放課後の憂鬱 序章 眼覚め(1) 2014/11/07 20:00.00 カテゴリ:放課後の憂鬱 【序章 (1)】「いやぁぁぁぁ!」藍は目を覚まし、同時にほっとした。毎日、同じような夢でうなされ、決まって同じような場面で夢から覚める。全身汗でぐっしょりと濡れている。「また朝が来てしまった・・」心の中でそう呟いた。*---藍は小さいころから女優をしている。最近は仕事も軌道に乗り順調だ。何一つ不満のない毎日。しかしそれはついこの間までのことだった。幼かった藍にとって仕事と学校を両立させるのは、細かいことを気にしていてできることではない。いや、そんなことすら考える必要がなかった。学校に友人らしい友人はできなかったし、仕事場ではみな自分より大人だったので、藍ぐらいの子供のするような会話など皆無に等しい。いままでそれでも平気だったのは、やはり「幼かった」からなのだろう。物心つくようになって、学校でも仕事場でも自分が「孤独」である事を知った。仕事場はまだよかった。「もう一人じゃイヤ・・・ワタシだってオシャベリしたい・・・」それが幼稚な感情だとは思っていた。そんな感情を挟んでいては何一つ進まない、それどころか相手にされなくなる・・・そう体が理解していたから、仕事場では苦にならなかった。藍は学校へ行くのが恐かった。友人がいないだけではなく、周囲は自分を「別の世界」の人間として見ている事を知ったからだ。朝食をとって登校する。その日も誰とも声を交わすことなく学校の門をくぐった。「おはよう!」覚悟を決めて藍は声を出した。しかし教室の中の誰一人として返事を返すものはなかった。「今日もだめか・・」藍は肩を落とした。一日中声を出さずに過ごす事も稀ではなかった。藍には耐えられなかった。もう耐え切れそうになかった。しかし、耐えるしかないのだった。ただ、授業中はあまり気にする必要がなかったため、気が休まった。*---昼休みになった。いつものように一人静かに食事をとっていると、なにやら周囲が騒がしい。「藍ちゃん! 藍ちゃんってば!」藍が振り返るとそこには別のクラスだろうか、見覚えのない男子生徒が立っていた。「えっ? わたし??」藍は驚いて裏返った声で返事をした。「ははは、どうしたの? そんなに驚いて!」「えっ、あっ、私に声をかける人なんていないから・・」「やっぱりなぁ! 藍ちゃんは有名人だからな!」つかみ所のない感じだったが、悪い感じはしない。※ この作品は、ひとみの内緒話管理人、イネの十四郎様から投稿していただきました。 尚、著作権は、「ひとみの内緒話」及び著者である「ジャック様」に属しております。 無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。 同性の先輩や後輩達に苛められる女子○生ひとみのアブナイ体験とSMチックな官能小説 目次へ 序章2へ