよぉ」

        そのファイル……?!
        副島が手にしているのは、松山先生によって作られた、わたしの秘密……
        わたしの少女としての記録……

        ……つまり、そういうこと。
        この男はいろんな小道具を持ち出しては、どこまでもわたしを辱めたい
        みたいね。
        どうせこれから嫌というほど汚されるだろうし、これも経験と思って協
        力してあげる。

        ……さあ、見なさい。

        わたしはカメラを見据えて、さらに胸を突き出してあげた。

        「まずは、おっぱいから観察しましょうかぁ」

        わたしの余裕の態度が気に入らないのか、副島はふくらみに顔を近づけ
        ると、両目の視線を舐めるように動かして少しでも恥辱を与えようとし
        た。

        「資料によれば、バストは78とありますが数字通り未発達ですねぇ。
        ただし、ブラを外しても垂れないばかりか上を向いて弾力は充分のよう
        です。乳首は小粒で色は薄紅色……」

        ちょっと意外。もっと酷いことを言うと思ったのに……
        胸の数字には触れて欲しくなかったけど……
        まあ、本当のことだし仕方ないかな。
        このぐらいならまだ大丈夫。
        そうよ。余裕、余裕……

        「次は下腹部ですねぇ……」

        と言うと同時に、副島はわたしの足元にしゃがみこんで下から大切な処
        を覗き上げている。

        「あ、あの……なにを……しているの……?」

        この人がなにをしているのか分かっている……でも、一応聞かないと……
        やっぱり、さっきまでの余裕はどこかに飛んでいってしまったから……

        「なにを……とは……またまた、ツマラナイ質問ですねぇ。
        ……見ればわかるでしょ。有里様のおま〇こを、観察するんですよぉ」

        ……お、おま……!?

        知っていても決して口には出来ない、禁断の単語……
        こんな言葉、人前では絶対にしゃべっちゃいけない……

        ……もう、無理ッ!

        わたしの両足があっという間に閉じ合わさって、ささやかな陰りと割れ
        目の先端以外、完全にブロック……
        そして短い悲鳴を……

        「ヒッ、ヒイィィーッ……!」

        「有里様。暗くておま○こがよく見えません。せめて肩幅くらいにひら
        いてくれませんか?」

        この人……また、おま……って言った!
        そして、恐る恐る視線を下へとずらしていく。

        ニターッ……!

        おぞましい。わたしを見上げる視線ッ!

        「イヤァァァァーッ!  みっ、見ないでぇッ! 見ないでよッ!」

        わたしは1メートルくらい後ずさって、胎児のように身体を丸めて床に
        突っ伏した。

        もう駄目……! 本気でダメ……!
        わたしの覚悟って所詮こんなもの……
        ……今は何も考えられない。

        「あのぉーぅ、有里様……どのような格好をなさろうと、素っ裸の身体
        は隠せませんよぉ。今もほらぁ……」

        副島が液晶モニターを指し示した。

        そこに映る、深い割れ線の入った白い楕円形の物体……
        ……もしかして……お尻?

        わたしは、もう一度悲鳴をあげると部屋の隅に身を寄せた。



        「ううぅぅぅぅッ……ヒック、ヒック……ンッううぅぅぅぅっ……」

        それから10分くらい。顔を壁に押し当てるようにしてわたしは小さい
        子供のように泣き続けた。
        何度か副島の声が聞こえたけど、なに言っているのか分からない。

        ねえ、きみ。
        情けないって思っているでしょ?

        ……そうよ。きみの前では強がっていたけど、いざ男の人の前になると
        全然ダメ。
        ……やっぱり恥ずかしいよ。
        ……だって、あそこを覗かれたんだよ。

        きみだって、性器を他人に見せるのは辛いでしょ。
        でも女の子の場合、それ以上にもっと辛いんだよ。
        わたしも……その女の子……

        もうやめよう……所詮無理だったんだよ。
        きみも……そう思うでしょ?

        …… ……
        ……!……?!
        えっ?……痛ッ?!
        ……どうして叩くのよッ!

        ……わたしに、もう一度挑戦しろって言うの……?
        ……わたしを信じてくれるの……?

        ……うーん。きみって不思議だね。
        なんだか元気が湧いてきて、心が前向きになるんだから。

        ……恥ずかしいけど……もう一度がんばってみようかな。
        ……わたしが決めたことだもんね。

        ありがとう……



        わたしはカメラに向けて頭を下げた。

        「有里の……あそこを見てください」

        そして自分から股をひらいた。

        さっきとは違う。これを乗り越えないと次には進めない。
        さすがにあの単語は言えなかったけど、これで許してくれるかな?

        「おや、随分と殊勝なことですねぇ。
        この10分間であなたの心に何の変化が起きたのかは分かりませんが、
        覚悟を決めてのことでしょうねぇ。
        私もこれが仕事ですから、このまま続けるのが本望ではあります。
        ……ただ、これでは面白くありませんねぇ。
        第一、私のプライドが許しません。
        ここはペナルティーとして、あなたには思いっきり恥ずかしがってもら
        おうと思うのですが、いかがでしょう?」

        副島の目が輝いている。
        まるで好奇心剥き出しの少年のよう。
        女の子の秘密を知りたくて仕方がない。そんな目をしている。
        それでも構わない。

        有里の性器、見せてあげる。

        わたしはカメラに向かって大きくうなづいた。
        あえて内容は聞かない方がいいと思う。
        もし知ってしまったら、もう動けないと思ったから。
        でも、きみの応援がある限りわたしは頑張ってみせるね。

        「ほぉーっ、いい覚悟ですねぇ。
        素っ裸のまま自分から股をひらいて、おまけにもっと辱めて欲しいとは、
        とても18才の少女の言葉とは思えませんねぇ。
        どうやら、有里様は淫乱の素質がおありのようで……
        まあそういうことなら、それに相応しいポーズでもとってもらいましょ
        うかぁ」

        副島は、わたしから少し離れた所に立つと腰を屈めた。
        またさっきみたいに下から覗かれちゃうのかな?

