性教育 第3話 2016/01/19 20:00.00 カテゴリ:性教育 【第3話】教室内に緊張感が漂った。未来が見回すと約半数の生徒が挙手をしている。微妙な状況だ。「1、2,3・・・4、5・・・6・・・7・・・」石崎は端から順に数えた。未来のクラスは31名で構成されている。賛成者が16名以上いれば過半数を超え可決してしまう。未来自身も挙手した生徒数を無言で数えていた。「13、14、15・・・16・・・17・・・ふむ、賛成は17名だな」未来は愕然とした。播磨と彼の仲間達が賛成に回ることはおおよそ予測されたが、まさか他にもこれほどの賛成者がいるとは。日頃、未来に対して友人のように振る舞い接していた生徒達も、『未来=教材』に賛成してしまったのだ。非情の雨が激しく降り注ぎ、未来は呆然と立ち尽くしていた。 教室内は騒然としている。結果は分かりきっていたが石崎は採決を続けた。「反対の人、手を挙げて」当然先程より挙手の数は少ない。「1、2、3、4・・・12名か。」「では引続いて態度保留と言う人、手を挙げて。・・・2名か」 石崎は結果をノートに記録しているのか、教壇でボールペンを走らせた。「賛成17名、反対12名、保留2名。多数決の結果、愛川未来さんが教材モデルに決定した」教室内でどよめきが起こった。播磨に至ってはおどけて手まで叩いている。「よ~っ!未来ちゃん~やったね~!がんばってね~!」 未来は顔を紅潮させて、口惜しそうに唇を噛みしめていた。その時、すすり泣く声が未来の耳に入った。それは理美であった。「酷いわ・・・あんまりだわ・・・未来ちゃんが可哀想過ぎるわ・・・」岸本リエが一瞥を投げかけ理美を非難した。「多数決で決まったんだからさぁ、後からつべこべ言うのはやめてもらいたいわ!」石崎はリエを制して授業の開始を告げた。「どちらも言い合いはやめなさい。授業が遅れるから。では、愛川さん、教壇まで来なさい」未来は重い鎖で繋がれたような足取りで教壇へと歩いていった。教壇までのわずかな距離も、未来にとっては13階段を登るようなものであった。教師や生徒達の前で恥部を晒すことは、耐え難い屈辱であり、未来にとっては死ぬほど辛いことであった。身体中の血液がすべて脳に集まったのではと錯覚するほど、顔がほてり、身体の震えが止まらなかった。教壇までたどり着くと、石崎の残酷な言葉が待ち受けていた。 「では今から女性器について講義をする。愛川さん、下半身に着けている物は全部脱ぎなさい」未来がもじもじしていると追い討ちを掛けるかのように、石崎の催促が耳に飛び込んできた。「さあ、早く」「はぃ・・・」未来は消え入りそうな小さな声で辛うじて返事をした。 この作品は、愛と官能の美学 Shyrock様から投稿していただきました。尚、著作権は、愛と官能の美学 Shyrock様に属しております。 無断で、この作品の転載・引用は一切お断りいたします。 ラヴラヴから凌辱ものまで多ジャンル官能小説取り揃え。体験談、投稿体験談、夜学問、官能詩、エロエッセイ、その他カテゴリー多数。目次へ 第4話へ