迫る足音! 囮になるペチャパイボディ? 2015/09/02 20:00.00 カテゴリ:シャッター・チャンス2 【第11話】 「お父さん、聞こえた?」 「うん。誰かがこっちに近づいて来る。でも、どうしよう? やっぱり こんなことなら……」 「もう! こんなところで怖気づいてどうすんのよぉッ!」 あたしは熱いお肉から指を引き抜くと、Tシャツの裾でぱぱっと拭った。 そのまま音を立てないように植え込みから抜け出し、近づく靴音を聞き 分けようと耳の後ろで手のひらを拡げた。 ツマ先立ちになって、黒い絵の具で塗りつぶしたような空間に目を凝ら してみる。 なにも見えない。 厚い雲に覆われた月明かりさえ届かない世界。あるのは不気味な暗闇だ け。 でも聞こえる。 足音を忍ばせながら接近する人の気配。 「ここは、あたしたちでなんとかしないと……」 目線をシーソーのふたりに送る。 そして、「うん」って深く頷いて撮影機材用のバッグをまさぐった。 中から取り出したのは、いざという時に備えて持ち出したサングラス。 もちろん雪音の持ち物じゃない。 お父さんが当時流行ってた西○警察のリーダーさんに憧れて衝動買いし たものの、ある事情でタンスの中に封印されちゃったモノ。 理由は……? そんなの『自分は知らないであります』ってことで、夜なのにサングラ スを掛けたあたしは涙目のお父さんに言ってあげた。 「ふたりのエスコート頼んだわよ。ピンクの傀儡子さん」って…… 暗い。真っ暗。 それなのにサングラスなんか掛けているから、真っ平らな地面で3度も 転びかけちゃった。 ここは公園を縦に貫くメインストリート。 あたしは大げさに両手を振りながら足音を立てて歩いていた。 ついでに音階を無視したハミングも熱唱した。 唄いながら、あごから滴る汗を拭って首筋を流れる汗も手の甲で拭いた。 汗ばんだ肌を冷ましてあげようと、Tシャツの裾もおへそが覗けるくら いめくり上げてパタパタさせた。 その間も、首の関節をフル回転させて暗闇に潜む人影を探す。 『お願い、雪音に気付いて』という思いと『やっぱり怖いよ』という本 音を同居させながら、一歩また一歩と遊具広場から引き離していく。 そして、半径5メートルくらいしか照らさない街灯の下に、あたしは辿 り着いていた。 ワサッワサッ……ガサッガサッ…… 耳を澄ませないと聞き取れない小枝を揺する音。 それでも聞こえない聞きたくない、男のいやらしい息遣い。 見ている。見られている。 誰かが雪音を息を殺しながらジッと覗いてる! 「ふ~ぅ。ウォーキングしてたら汗びっしょり。なんだか気持悪いなぁ~ ……誰も……見てないよね。ちょっと、脱いじゃおうかな?」 キョロキョロと周囲を窺うふりをして、頭に浮かぶセリフを棒読みして、 こっそりと止まりそうな心臓をトントンと叩いてあげて…… あたしはTシャツの裾を掴むと頭から抜き取った。 そのままグッと息を止めて、ほっぺたのお肉を噛みながらジーンズのホ ックを外した。 ファスナーを引いた。 お尻を人の気配のある草むらに向けて、焦らすようにゆっくりと下して いく。 ついでにサービスだよ♪って、腰でダンスもしてあげた。 恥ずかしいよぉ。こんなお外でパンツとブラジャー姿になるなんて。 それも正体不明のお客さんに、雪音の美肌を無料で見せないといけない なんて。 あたしはお出かけ専用のレースたっぷりの下着姿でポーズを決めた。 お父さんに撮影されるみたいに、悩殺立ちポーズを次々と披露していく。 腰をくの字に曲げてお尻を突き出して…… 前屈みになって無理して垂れ下がらせた胸の隙間を強調させて…… 遠くから聞こえる女性の感じる声なんか幻聴だよって、目の前の美少女 モデルにもっと注目してよって…… カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ…… 「ひいぃぃっ……イヤッ……んんっ」 そしてお父さんが手にしたモノと同じ音を聞いた。 