        「両足をひらいたまま、腰を落としなさい。
        背筋を伸ばして、腰を前に突き出してね……ははははっ……」

        わたし、笑われている。
        恥ずかしいのを必死で我慢して惨めなことをしようとしているのに、ど
        うして……どうして笑うの……

        「有里さーん。おま○こ、まだですかぁ。
        それとも、黒ずんでビラビラが外にはみ出しているとかぁ……ふふふふ
        っ……はははははっ……」

        「……ひどい」

        そういう言い方って、ものすごく傷つく。
        ……でも仕方ないかな。
        普通の女の子なら、こんなはしたないことするわけないもの……

        さあ、辛いことは早くしてしまおう。

        わたしはスクワットをするように姿勢を正したまま、ゆっくりヒザを折
        り曲げていった。
        ヒザ頭が大きく外を向いて、太ももが痛いほど左右にひらいている。

        声を聞かせたくないから歯を食い縛っているのに……
        悔しいな。噛みあわせた奥歯がカチカチと鳴ってしまう。

        恥ずかしいよ。死にたいくらい恥ずかしい!
        ……でも、わたしは耐えてみせる。
        目の前できみが応援していると思えば、辛いけど勇気が湧いて来る。

        「こ、これでいいでしょうか……?」

        わたしは激しい羞恥に息を切らせながら、副島を見上げ、その目線を追
        い、まぶたを閉じた。

        「よろしい。しばらくそのままの姿勢でいなさい。
        その間に、あなたの性器を徹底的に調べてあげますからねぇ……ククク
        クッ……」

        さげすむような声が耳に届き、太ももの内側に人の気配を感じた。
        思いっきり見られている……有里の性器……

        「えーっ、大陰唇の色は、やや赤黒いですねぇ。
        恥丘はこんもりと盛り上がって、やや肉厚な感じがします。
        こういうおま○こは感じやすいと言われますから、楽しみですねぇ。
        割れ目も深そうで……残念ながらヒダヒダのはみ出しは無しと……
        それに左右は、ほぼ対称ですね。
        次にクリトリスは……うーん、フードを被っていて中の真珠は確認でき
        ず。
        後は陰毛ですね。
        ……ずばり言えば、恥ずかしいぐらい薄いですねぇ。
        割れ目の先端まで丸見えですよ。
        これなら、おしっこをしても汚れることは無いので、まあいいかもしれ
        ませんねぇ。
        一層のこと、全部剃ってしまえば本当の女の子になれるんですが……
        まあ、毛並みは良しと……色は当然黒色……
        表面上はこんなところでしょうかぁ」

        ……もう、聞かせないでッ!

        誰にも見せたことがなかったのに……
        ここは女の子の大切な場所なのに……

        でも、耳を塞がずじっと耐えた。
        これからもっと恥をかくことになりそうだから、こんなことでわたしは
        負けない。

        「有里様。ついでですから割れ目の中も調べましょうか?
        申し訳御座いませんが、ご自分でひらいてもらえます……?」

        太ももの間からくぐもった声が聞こえる。
        割れ目の中……? 大陰唇をひらいて中を見せろってこと……?

        わたしはカメラにうなづいて、右手でピースサインを作ると割れ目に押
        し当てた。
        そして、わたしのあそこを自分でひらいた。

        「ううぅぅッ……くぅぅぅぅッ……!!」

        思わず声が漏れてしまう。

        でも、わたしは負けるわけにはいかない。
        だから、悔しいとか恥ずかしいとか思ってはダメ。

        ……ほら、副島の解説が始まった。聞かないと……

        「まずはヒダヒダの色から。うーん、どう表現したら……?
        そうですねぇ。私の息子が同じ色をしてたような……もちろん中身です
        よぉ。
        次に小陰唇の長さは……?
        あ、スケールを持ってくるのを忘れました。
        だいだい6センチくらいでしょうかぁ。
        ……ということは、そのぐらいの直径までOKですねぇ。
        後は、ヌレヌレにはなっていないと……残念ですねぇ」

        ……それって、どうなの?

        できれば、標準って言って欲しいな。
        だってわたし……他の人の見たことがないから、わからないもの。

        ……でも、結構ひどい言い方するね。
        6センチのものなんか入れられたら、壊れちゃうよ。

        あれっ、きみは……見ないの……?
        あの人と一緒に覗いても構わないよ。

        ……えっ、嫌なの?
        ……それって、わたしの性器が醜いから?

        ……違う?
        ……相変わらずきみは優しいね。
        ……でも、遠慮はいらないよ。
        今ならあの人も見ていないし……

        ほら、両手を使って中までひらくから……ちゃんと見てよ。
        そう、出来れば、まだ汚されていないあそこを……きみには見て欲しい。
        そして、思い出として記憶して欲しいんだ。

        はっ、早くして……わたしの意識があるうちに……





哀しみのファーストキス























(十一)


八月 十一日 月曜日 午後九時三十分  早野 有里
  


        「そろそろ、ショータイム第二幕を始めましょうかぁ」

        副島の芝居じみたハスキー声が部屋中に響き渡り、わたしはソファーの
        上で仰向けのまま、まぶたをひらいた。

        どうしてわたし、ここで寝ているんだろう。
        ……確か、副島の前で服を脱いで裸になって肌を見られた気がするけど、
        その後のこと……よく覚えていない。

        「有里様、あなたは偉いですねぇ。
        まーさか、ご自分でおま○こをさらけ出してくれるとは……私、副島、
        感服致しました。そのお礼といってはなんですが、今度は私のストリッ
        プショーをお目に掛けたいと思いますので、どうぞご覧のほどを……」

        副島の嫌みたーっぷりの言葉も、それに続く衝撃発言も何か上の空……
        この人なに言ってるの? って感じ……

        ……ストリップ?

        ストリップならわたしがしてあげたでしょ。1枚1枚、色っぽく丁寧に……
        だから今でも裸なの……

        他に誰が……何か変ね。
        あの人……何してるの……?

        ……?
        ……?……?
        ……?……?!……!
        ……て、エーッッッッッッ!!

        今、ズボンを脱がなかった? 続けてワイシャツもぉッ……!?
        ちょっと待ってよぉッ……下着まで……!?

        副島は、わたしの目の前で見せつけるように服を脱いでいく。

        ……いや、これ以上見てはいけない。

        わたしは手のひらで顔を押えて「ヒーッ、な、なにを……してるのッ!」
        って、定番通り叫んだ。

        どうしてかって……?

