闇色のセレナーデ 第2話 メス犬の衣装 2015/09/23 18:00.00 カテゴリ:闇色のセレナーデ 【第2話】口を開けばアルコールの匂いはするが、酔いは醒めていた。それだけに許せないのである。いつも損な役割ばかりを押し付けられるチッポケナな正義感が、ムラムラと沸き起こってくる。「アンタ、冗談もほどほどにしろよ。女の子にこんなひどいことをするなんて」卓造は若い男を睨みつけたまま羽織っていたコートを脱ぐと、それを少女の背中に掛けてやる。「ちょっと待ってくださいよ。メス犬を散歩させただけで、ひどいことなんて。ねぇ、チカもそう思うだろ?」そんなチカと呼ばれる少女の脇に男はしゃがみ込んでいた。そして、彼女の耳元に顔を寄せると何事か話しかけている。数秒もしないうちに、四つん這いの少女は、持ち上げかけた首を力なく項垂れさせていた。その姿を目で確認した若い男が、勝ち誇った表情のまま立ち上がる。(こいつ、あの少女に何を話した?)卓造が怪訝な表情を浮かべたその時だった。「んんっ、は、はぁ……いりません、こんなモノ」少女は細い肩を揺らせると、卓三が掛けてやったコートを払い落していた。寒々とした路上に再び白い肌を露出させる。「ふふふっ、そういうことです。メス犬に服なんて必要ないですからね。それに震えているのは、なにも寒いだけではないですよ。ねぇ、チカ」唖然とする卓三だが、男の方は気にする風でもなく少女に語り掛けていた。まるで彼の行動を待っていたかのように、更に何事か追加で囁きかけてみせる。「んんっ……はあぁぁっ……」甘い吐息を吐きながらも、男を見上げたチカはイヤイヤをするように首を振った。美しいというより愛らしく整った顔立ちを、悲痛なほど歪ませて、目尻にはたっぷりと涙を浮かべて。けれども、その抵抗は長くは持たなかった。リードを握る男の目に冷たい炎が宿ると、少女は諦めたように目を伏せ、身体の向きを反転させていく。キュッと引き締まった未成熟なヒップを曝け出していた。「……イヤ……見ないで」チカが初めて人の言葉を吐いた。「お、おい……そんな……嘘だろ?!」卓三は声を上ずらせて唸った。「くくくっ……どうです、おじさん?」若い男は、喉の奥で笑いながら訊いた。本当は目を逸らせないといけないのだろう。けれども卓三の両目は、少女の下半身に釘付けになったまま離れようとしない。おぼろげな街灯の明りを受けて、剥き身のゆで卵のような双丘を。その下に潜む女の部分。柔肉の狭間を。その恥肉のスリットを貫いている……?!ヴゥーン、ヴゥーン、ヴゥーン……「どうです、おじさん。チカが震えている理由がお分かりになりましたか?」「あ、ああぁ……確かに……」少女自身がずり落としたコートの件が尾を引いているのかもしれない。卓三は曖昧ながらも頷いていた。「でしょう。よかったね、チカ。オマ○コから生やしている尻尾を認めてもらえて」「あはぁぁっ……ダメェ、んんっ……はふぅんんっっ!」それは、バイブだった。グリップだけを残したバイブが、サーモンピンクの亀裂を割り拡げるように、深々とヴァギナに突き刺さっていたのである。「いつから、散歩を?」「そうですね、1時間ほどでしょうか」「えっ! 1時間も、バイブを挿入させたまま散歩を?」淡々と話す男の説明に、卓造は衝撃を隠せなかった。そして男を習い自分もしゃがみ込むと、潤いすぎたチカの股間を凝視する。なるほど、男が話す1時間は嘘ではなさそうだった。呻りながら小円を描くグリップの先で、おそらく膣肉は相当掻き回されているのだろう。おびただしい量の愛液が割れ目の縁から溢れ出し、内股から膝のあたりまでをべっとりと濡らしている。邪魔な北風が吹き付けなければ、ここまで淫水の匂いが届きそうな具合だった。俺と出会うまでに、この少女は何回気をやったのか?人通りが途切れたとはいえ、俺みたいな酔っ払いの目を気にしながら、惨めな姿を晒して。吹きっ晒しの寒風の中で。(いったい、この男は何者なんだ? どうして、このチカって少女はこんなバカげたプレイに付き合っているんだ? どう見ても本意とは思えないが)ズボンのフロントを膨らませたまま、至極当たり前の疑問を展開させる卓造。だがその疑問の答えを探し出す暇はなさそうだった。ヴゥーン、ヴゥーン、ヴゥーン……じゅにゅ、じゅにゅ、じゅにゅ……ぬちゃ、ぴちゃ……「だめっ、あっ、あぁぁっっ……イク、イク……イキ……ます……イヤァァァッッッ!!」お腹に溜まった空気を全部吐き出して、チカが絶頂したのだ。男と卓造の真ん前で、唸るバイブを脂肪の付ききっていない太股が挟み込んでいる。美しい背中のラインが湾曲し、せり上がった両肩がブルブルと痙攣する。どぴゅ、どぴゅ、どぴゅぅぅっっっ!!「ううっ……はあぁ……」それを目の当たりにした卓造は、下半身がすっと解放されるのを感じた。不覚にも、バイブで昇りつめた少女に感化されて射精していたのである。それも、ズボンの中で。「どうも驚かせてしまったようで、すいません。ホント、盛りのついたメス犬を管理するのは、骨が折れるんです」泣き腫らしたように真っ赤な瞳のまま、チカは肩で息をしていた。その少女の花弁では、今もバイブが暴れ続けている。次の絶頂の準備に移ろうと、蕩けそうな秘肉を刺激し続けているのだ。「では、失礼します」男は、唖然とする卓造を残して去って行った。四つん這いのまま腰をくねらせるチカを引きずるようにして。「夢にしちゃあ……出来過ぎだよな……」卓造は、冷たくなったズボンの前を手で拭った。目次へ 第3話へ