(4) コロコロコロ……
僕は白々しくボールペンを床に落とした。
それは弾みをつけて転がり、奈菜の後ろあたりで止まった。
「悪い、磯山さん。ボールペンを落としちゃったんだ。拾ってくれない
かな?」
同時に念波も送る。
(ほら、中山君が、あやめちゃんのためにチャンスをくれたよ。
ボールペンを拾う振りをして、大好きな朝原君にパンティを穿いていな
いお尻を見せてあげようよ。
腰をくの字に曲げて、ついでに紅い狭間のお肉もね)
「はあ……ああぁぁっ……」
張り詰めた精神の糸がプツリと切れる音がした。
ふらふらとあやめが席を離れた。
みんなの視線が集中する中で、現実逃避した夢遊病みたいな顔付きで、
転がったボールペンの前に立つ。
さすがに鈍感な朝原も、羞恥に身を固めていた奈菜も、周囲の異様なざ
わめきに気が付いたみたい。
ふたりの視線も、あやめに注がれる。
「ボールペンを拾わないと……」
抑揚のない声でそう呟いたあやめは、唖然とする朝原に背中を向ける。
そのまま、柔軟な肢体を見せつけるように腰を折り曲げていく。
もちろん、ひざを折り曲げたりしない。
右手だけをピンと伸ばして、スカートが大きく捲りあげられるのもその
ままにして、お尻を朝原の前に突き出した。
「磯山さん……そ、その格好?!」
「あ、あやめ。なんなのよ! アナタっ、パンツ穿いてないの?!」
ふたりが驚きの声を上げて、僕はほくそ笑みながら念波を送った。
(いいよあやめちゃん。君の白くて可愛いお尻に朝原君、ものすごく感
動しているみたい。
ついでだから、彼をもっと悦ばせてあげようよ。
ほら、そのままの姿勢で両足を拡げて。あやめの恥ずかしい割れ目も見
せちゃおうよ)
「あやめの恥ずかしい割れ目? ……んんっ」
白い上履きが超スローで左右に離れていく。
丸いお尻を小高い山のように突き出したまま、次第に女の子の狭間が露
になっていく。
「くぅぅぅっ、いやぁッッ!」
あやめの口から苦しげな溜息が洩れる。押し殺した哀しい声も漏れる。
どんなに念波を送って暗示をかけても、あやめに宿る羞恥の心まではご
まかせていない。
でも身体は正直に反応して……
「い、磯山……さん……?」
僕の目にもみんなの目にも、一瞬だけ赤いお肉を目にする。
左右に割れたふたつのふくらみの下に覗く、少し開き気味の女の子の割
れ目。あやめのオマ○コ。
「お、俺……女のアソコ見たの初めて」
「ああ、それも学園のアイドル、あやめちゃんのオマ○コなんて……」
「ちょっ、オマ……って、あんたたち何を見てんのよ。誰か、その子を
止めてぇっ」
立ち上がった何人かの男子生徒が、自分の股間を押さえている。
メガネを掛けた女子生徒が、理解できないって顔で口に手を当てている。
騒然とする教室。
男女入り乱れての全視線を一身に浴びる、美少女のお尻。
美少女の恥ずかしいオマ○コ。
やったぞ。僕の念波が、あやめを操っているんだ。
これで世の中の女は全て僕の思いのままだ。ははははっ。
僕は高揚する心を抑えられないでいた。
胸が割れそうなくらい嬉しくて、だから彼女が立ち上がるのにも気が付
かなかった。
「バカァッ! あやめ、何やっているのよッ! 見ないでぇっ!
みんなぁ、見ないであげてっ……お願い!」
そんな至福の光景が、悲鳴に近い少女の叫び声に一蹴される。
それと同時に、あやめの白い下半身に誰かが覆い被さっている。
「えっ、な、奈菜?! どうして……?」
「いいの。もういいのよ、あやめ。私の負け。私が負けを認めるから……
だから、こんな自分を辱めるようなことをしないでよ。
だって……あやめは、奈菜の大事な大事な友達なんだからね」
奈菜はあやめの痴態を隠すように、自分の身体を盾にする。
両手を拡げて腰を90度に曲げて、ミニスカートが捲れ上がるのも関係
なしに、必死の形相で彼女を守っている。
「おい、高山さんもだぞ」
「ああ、奈菜ちゃんもだなんて……」
「もう訳がわかんない。いったい生徒会はどうなっているのよ」
突拍子もない事態の連続に代表委員は大混乱。
でも、それは僕も一緒。
ううん、それ以上にショックは僕の方が大きい。だって……
逆Vの字に開かれた太ももの上に、水色のパンティがなかったのだから。
あやめより一回り発達した張りのあるお尻が、剥き出しのまま晒されて
いるのだから。
どうして、奈菜はパンティを穿いていないの?
どうして、奈菜までノーパンなの?
それに……それだけじゃない。
小刻みに震えているのに両足をしっかり拡げて……
あやめより少し薄めの恥ずかしいお肉を、割れ目を開いて中まで覗かせ
て……
見るなら奈菜のアソコを見て。だからあやめは許してあげて。そんな感
じで……