        わたしが女の子だから……

        あっ、シャツもパンツも脱いでるぅッ……!

        なぜ、分かるのって……?

        そんなの聞かないでよ。好奇心かな……こうきしん!!

        「なぜ、顔を隠すのです……? さあ、しっかり私を見なさい」

        副島はストリップし終えると、わたしと向きあう形で仁王立ちしている。

        「きゃッ、キャアアァァァッ……イヤァァーッ!」

        わたしはもう一度悲鳴を上げながら、指の隙間から目に入る光景に驚き
        と恐怖を感じていた。

        初めて見た男の人の身体……
        服の上からは想像つかない、厚い胸板と引き締まった腹筋……
        そして、見てはいけないと思いながら見てしまった男の下半身……

        あれが男の人の……?

        わたしのモヤモヤと違って、ふさふさとした黒い茂みの中から赤黒い棒
        が天を突くように上を向いている。
        まるで獲物を狙う蛇の鎌首のよう……

        嫌ッ、想像していたものと全然違う。

        ……あれがわたしの中に? ……そんなの、うそでしょ?!

        頭の中が恐ろしい想像を押し付けてきて、下半身を勝手に強張らせてし
        まう。
        せっかく残っていた僅かな希望が小さな氷のカケラのように溶けていく。

        「有里様、何を怯えているのですぅ。怖がる事なんてありません。
        ……さあ、私の息子を見て下さい」

        この人、そんなことを言って恥ずかしくないの? 
        それとも興奮してるから……?
        どうしたらいいのよ。

        わたしは顔を覆ったまま必死にあとずさって、壁に背中を押し付けてい
        た。
        一方副島は、一歩一歩ゾンビのように間を詰めていく。

        「もう逃げられませんよぉ。さあ、挨拶の口づけを……」

        なんで突然キスなのよ! さっきと言っていることが違うじゃないッ!

        逃れようとするわたしの肩が掴まれ、身体ごと抱き寄せられる。

        「ちょっと待って……! まだ、気持ちの整理が……お願い……」

        でも言うことを聞いてくれそうもない。
        その証拠に、両手は封じられ男の唇がわたしの目の前に……

        ……これがファーストキス?
        もっと夢のような甘い世界だと思っていたのに……

        でも現実は……ポニーテールを引っ張られ、あごを突き出す惨めな姿。
        そして唇がわたしの唇を奪った!

        ムニュッ!……ムニュゥッ!……ムニュ、ムニュ……

        「むぅぅぅッ、ううぅぅッ……むうぅぅぅぅぅッ!」

        声が出せないし息も苦しい。
        そして、この人の鼻息がホッペタからオデコに容赦なく降り掛かかって
        くる。

        わたしは抵抗しようと、言葉にならないくぐもった悲鳴をあげ続けた。

        ……でも、これが失敗。

        レロッ、れろっ、レロッ……ジュプッ、レロッ……レロッ、れろっ……

        副島の舌が前歯の隙間をこじ開け、わたしの舌に絡みつき唾液を流し込
        んでくる。

        ……気持ち悪い。許してよ……

        でも、叫んでも出てくるのは悲しい呻き声だけ……
        その間も、わたしの口の中は副島の舌に玩具みたいに扱われた。

        前歯から奥歯まで虫歯の検査のように舌先が叩いたかと思えば、歯茎の
        内側を右から左、左から右へと好きなように撫でられこすられる。
        わたしは歯医者さんが嫌いなの。だから出ていってと、叫びたいけど……
        副島の舌に声まで押し返される。

        これじゃ、まるで未来のわたし……

        処女だった舌は犯されて嬲られて……更に大量の唾液が追加みたいに送
        り込まれて……
        気持ち悪くて吐き出しそうで……混ざり合ってどちらの唾液か分からな
        いものが、口一杯に溜まっていって……
        このままだと唇から溢れていく……

        「うぐゥゥゥッ、ぐぐぅぅッ……むぐぅぅぅぅぅッ!……」

        今出来ることは辛いけどこれだけ……

        わたしは瞳を閉じて喉をかすかに鳴らした。

        「ゴクッ」と、はかない響きを残して、副島とわたしの体液が口の中か
        ら消えていく。

        ファーストキスは甘酸っぱいレモンの味……

        このフレーズを話せない口で何度も唱えた。
        そして、やるせない思いを胸の内でつぶやいた。

        (さようなら……わたしのファーストキス……)

        「うげぇっ、ごほぉっ、ごほっ……うっぐっ、はあ、はぁ……」

        口の端から溢れた白いあわ粒の液体が、ダラダラと流れ落ちてくる。
        わたしは、男の目を気にしながら少しでも新鮮な空気を吸いこもうと鼻
        腔を大きくひらいた。

        「私とのキスは有里様の大切な想いでとして、いつまでも残して下さい
        ねぇ」

        副島は、キャビネットの引き出しから何かを取り出しながら話し掛けて
        きた。

        こう言う人って……本当に空気が読めないのか?
        それとも、わざと怒らそうとして言っているのか?

        ……きみはどっちだと思う?

        こんな状況で有里も余裕だねって……?

        本当にそう見える? 
        ……だったら、きみを殴っていいかな。

        ちょっとは、わたしの気持ちを察してよッ!



        「有里様。これ、何だか分かりますぅ……?」

        わたしがファーストキスの衝撃から立ち直れないのを知っていながら、
        副島は悪戯っぽい笑みを浮かべた。

        こういう場合は、期待しないで男の手に持つ物を見てあげる。

        ほらね、次は何をされるのか大体分かってしまった。
        だから先手を打って言ってあげた。「縛るのね」って……

        見てよ。副島の以外そうな顔……
        さっきの恨みが晴らせたみたいで、気持ちいいよね。
        わたしだって、こんな場面で束になったロープが出てくればわかるわよ。

        それで何をするのって……?

        ……決まっているでしょ。SMよエスエムッ!

        男の人がロープで縛った女の人を鞭とローソクで苛めるのよ。
        わたし、写真で見たことが有るんだから。

        今からそれをするのかって……?