覚悟はしてたけど、雪音はエッチなモデルだからこんなこと想定済みだ ったけど、だけど一瞬悲鳴を上げかけて口を押さえた。 口に手を当てたまま気付かれないように、背中をくねらせてお尻もくね くねさせた。 ちょっとだけパンツをずらせて、ヒップの割れ目も半分見せてあげた。 カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ…… そうしたら、悦んだカメラ君が拍手するようにまた鳴った。 それでもあたしは、身体が覚えてしまった淫らな振り付けを踊り続ける。 「……ふぅぅん、はああぁぁん……はぁっ、毅ぃっ……きもちいいのぉ っ……」 遠くからも張り合うように淫らな声が流れてくる。 あたしはカメラを手にしたお客様を引き止めようと、もっともっと過激 なショーに切り替えていく。 草むらに笑顔を振りまきながら、背中に回した右手がブラのホックを緩 めた。 真横にした左腕を胸に押し当てたままブラジャーを引き抜いた。 脱ぎすてられた服の上にそっと落とした。 「恥ずかしい……でも、がんばれ♪ 雪音!」 あたしは、藍色のジーンズの上に乗っかったブラジャーを恨めしそうに 見つめた。 でもそんなの一瞬だけ。 またおバカな雪音に戻ってお客様にサービスを始めた。 胸のふくらみに両手で蓋をしたまま、挑発するようにお尻を揺らした。 白いパンツをもっとずらせて、ふたつに割れたお肉を全部覗かせてあげ た。 これが汚れのない女子高生のヒップだよって。 こんな淫らな踊りをしているけど、雪音はバージンなのって。 なにもここまでしなくたって…… 雪音、いくらなんでもやりすぎだよ。 良心があきれた顔で警告する。 そうよ、あたしだって恥ずかしいし情けないよ。 でもね、見ちゃったの。決めたの。 どんなに馬鹿げていても、愛に満ち溢れた協同作業をする夫婦のジャマ はさせないって。 だからあたしは……! 「は~あ。今夜は開放的な気分♪ パ、パンティーも脱いじゃおうっと ……♪ だ~れも見ていないし、ふふっ、見ないでね♪」 スルッ……スススッ…… カシャッ、カシャ、カシャ、カシャッ…… 草むらに背中を向けて、両手をおっぱいから引き剥がして、お尻丸出し のパンツを下していく。 前だけ隠してウエストのとこが紐になっちゃった最後の1枚を、棒読み ハミングしながら脱いじゃった。 あたしは手にした白い布を、クルクルとボールみたいに丸めてブラジャ ーの横に並べた。 でもそれは湿っていた。 ううん、水気を含んだみたいに雪音のパンツはズシリと重たかった。 カメラ君に全裸の後ろ姿をみせてあげる。 隠したって意味がないのに、おっぱいと女の子の部分に両手の下着をひ っつけて、そっと密着してた太股なのに隙間を拡げる。 「はあぁ、ううっ。雪音のアソコ濡れちゃってる」 生ぬるい風なのに、股間がヒンヤリと感じた。 中途半端に期待した恥ずかしい割れ目が、オナニーの続きをせがんでく る。 「んんはあぁっ、毅ぃっ、たけしのぉっ感じるぅっ! だめぇっ……美 帆っ、気持ちよすぎてぇっ」 カメラ君を誘惑するように、真夜中の公園に響く美帆さんの女の声。 ザザッ……ザワザワザワ…… 草むらに潜んだ気配が、雪音と美帆さんを天秤に賭けた。 せっかくピチピチボディを晒してあげているのに、旦那様に愛されるム チムチボイスと互角だなんて。 ちょっぴり落ち込んで、哀しくなっちゃう。 「は、はあ~ぁっ……なんだか解放的♪ お、オナニーしちゃおうかな?」目次へ 第12話へ