        ……そんなこと……あるわけないでしょ!
        ……だって怖いし、痛そうだし……ちょっと経験するのは早いと思うし
        ……

        「有里様、そんなに顔を赤くしてなにを想像しておられるのですかぁ?
        ふふふっ……あなたが思い浮かべているものと違うかもしれませんが、
        落胆しないでくださいねぇ。
        残念ながら、今回は両腕を拘束するだけなのであしからず……」

        わたしがなにか期待しているとでも……
        馬鹿にしないで欲しいわ。
        ……でも、ちょっと安心したりするけど。

        「それで、どうすればいいの……?」

        わたしは副島の指示に従い、両手を後ろに回し腰のあたりで手首を重ね
        合わせた。

        シュルッ、シュルル……シュル……シュルル……

        肌に食い込む縄の感覚とロープのこすれる音に、思わず身震いさせられ
        る。

        「うっ、きつーいッ……少し……緩めて下さい」

        「だめですよぉ、それではぜーんぜん意味がありません。
        少しは我慢して下さーい」

        こんなバカバカしいやり取りの後、わたしは時代劇の罪人のようにモニ
        ターの前に立たされた。

        ……これが……わたし?

        全裸の身体を後ろ手に縛られて頼りなさそうに腰を引いた姿で、胸だけ
        を強調するように前に突き出している。

        ……こんな惨めな姿を見ていると本当に自分が罪を犯した罪人のように
        思えて、モニターから顔をそむけた。

        「有里様、そんなにおっぱいを突き出して恥ずかしくないですか? 
        それとも、私に早く気持ちよくしてもらいたいとか……」

        いるのよね、こういう嫌味な人って……
        だから言い返した。

        「あなたって、本当に最低ッ! あなたがそう思うなら……やればいい
        じゃない。わたしは負けないんだから……!」

        そうよ、負けない。

        ……でも、威勢のいい言葉とは逆さまに胸の中に重りがぶら下がってい
        るようで、気持ちがマイナス方向にどんどん傾いていく。

        何とかしないと……

        焦るわたしが出した結論は「さあ、早くしてください……!」
        男に催促することだった……



絶頂























(十二)


八月 十一日 月曜日 午後九時四十五分  早野 有里
  


        5分後、わたしは副島に向かい合うようにソファーに座らされていた。

        でも、こんな座り方……お父さんが見たらきっと怒るだろうな。
        年頃の娘がはしたない。足を閉じなさいッ!って……

        わたしも、こんな格好いやだよ。

        背もたれに身体をを押し付けて、両足をいっぱいにひらかされて、あそ
        この中まで男の目にさらすなんて……
        死んでしまいたいくらい恥ずかしい。

        「さっそく感度調査とまいりましょうか。ねえ有里様」

        わたしは、怖くて仕方ないのに強気を装ってじっと前を向いた。

        胸とあそこ……どっちを触られるの?

        できれば……ふくらみを包み込むように優しく触れて欲しいな。
        ……ささやかな希望だけどね。

        ……でも、そうはいかないみたい。

        「イッ、イヤッ……ひいぃぃぃぃぃぃぃぃっ、そこはッ……ダメぇッ!」

        突然、デリケートな処から強い電流が流れた。
        わたしは甲高い悲しい声で鳴かされて、背中を湾曲するように大きくし
        ならせた。

        いきなりクリトリスなんて……ひどい……

        そこはものすごく感じやすいんだよ。
        最初くらいもっと優しくして欲しいのに……

        「これは失礼……あなたのお豆ちゃんが卑猥な顔をしているもので、つ
        い……」

        お豆って……いやらしいッ!
        それにいつまで……あぁっ、また電流がはしるぅッ……!

        「ハウゥゥゥッ! くぅぅぅぅぅぅぅぅッ……許してッ……うぅぅぅっ
        ……」

        指のお腹がクリトリスの頭を撫でて……イヤァッ、摘まれたッ!

        副島は、わたしの両足の間に身体を滑り込ませて座席部分に上半身を密
        着させている。

        ……つまり、足の抵抗も封じられたってこと……?

        「おやぁ、皮のフードが脱げかかっていますねぇ。
        暑いでしょうから剥いて差し上げましょう」

        「ヒイィィーッ。これ以上、クリトリスに触らないでッ! 許して……」

        ズキンッ! ズキン!って、頭まで一直線に電気が走る。
        ……助けて! 許して!……そうでないと、あそこが……熱を帯び始め
        てる。

        わたしは悶えさせられながら、ひたすら冷静さを取り戻そうと詰まり詰
        まり呼吸を繰り返した。

        「有里様の未熟な林檎を熟させましょうね」

        下から声がしたと同時に、今度は胸に激痛が走った。
        副島の指がわたしの乳房を鷲掴みにして、お餅じゃないのに……丸めて
        揉んだ。

        「いっ、痛いッ! もっと優しく……お願い……」

        ここは発育途上なの…… あなたのやり方はただ痛いだけ……

        叫びたいけど叫べない。
        ……言葉が途切れ途切れになってしまう。

        「なーに言ってるんですかぁ。未熟な林檎をどうしようが、私の勝手で
        す。まだまだいきますよぉ。それぇっ……!」

        「はうぅぅッ、ううぅぅッ、わ、私の……胸は、り、りんごでは……あ
        りません、くぅぅぅぅぅッ……!」

        白い肉が指の隙間から押し出された風船のようにこぼれて、噛みしめた
        歯の隙間から悔しいけど悲鳴が漏れてしまう。

        「かなり辛そうですねぇ。おっぱいは痛いですかぁ……?」

        わたしはうんうんとうなづいた。

        「それなら鞭の後は飴といきますかぁ。その代わり、いい声で鳴いてく
        ださいねぇー」

        副島の指が恥ずかしい繊毛の先でもぞもぞと動いた。

        「やっ、ダメェェェェッ……指を抜いて……ひっ……ヒイィィィィィィ
        ィィッ!」

        言葉通りわたしは鳴かされ背中をピンとのけぞらされ、あそこが切ない
        道具に変えられていく。

        「有里様のおま○こ……暖かくて気持ちいいですよぉ。
        お礼に、ヒダヒダを掻いてあげましょうねぇ」

        「あひィィィッ……ヒィィィィーッ……!」

        あごを突き出して喉元まで露わにして、刺激を受け流そうとしたけど……
        もう、だめ……

        「どうやら感度はいいようですねぇ。
        ついでですから、有里様を絶頂まで導いて差し上げましょうかぁ……?」

        わたしは、首を左右にブンブンと振った。

        「いえ、遠慮はいりません。それに……ほらぁ……」

        目の前に突き出された2本の指先……
        照明の下でテカテカと反射して、指どおしが離れると細い糸を何本も引
        いて……
        わたしは悔しくて悲しくて……顔を横に向けた。

        「やれるものなら……やってみなさいよ……」

        全然迫力はないけど、一応、言っておいた。
        ……これって、勝気なわたしの意地かもしれない。

        ぐちゅっ、ぐちゅっ……ぐちゅっ、ぐちゅっ……ぐちゅっ、ぐちゅっ……

        「うッくぅぅっ……くぅぅぅっ……んんッッッッ」

        噛みしめた前歯から、苦悶? な呻き声が漏れて……
        ロープに縛られた手首を痛みを無視するようにこすり合せた。

        「乳首とクリトリス、それに肉ヒダを引っ掻いているんですよぉ。
        有里様、さぁ我慢なさらずに……あまーぃ声で天国におイキなさい」

        痺れて甘くてゴチャゴチャの刺激が、肌の表面を掻きむしるように駆け
        巡っている。

        こんなのッ、こんなものッて、堪えようとしたけど……
        もうどこが性感なのか、区別もつかないくらい気持ちよくなってくる。

        わたしに意地があるなら、この人にもあったみたい。

        ぐしゅ、じゅちゅっ、ぐしゅ、じゅちゅっ、ぐしゅ、じゅちゅっ、ぐし
        ゅ、じゅちゅっ……

        「だっ、ダメぇぇッ!……そんなぁ、きつく……ふあぁぁぁっ……」

        「今のは……甘い吐息というやつですか。さぁ、もっとお出しなさい」

        「はあぁぁ、ああぁぁぁっ……ひどいっ、こんなことされたら……誰だ
        ってぇ……はあぁぁぁぁっ」

        乳首とクリトリスを同時に撫でらている。
        今度は爪先で……

        コリッ、ススッ、コリッ、コリッ……

        こんな気持ち生まれて初めて……
        オッパイやクリトリスがこんなに気持ちよく感じるなんて……
        それに、いやらしいお汁がさっきから「チュプッチュプッ」て水音を立
        てている。

        「もっと自分に素直になりなさい。ほらぁ、太ももやツマ先が痙攣した
        みたいに伸びたり縮んだりしているのが、あなたにも分かるでしょ」

        「はうんんっ……ふぁっ、あぁぁぁぁっ、そんなぁぁっ、いいぃぃぃぃ
        ぃぃっ!」

        早くイカセテ……早く楽にして……
        わたしは甘い吐息にまぎれさせてこっそり叫んでいた。

        「もう少しですよぉ。頂上が見えてきたでしょ。
        さあ、気にせずにイキなさい。生娘最後の絶頂を……私に見せて下さい」

        わたしは今、オナニーをしているの。
        拘束された両手に代わって、副島の指が勝手に快感を運んできてくれる。

        乳首を弾かれて……クリトリスをノックするように叩かれて……
        割れ目に沿うように、カギになった指先がデリケートな内壁を引っ掻いて……
        わたしがするより、全然……気持ちいい。

        「はあぁぁぁぁんっ!……ンハッ、いいぃぃぃっ、かっ、感じるぅぅぅ
        っっっっ……ふあぁぁぁっ!」

        わたし、気が付いたらあそこを突き出していた。
        おまけに両足をこの人の腰に絡めて、ハシタナイ……でも止められない。

        後もう少しだから……

        わたし小声で叫んだ気がする。「イ……カ……セ……テ……」と……

        副島は、うんとうなづいてから口をひらいた。「ようこそ、天国へ……」と……
        そして軽蔑するように笑いながら、膣の入り口に指を突き立てた。

        ヌチュッ、ぬちゅっ、ヌチュッ、ぬちゅっ、ヌチュッ、ぬちゅっ、ヌチ
        ュッ、ぬちゅぅッ!

        「あっ、あっ、あっ、ぁぁぁぁぁッ……イクッ、イクッ、イクッぅぅぅ
        ぅぅぅぅぅッ……!!」

        わたしは満足そうな笑みを浮かべた。
        そして、甘い声で絶叫しながら身体を何度も仰け反らせて、両足をピン
        と引き伸ばした。

        一瞬、目の前が白くなる……
        キューッと、あそこが締まって力が抜けていく……

        それから、うーん、それから……なにが起きたか……覚えていない……
        やっぱり……わたしのするオナニーより……ぜんぜん良かった……

        後は……?
        ……ちょっと思い出した。

        わたしは……思いっきり叫んでた。
        でも、その声は聞き取れないし……聞こえない。

        わたし……変なこと……しゃべってないよね。
        ……他に、なにかあったかな?
        ……あ、そうだ……

        なんだか……ふわふわした風船の中で……あそこから溢れ出したお汁が
        お尻に引っ付いて……気持悪かった……
        後は……忘れた……



        「はあぁぁっ、はぁーっ……はあぁぁっ、はぁーっ……」

        わたしは、仰向けのまま胸のふくらみを上下させてソファーに横たわっ
        ていた。
        だらしなくひらいた太ももが、激しい運動をした後のようにピクリピク
        リと痙攣を繰り返している。

        おでこに浮かぶ大粒の汗と乱れて張り付いた黒髪……
        潤んだ瞳に半開きのくちびる……それに風呂上がりのような桜色の肌……

        でも……今は何も聞かないで……お願い……
        そして、わたしの気持ちに……何も言わずに寄り添って欲しいの……
        きみが傍にいるだけで、失いかけた希望と勇気が復活する気がする……
        ふたりで一緒に……最後の試練を乗り越えましょ。




さよなら バージン























(十三)


八月 十一日 月曜日 午後十時  早野 有里
  


        「天国に登った気分はいかがでしたかぁ?  随分とはしたなく、お乱れに
        なりましたが……
        では、そろそろ次のステージへ参りましょうかぁ」

        副島は三つ目の行為の主役を紹介しようと、下品に腰を振り第三幕の開
        始を宣言した。

        「では今日のメインディッシュ……早野有里の処女喪失ショーをご覧下
        さい」

        わたしは火照った肌をいたわるように、ゆっくりと身体を起こすとカメ
        ラを見つめた。

        随分と品の無い紹介……
        ハイライトらしい表現って出来ないのかしら……
        ここが一番の見せ場なんだよ。
        もっと、こう……
        可憐な美少女有里の、世紀の初体験ショーとか……

        ちょっとニュアンスが違うって……?
        いいのよ。
        こっちの方が夢があるの。
        わたしの大切なものを捧げるんだから、せめて見出しだけでもね。
        それに……ううん、なんでもない。

        わたしはモニターを見るふりをしながら、黒目を左右に走らせた。

        ……長さは……15センチくらい……? 
        ……太さは……大したことない……あれは見掛け倒しよ。
        でも……始めてはやっぱり痛いのかな……?
        聞いた話だと、指のつけ根を思いっきり引き裂かれる感じとか……

        …… ……!
        いやだ、思い出すんじゃなかった。

        一層のこと、可愛らしくお願いしてみようかな……
        初めてなので優しくして下さいって……
        そうしたらどんな顔するだろう……この人……

        「いいですねぇ、その虚ろな表情。ゾクゾクしますねぇ。
        有里様の今の気持ちを当ててみましょうかぁ……?
        処女を失うことに後悔している……どうですか……?」

        なにを自慢したいのか、腰のアレを意味もなく揺らして、副島はツマラ
        ナイことを聞いてきた。

        「……ちょっと外れてる」

        バカバカしい態度の質問には、一言クールに……
        男の人って……案外単純ね。

        でも……虚ろな気持ちは確かだし、今がチャンスかもしれない。
        心を霞が覆っているうちに……さあ、処女喪失といきますか!

        わたしは、お尻をもぞもぞ動かして座り直すとソファーに背中を密着さ
        せた。
        そして、立てひざのまま両足をひらいていった。

        「するなら、さぁ……早く……して下さい……!」

        これってM字開脚っていうんでしょ。
        ……大胆よね。

        でもわたし……いやらしい液で汚れた性器を丸出しにして、なにも感じ
        なくなっている。

        それどころか、副島の視線があそこに集中しているのになんだか誇らし
        い気分。
        さあ、見たいなら見なさいって……そんな感じ……

        「ほぉーぉっ、驚きました。覚悟は出来ているようですねぇ。
        まさか、ご自分から股をお開きになるとは……。
        それでは、ご要望にお応えしないわけにはまいりませんねぇ。
        では、せいぜい残り少ない生娘の時間をお楽しみください……クククク
        ッ……」

        副島の両腕が腰に回され、わたしの下腹部が座席の先端までグッと引き
        出された。
        そして、ひざ裏に手を当てると肩近くまで高々と押し上げていく。

        「くっ、苦しいッ……」

        わたし、身体は柔らかい方だけど、さすがにこの態勢はきついよね。
        胸が圧迫されて呼吸が苦しいし、ひざ裏の腱も限界まで引っ張られてい
        る。

        それに……さっきの誇らしい感覚はやっぱり勘違いみたい……
        こんなのメチャクチャ……恥ずかしいわよっ……!

        ……だって。
        副島の息が、すーっとあそこを撫でてるんだよ。

        「せっかく開発してあげたのに、また閉じちゃいましたねぇ。
        まあ、無毛の恥丘に一本の割れ目……幼女っぽくて私は好きですよぉ。
        薄い恥毛に感謝しなくてはなりませんねぇ。
        ……ただ、このエッチな汁は余計ですよ。
        これのせいで淫らなおま○こに見えてしまう……残念ですぅ」

        ……やっぱり。思いっきり見られている。
        それに何よ……
        あなたの好みなんて、わたしには関係ないじゃない。

        悔しいけどもう1回催促してこんなの早く終わらせないと……辛くて我
        慢できない。

        「さあ、何してるのよ。わたしの処女を奪うんでしょ……!」

        目を細めて、フンッと鼻を鳴らして……余裕って顔で……それなのにお
        でこから汗がツーッと流れた。

        「いい覚悟です」

        副島のアレがピクンと脅すように反り返り、狙いを定めた。
        先端から滑りのある液体を涎のように垂らして……

        あれが……わたしのあそこに……?

        ガタガタと肩が震えて目をそらしてしまう。

        でも、負けたくないよね……あんなの何ともない。
        ……そうよ。女の子ならみんな経験するんだから。

        痛いのは最初だけ……
        大きそうに見えるけど、あんなの肉の塊……見掛け倒しに決まってるわ。
        大丈夫よ有里。さあ、前を向いて……

        わたしは、心の声の後押しで前を見続けた。

        「ものすごぉーく、痛いですよぉ」

        ものすごぉーく余計な一言を残して、副島の身体が前傾姿勢になる。
        ……腰が前に突き出される。
        涎を垂らした肉の棒が割れ目の入り口をこじ開けた。

        つぷっ……!

        「グッ、アグッ……うッ、くッ……!」

        ビクンと身体が跳ねて、膣が急速に強張ってくるのがはっきり分かる。
        でも……逃げないから……腰も引かないから……

        わたしは揺らいだ視界のまま、副島の背中越しにカメラのレンズを睨ん
        でいた。

        今から、目の前の男に処女を奪われる。
        悔しいけど仕方ないと思っている。
        ……でもね。
        カメラの映像を見ているだけの人は、この肌に触れることさえできない
        でしょ。
        ……もっと悔しいでしょうね。
        ……そこでじっと見ていなさい。
        わたしは絶対に、あなたたちに……負けないから……!

        息が乱れて胸の鼓動がこれでもっていうくらいに早くなって……あそこ
        の神経もいやというほど過敏になっている。

        ……まだ、そんなに痛くない。
        ……でも、痛いのは、きっとこれから。
        ……やだ、ひざが震えてきた。

        「有里様にとって一生に一度の大切な思い出を、この副島がムチャクチ
        ャにしてあげますからねぇ……ははははっ……」

        副島は人でなしの言葉を残すと、アレの位置を固定しグッと腰を押し出
        した。
        「ヌチャッ」て、恥ずかしい音がして割れ目の中に先端が沈む。

        「アァッ、んんんぐぅぅぅっ……はうぅぅッ……!」

        痛さよりも大切な処を壊される恐怖に声を上げそうで、歯を食いしばっ
        て眉間にシワを寄せて必死で堪えた。
        この人を喜ばせるような哀しい声は出したくない。

        「そそりますねぇ。その表情……」

        副島は、声を上ずらせながら太い杭を更に沈めた。

        ズズッ……ズズズッ……!!

        1秒2秒がとんでもなく長い時間に変わり、鈍い嫌な痛みがじわじわと
        膣から下腹部へと拡大していく。

        見せたくない涙が、ほっぺたを伝い上唇をかすめて……
        それに気が付いた副島は一言つぶやいた。

        「もっと嬉し涙を流させてあげますよ」

        意味はわかっていたし、身体が直ぐに教えてくれた。

        ……処女膜が……破られるッ!

        ズズッ……ズブッ……ズズッ……ズブッ……!!

        そして、肉を切り裂くような激痛が脳天まで突き上げてくる。

        「ンアァァァァァァッ、いっ、痛ッ!……あうぅぅぅぅぅぅッ……」

        くちびるを血が滲むほど噛んでも、前歯を思いっきり噛みしめても、生
        まれて初めて経験する激しくて哀しい痛みに心までぼろぼろに切り裂か
        れそうになる。

        わたしの処女ッ! わたしのヴァージンが……消えて亡くなる……

        「うッ、うぅぅぅぅぅぅッ!!……アグッッッッッッッ……グッ…クッ
        ッッッッッッ……!!」

        まるで獣のような呻き声。
        わたしの身体の中を太い男のアレが、ミシミシと音を立てながら突き進
        んでいく。

        ぷちっ、プチッ!……ぷちっ、プチッ!……

        処女膜を切り裂く音が心のどこかで聞こえた。

        さようなら……わたしのヴァージン……

        副島は顔を狂気で満たしながら腰を突き出し、トドメを刺そうとわたし
        の背中を手前に引き寄せた。

        ズブッ、ズズッ……ズズッ、ズブッ……ブチィッ!!

        「ヒギッッッッッッッッッッッッ!! いっ、痛イィィィィィィッ……
        ヒグッッッッッ、あぐっっっっっっっ……!!」

        聞くに堪えない絶叫に近い悲鳴……
        男のアレが根元まで埋没し、裂けた股間から鮮血と淫水が滴り落ちてい
        く。

        わたしの……有里の心のヒトカケラが……どこかへ飛んでいく。

        「うぅぅぅぅぅっ、ングッッッッッ!!……はぁッ……グゥッッッッッ
        ッ!!」

        穴の壁を刃物で削り取る痛さに、言葉にならない呻き声があがる。

        「見なさいッ! 有里様の処女喪失の瞬間ですよぉ! 
        初体験の気分は……いかがですかぁ……?」

        副島は愉快そうだった。

        わたしの苦しむ顔、姿が、嬉しくてたまらないのだろう。
        もっと苦しんでくれと……

        でもね……こんなことぐらいで、わたしの心は折れないから……
        わたしの心を……舐めないでよッ!!



セックスって気持ちいい?!























(十四)


八月 十一日 月曜日 午後十時十五分  早野 有里
   

 
        「ンクゥゥッ、はっ……はぁッ……」

        わたしは、あそこに男のものを飲み込んだまま、口を半開きにして荒い
        呼吸を繰り返した。

        少しでも切り裂かれた粘膜の痛みを和らげたかった。
        中からジンジンと痛みが湧き出してくる。

        悔しいけど、見掛け倒しの肉の塊じゃなかったみたい。

        「私の息子は美味しいですかぁ……?
        だからといって、いつまでもくわえているだけては困りますねぇ。
        これからが、なんといっても本番なんですから……
        ……そうですねぇ。あなたのおま○こで息子の精子を絞り出せば、今日
        の行為を終わりにしてあげます。まあせいぜい頑張ってくわえてくだ
        さい」

        これからが本番……
        そうよ。わたしもこれで終わらないことくらい……わかっている。

        でもね……言い方ってものがあるでしょ。
        あなたの息子は、わたし大っきらいなんだから……

        「また、鳴いてくれますか……?」

        残酷の声が空から降って来て、身体を切り裂く激痛があそこに襲いか
        かる。
        「はッ!」って、わけの分からない気合いを付けて、副島は腰を一気に
        引きそして一気に突き出した。

        一瞬姿を現した肉の棒は、赤い液に染まり飛び散る液もやっぱり赤
        い。

        「ひいぃぃぃぃぃぃッ! もっ、もう少しッ……待ってッ……ンンッッ
        ッッ……」

        せめて初めてくらい優しくして欲しいのに……
        わたしの泣き顔を眺めながら、副島は何度も何度もあそこに突き刺し
        てくる。

        ……中の皮が削り取られていく……!
        あそこがメチャクチャにされる……

        目の前で充血した赤いヒダがまくれ上がって、すぐに穴の中へ飲み込
        まれていく。

        「ハウゥゥゥッ、壊れるッ! ううっぐ、あッ、あそこが……こわれる
        ぅぅぅッ!」

        あそこの中が火傷しているみたいにヒリヒリする。
        わたしは、逃れようのない恐怖に目を思いっきりひらいて悲鳴を上げ
        た。

        「早く慣れて下さい。痛みも後で振り返れば楽しーい思い出です。
        直にいやらしく鳴ける身体にして差し上げますからぁ。はははっ……」

        「うぐぅッ……こんな痛みが……ううぅッ、慣れるなんて……あるわけ
        ない……くぅぅぅぅぅぅぅッ!」

        強気の言葉もただの負け惜しみ。
        わたしに出来ることって、上下して突き刺すアレをただ受け止めるだ
        け……

        「ペースを上げますよぉ! 有里様のおま○こで、私の精液をこし取
        ってみなさい。そうでないと、いつまで経っても終わりませんからねぇ」

        腰の動きが、荒くダイナミックに変化した。
        突き出しては引き出し、わたしの膣の中で好き勝手に暴れ回っている。

        「んあぁぁぁぁぁっ、うぐッ……ハァァァン、だめぇッ!」

        なんなの今の声? まさかわたしの声……?

        辛い呼吸に紛れ込んだ甘い吐息。
        気が付けば腰の奥にジンとした疼きが広がっている。

        男の言葉は嘘じゃなかった……?

        ぬちゃっ、ぬちゅっ……ぬちゃっ、ぬちゅっ……

        「あんっ……うんっ……はぁんっ……」

        わたしの身体……何か変……?

        痛い刺激に甘く切ないものが混ざってくる。
        嫌なのに……辛いのに……またイクことを強要されるの……?

        「私の予言は当たったみたいですねぇ。
        あなたみたいな子供、どうにでも……ククククッ……」

        「ば、ばかにしないでぇっ! あ、あなたなんかぁ……あっ、いやぁん
        ッ……ヒッ、ひいぃぃぃぃぃぃッ……!」

        卑怯よ。こんなときにクリトリスをいじるなんて……
        この人、わざと敏感な処を刺激しているんだ。

        「今日のあなたはラッキーですねぇ。この私自らのサービスを、こんな
        に受けられるとは……ふふふふっ……感謝して鳴きなさい」

        「あっ、あっ、あぁぁぁんッ……そ、そんなッ……激しいぃぃッ!……
        んぅぅぅぅぅッ」

        「そうです。もっともっと感じて……
        淫らに堕ちていく姿を私に見せて下さいッ……!」

        副島はヒザ裏から手を離すと、わたしの腰をしっかり抱え込み激し
        く腰を揺らした。
        反り返った堅い肉の棒がわたしの膣の壁をえぐるように、何度も何度
        も往復していじめた。

        ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬちゅっ、ぬちゃっ、ぬち
        ゅっ、ぬちゃっ……

        「はうぅぅぅぅっ、だ、だめぇぇぇっ……! あそこがッ……あついの
        ぉっ」

        だめ、頭を何度も激しく振ったのに……
        気持ちよすぎて、快感が……広がってきて止められない。

        心が……淫ら色に染まっていく。
        このままじゃわたし……変になっちゃう。

        「抵抗しても無駄ですよぉ。既に、あなたのおま○こは息子の虜です。
        痛みなんて全然感じないでしょう。ほぉら、こっちはどうですぅ」

        「ひぁぁぁぁぁっ、お、オッパイは……ダメェェェェェッ……!」

        いつのまに……
        乳房が手のひらで覆われてムニムニと揉まれて、乳首をひねられた。

        ……わたしの乳首……固くなってる。
        うそっ、今度は爪を立てられたッ!

        ……もうだめ。
        全身が燃えるように熱い。

        毛穴中から汗が吹き出して副島が腕を滑らせた。

        「手の掛るお嬢さんだ」

        副島は腰に回した手をソファーの背もたれに持ち替える。

        「これで安定しました。派手に突かせてもらいますよぉ」

        男の上半身が近くなり遠くなる。
        男の腰に合わせてわたしも腰をリズムよく振っていた。

        ぬちゃっ、じゅちゅっ、ぬちゃっ、じゅちゅっ、ぬちゃっ、じゅちゅっ、
        ぬちゃっ、じゅちゅっ……

        「いやぁんっ、はうぅぅぅんっ、わたしじゃなくなるぅぅッ!……はぁ
        ぁぁっ」

        セックスってこんなに気持ちいいんだ。
        こんことなら、もっと早く誰かと経験すればよかったかな。

        身体が……快感の波の中でふわふわして、心が溶けて無くなりそう。
        ほら、あそこから流れ出したお汁が、太ももを伝ってお尻の下に水た
        まりを作っている。

        ……こんなになってるんだ。
        なんだか恥ずかしい。

        「ふっ、もう少しです。いいですよぉッ!」

        腰が振り子みたいに高く持ち上がって、大胆なフォームでわたしのあそ
        こに打ち込まれていく。

        ちょっと馴れてきたのかな……?
        それとも膣が敏感だから……?

        わたしに突き刺さる肉の棒が、一回り太くなって堅くなった気がする。
        そして、副島の顔に理性を失った笑みだけが漂っていることに不安を
        覚えた。

        …… ……?!
        ……まさか!

        頭の中を悪夢のシーンがよぎった。
        冷水を頭から浴びせられた気がして、快楽に遊ばれていた精神が意識
        を取り戻し始めた。

        赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃんっ……?!

        この年で、未婚の母になってたまるもんですか。
        ……快楽の悪魔さんには、出て行ってもらうことにする。

        副島の腰が高々と掲げられて、照明の下で巨大なシルエットになる。
        その中心で鈍く光る蛇の鎌首がトドメをさそうと照準を合わせた。

        ダメッ! 中に出さないでッ! ……妊娠しちゃうッ!

        わたしは、動かない両手に代わって必死で両足をバタつかせた。
        偶然なのか、カカトが、腰を引き出し無防備な副島の脇腹にグイッと
        食い込んだ。

        その瞬間、何が起きたか分からずに顔をしかめる副島のあごを、わたし
        の頭がアッパーカットのように突き上げた。
        ゴツンッと、前頭葉に鈍い痛みが走って、思わずのけ反っていく副島の
        上半身が目に飛び込んでくる。

        ……今よッ!!

        俊敏な動きで男の下をかい潜って、身体を横に一気にスライドさせる。
        視界に光が差した。
        ……助かったの?

        「あッ……くそぉッ……!」

        副島の無念そうな声にわたしは上を向いた。
        獲物を取り逃がして寂しく宙を彷徨う肉の棒に限界がきたみたい。

        「ああっ……出るぅッ……」

        どぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ、どぴゅーッ……!

        落胆した惨めな呻き声を残して、膨張した肉の棒は白い液を空から撒
        き散らした。
        目標を見失ったように精液は、放物線を描きながらソファーを、わた
        しの肌を、満面なく点々と跡を残して降り注いだ。

        「はあっ、はあぁっ……はぁ……はあ……」

        わたしは赤く染まった乳房を大きく上下させながら、荒い呼吸を落
        ち着かせようとした。
        うつむくと、肌を白い斑点が線を引いて垂れている。

        赤い手形の跡がくっきり残る、わたしのオッパイ……
        副島の責めを一身に引き受けて、乙女の象徴も失ったわたしの秘所……
        そして、引き締まった自慢の美脚も……
        みんなみんな、その至る所に男の精液がべっとりと付着して白い肌
        を汚していた。